1月24日は教育の国際デー:COVID-19による教育危機は悪化の一途~学習損失は取り戻せない程に【プレスリリース】

北東部リオグランデ・ド・ノルテで、再開初日の学校に登校した6歳のローラさん。(ブラジル、2021年3月撮影) © UNICEF_UN0499536_Potter北東部リオグランデ・ド・ノルテで、再開初日の学校に登校した6歳のローラさん。(ブラジル、2021年3月撮影) © UNICEF_UN0499536_Potter

【2022年1月24日 ニューヨーク発】

いまだに6億3,500万人以上の子どもたちが、学校の完全または一部閉鎖による影響を受けています。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックがまもなく3年目に突入しようとしている中で、教育の国際デーを迎えた本日、国連児童基金(ユニセフ)は、パンデミックが子どもたちの学習に与える影響について、入手可能な最新データを紹介します。
 

再開二日目の小学校で、給食を手に持つ子どもたち。(ウガンダ、2022年1月11日撮影) © UNICEF_UN0578963_Wamala再開二日目の小学校で、給食を手に持つ子どもたち。(ウガンダ、2022年1月11日撮影) © UNICEF_UN0578963_Wamala

ユニセフ本部教育グローバルチーフのロバート・ジェンキンスは「この3月で、COVID-19が世界の教育に影響を与え始めてから丸2年になります。簡単に言えば、子どもたちにとってほとんど取り戻せない程の学習損失が生じているということです。教育の中断は止めなければなりませんが、学校を再開するだけでは十分ではありません。失われた教育を取り戻すためには、集中的な支援が必要です。また、学校は学習の場にとどまらず、子どもたちの心身の健康、社会的発達、栄養状態を回復させる場でもあるべきです」と述べました。

子どもたちは基礎的な計算や読み書き能力を失っています。世界的に見ても、何百万人もの子どもが、教育の中断によって、教室にいれば身に付けられたはずの学習の成果を大幅に失っており、特により年齢が低く、より厳しい状況にある子どもたちが、最も大きな学習損失を被っています。
  • 低・中所得国では、学校閉鎖によって生じる学習損失が原因で、10歳の子どもの最大70%が簡単な文章を読んだり理解したりすることができません(パンデミック以前は53%)。
  • エチオピアでは、小学生は、通常の学校生活を送っていた場合の30〜40%程度しか算数を学べていないと推定されています。
  • 米国では、テキサス州、カリフォルニア州、コロラド州、テネシー州、ノースカロライナ州、オハイオ州、バージニア州、メリーランド州など多くの州で学習損失が確認されています。例えば、テキサス州では、小学3年生の算数のテストにおいて学年レベルを下回っていた人数が、2019年は全体の半数だったのに対し、2021年には3分の2にまで増加しました。
  • ブラジルの複数の州で、小学2年生の約4人に3人が読解力を身につけられていません(パンデミック以前は2人に1人)。また、ブラジル全土で、10〜15歳の生徒の10人に1人は、学校が再開されたとしても戻る予定がありません。
  • 南アフリカでは、学齢期の子どもたちが、本来の学習の進捗と比べて75%から丸1年分の遅れをとっています。2020年3月から2021年7月の間に、約40~50万人の生徒が学校を中途退学しました。

学校閉鎖の子どもたちへの影響は、悪化の一途をたどっています。学校閉鎖は、学習損失を生むだけでなく、子どもたちのメンタルヘルスに影響を与え、栄養への安定したアクセスを減らし、虐待のリスクを高めています。
  • COVID-19が子どもや若者の不安やうつを高確率で引き起こしていることを示す証拠は次々とあがっており、いくつかの研究では、女の子、若者、農村部で暮らす子どもや若者が、こうした問題を経験する可能性が最も高いことが判明しています。
  • 世界の3億7,000万人以上の子どもが学校閉鎖中に学校給食を食べられず、一部の子どもたちにとっては、唯一の信頼できる安定した食料源と日々の栄養源を失っていることになります。

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■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。 https://www.unicef.or.jp/
※ ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます
※ ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています

■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国33の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 https://www.unicef.or.jp/

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官公庁・地方自治体
本社所在地
東京都港区高輪4-6-12 ユニセフハウス
電話番号
03-5789-2016
代表者名
赤松良子
上場
未上場
資本金
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設立
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