駿河湾と山梨のつながりを学ぶ!「山梨 海の文化調査隊!~山梨発祥!?サクラエビの歴史と今を探る!~」を開催しました!
2023年8月3日(木)、4日(金)【場所】山梨県、静岡県各所
このイベントは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」”の一環です。
イベント概要
・開催概要
山梨県在住の小学5・6年生19名を対象に、豊かで健全な海を未来に引き継ぐアクションの輪を広げる取り組みとして、海なし県山梨とサクラエビをテーマに据え、山梨の歴史・環境・地理の側面から海とのつながりを学びました。
海の宝石と言われ全国でも人気がある駿河湾産のサクラエビは、その昔、日持ちするように素干しに加工され、富士市を発着点とし山梨まで塩や干物を運んだ富士川舟運によって運搬されていました。かつてサクラエビは酒一合より高値であった記録も残っていますが、目新しく色もきれいだったことから人気を博していました。しかしそのサクラエビが今歴史的な不漁となっています。今回のイベントでは、サクラエビを通して山梨の文化や海の課題に触れ、未来に向けて私たちにできることは何なのかを考える機会として開催しました。
なお、ツアーには山梨県立博物館の学芸員、中野賢治氏にアドバイザーとして参画いただき、児童の学びのフォローを行いました。
・日程
2023年8月3日(木)、4日(金)の1泊2日
・開催場所
山梨県富士川町、甲府市 静岡県焼津市、静岡市
・参加人数
県内在住小学5・6年生19名
・協力団体
静岡県水産・海洋技術研究所、ゆい桜えび館、由比港漁業協同組合、望仙、gosea’s、富士川町歴史文化館 塩の華、小原屋原田商店、甲府市地方卸売市場協会、甲府市市場冷蔵
サクラエビの生態と静岡の海洋環境を学ぶ
まず伺ったのは静岡県焼津市にある静岡県水産・海洋技術研究所。ここでは静岡大学笹浪知弘教授からサクラエビが駿河湾のどのあたりに生息し、どのような生態であるかを学びました。また、同研究所の鈴木朋和上席研究員から駿河湾の特徴や静岡県で獲れる魚など静岡の海に関するお話を聞きました。最後に研究所に併設されている展示室「うみしる」を見学し、静岡に生息している海の生き物を目で見て学びの理解を深めました。サクラエビや静岡の海の特徴をインプットして、これから1泊2日の学びのスタートです。
本場のサクラエビに舌鼓
次に向かった先はゆい桜えび館。午前の学びを終え、昼食の時間となりました。気になるお昼のメニューはもちろんサクラエビです。桜えびのかき揚げと生桜えびをご用意いただきました。かき揚げはプリプリでサクサク、山梨ではなかなか食べられない生のサクラエビも新鮮でおいしくいただきました。自然と笑顔があふれて会話も弾みます。子供たちのコミュニケーションも増えて、一気に距離が縮まりました。
山梨とサクラエビのつながりとルーツを学ぶ
由比港漁業協同組合を訪れ、サクラエビ漁について学びました。普段は海の深い場所にいるサクラエビが夜に餌を求めて上がってきたところを2艘船曳き網で獲ること、大切な資源を守るためプール制を用いて分配する方法を採っていることなどを学びました。
近年、様々な要因から不漁が続いていますが、漁獲量を注意深く監視すると同時に、産卵親エビを保護し て産卵量を増加させるなどの工夫をして資源の回復に努めていると知りました。
あいにくの強風で予定していた船での漁場への見学はできませんでしたが、水揚げされる庫内の様子等を見学しました。
また、サクラエビという名前は、かつて静岡市のサクラエビ加工業「望仙」が甲府へ行商に訪れた際、「えびっかー(えびっかす)」と叫びながら歩くと、地元の人に「こんなきれいなエビをその呼び方ではかわいそうだ」と言われ、「サクラエビ」と名づけられたことなどを知りました。サクラエビという名称の発祥が地元山梨にあるということでサクラエビが近く感じられるようになりました。
海に触れて海を楽しむ!
