減少する若者の雇用:雇用市場に必要なスキル持てず~スキルギャップと失業問題への対応が必要に【プレスリリース】
【2021年12月10日 ロンドン/ニューヨーク発】
ユニセフ(国連児童基金)、Generation Unlimited(無限の可能性を秘めた世代)、PwC(Philosophy with Children)が本日発表した新しい報告書によると、世界中の若者は、現在の雇用市場に必要なスキルを見極めたり身につけたりすることができず、結果として世界的なスキルギャップが生まれ、若者の失業率が悪化しています。
本報告書『若者の雇用市場での成功を目指して:若者の雇用とスキルに関する課題(原題:Reaching YES: Addressing the Youth Employment and Skilling Challenge)』は、15歳から24歳までの若者が、将来の雇用機会に必要なスキルを見極められていないと指摘しています。また、若者は適切なスキルトレーニングを受けることができず、雇用主側が、新入社員のもつスキルを確認するための基本的な方法も確立されていません。
就職の際に求められること、教育、そしてトレーニングシステムの間に障壁があることも問題となっています。例えば、インターネットにアクセスできない若者は、オンラインでトレーニングを受けることができません。また、若者がスキルを習得した際には、それらを検証可能な形で正確かつ安全に証明し雇用者と共有できる方法が必要です。
ユニセフ事務局長のヘンリエッタ・フォアは、「世界的なスキルギャップ、経済の衰退、かつてないほど複雑で多様なスキルを必要とする雇用市場が原因で、若者の雇用は過去20年間で12%減少しました。各国政府と各企業は協力して、将来の稼ぎ手であり従業員でもある今の若者たちが、やりたい仕事に挑戦し、現在の雇用市場で成功するために必要なスキルと機会を与えなければなりません」と述べました。
スキルギャップや若者の失業などの問題に対応するため、企業や政府のリーダーが取るべき4つの行動は下記の通りです。
- スキル、カテゴリー、能力の測定方法を定義するスキルマッピングシステムを作成する。このシステムは拡張性があり、地域レベルや国レベルにも適応できなければならない。スキルトラッカーは、スキルギャップを特定し、教育やトレーニングの機会を設けるための重要な鍵である。
- 国のスキル構築エンジンを支援するため、企業研修を利用する。企業研修のプログラムと政府が主導する国家政策の枠組みを組み合わせることで、質が高く、拡張性があり、コスト効率の良い国のスキル開発プログラムを確立することができる。
- 全国規模のデジタルスキル検証トラストを構築する。若者は、スキルの証明書を簡単かつ安全に登録・保存できるようにする必要がある。習得したスキルを確認するためのセントラルブロックチェーンリポジトリを開発することが役に立つ。
- 雇用者、教育者、政府、団体、そして若者など主な関係者の間で行われる情報共有を改善するために、地域および国のスキルフォーラムを開発する。
報告書は、スキルギャップに対応するためには「社会全体」を巻き込む必要があると指摘しています。政府、企業、国、そして若者同士のパートナーシップが成功の鍵です。
*注記:
本報告書は、ユニセフ、Generation Unlimited、PwCが、若者のスキルと雇用についてまとめた報告書の第2弾です。前回の報告書は、若者の「デジタル格差」と、若者の雇用を妨げる障壁に焦点を当てていました。障壁には、インターネットへのアクセス不足とハードウェア不足といった接続の問題の他に、健康、栄養、保護、デジタルリテラシー、デジタルツールを安全かつ生産的に使用する方法についての教育、即戦力となるスキルと高度な教育、トレーニング、プラットフォームなどへのアクセス不足が含まれます。
*Generation Unlimitedについて:
「Generation Unlimited」は、若者にとって絶望的に不足している質の高い教育、技能研修、雇用機会の問題への対策を支援するために「Youth 2030 Strategy(若者のための2030戦略)」の一環として開始されました。世界の若者が機会を拡大するための革新的な解決策の作成、助成、規模拡大のために、各国政府、民間セクター、学術界、国際・市民社会団体、そして何よりも若者自身を含む幅広いパートナーが協力していきます。
*詳細は、こちらの特設サイト:https://www.generationunlimited.org/をご参照ください。
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■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。https://www.unicef.or.jp/
※ ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます
※ ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています
■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国33の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。https://www.unicef.or.jp/
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