三保海岸では、gosea’sさんの指導の下、SUP(スタンドアップパドル)を体験し、海のアクティビティを通じて安全に遊ぶ楽しさを学びました。
待ちに待った海のアクティビティ。2人1組でバディを組んで助け合いながらSUPを楽しみました。初めての子供たちも多く、はじめは慣れないパドルさばきと不安定なライディングも少し練習するだけで様になってきました。楽しい声が海に響いていました。
静岡と山梨を結ぶ物流の要、富士川舟運
山梨県へ移動し訪れたのは富士川町歴史文化館 塩の華。ここでは鉄道が発達するまで約300年静岡と山梨の物流を支えた富士川舟運について学びました。下りは半日、上りは4~5日かけて物資を運搬し、富士川には多くの高瀬舟が往来していました。サクラエビを含めた海の幸が富士川を上がって山梨に流通し、様々なモノが運ばれてきました。主には塩が運ばれてきて、当時は塩のことを地名の鰍沢と呼ばれるほどでした。
また、小原屋原田商店では、当時塩の貯蔵庫として使われていた「塩蔵」を見学しました。塩蔵には昔の塩が少し残っていて勇気のある子はその塩を少し舐めさせてもらっていました。当時の塩は今みたいに精製の技術も高くなかったので少し甘さも感じる塩だったようです。
山梨の海の食卓を支える甲府市地方卸売市場
甲府市にある甲府市地方卸売市場は山梨県唯一の公設市場で、青果と水産物を扱う市場で山梨県全域を供給圏としています。ここでは-25度の巨大冷蔵の中に入らせてもらい、凍ったバナナで釘打ちなど貴重な体験をさせてもらいました。普段入ることができない冷蔵庫は真夏の30度を超える暑さから一気に涼を感じられてテンションも上がりまくり。曇った眼鏡や冷たくなった帽子などみんなで触って確かめていました。
釘が打てるほどのカチコチのバナナ、だからこそ運ばれてきた魚の鮮度も保たれるということそして自分たちがおいしい魚が食べられるということを実感できました。
サクラエビを通じて学んだ海と山梨のつながりをまとめて発表!
甲府市の山日YBS本社では、2日間で学んだサクラエビをイラストにしました。各々が独創性豊かなサクラエビを画用紙に描きました。おいしかったサクラエビ、大事な資源として大切に扱われているサクラエビ、サクラエビを通して海の環境を大切にしたい等、学んできたことは様々です。何よりこの2日間で結束力が強くなった子供たちは励ましあったり、アドバイスをしたりしながら絵を仕上げていきました。この中から1作品が、1日目に訪れたゆい桜えび館のサクラエビの素干しのパッケージに載せられます。子どもたちが2日間で学んで感じたサクラエビの魅力を商品に託して、たくさんの人へ届けていきます。どんなパッケージに仕上がるかお楽しみに!
参加した子どもからの声
・サクラエビが駿河湾でしか獲れないことを学んだ。
・漁師さんたちが資源を守るということも考えて漁をしていることを知った。
・SUPをもっとやってみたい。
・サクラエビをあまり意識してこなかったけれど身近に感じることができた。
・山梨と海がつながっていることがわかった。
・富士川を船が行き来していたことを初めて知った。
<団体概要>
団体名称:一般社団法人 海と日本プロジェクトinやまなし
URL:https://yamanashi.uminohi.jp/
活動内容:海洋保全啓発活動 他
日本財団「海と日本プロジェクト」
さまざまなかたちで日本人の暮らしを支え、時に心の安らぎやワクワク、ひらめきを与えてくれる海。そんな海で進行している環境の悪化などの現状を、子どもたちをはじめ全国の人が「自分ごと」としてとらえ、海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げていくため、オールジャパンで推進するプロジェクトです。
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