第9回世界水フォーラム:アフリカの水と衛生分野の進捗に警鐘~4億人以上が安全な飲料水を利用できず【プレスリリース】
チャド西部のダルエスサラーム難民キャンプで、ユニセフが支援した水を飲む男の子。(チャド、2022年2月撮影) © UNICEF_UN0594579_Dejongh
セネガルのダカールで開催されている「第9回世界水フォーラム」にて本日発表された、ユニセフ(国連児童基金)とWHO(世界保健機関)の水と衛生に関する共同監査プログラム(JMP)による報告書は、アフリカでの水と衛生に関する持続可能な開発目標(SDGs)の達成のためには、同分野における進捗速度を劇的に加速することが必要だと指摘しました。この報告書では、水不足と脆弱な衛生・保健サービスが平和と発展を脅かしかねないアフリカ大陸において、緊急に行動を起こすことの必要性が呼びかけられています。
2000年から2020年の間に、アフリカの人口は8億人から13億人に増加しました。本報告書によると、約5億人が基本的な飲料水を、2億9,000万人が基本的な衛生設備(トイレ)を利用できるようになりました。
深刻な干ばつにより干上がった川から、わずかな水を集める男の子。 (ソマリア、2022年3月1日撮影) © UNICEF_UN0607653_Rich_Photographer
アフリカでSDGsの目標を達成するには、安全に管理された飲料水に関しては現在の12倍、安全に管理されたトイレに関しては20倍、基本的な手洗い設備に関しては42倍のスピードで前進させていく必要があると報告されています。
ユニセフ・西部・中部アフリカ地域事務所代表のマリー・ピエール・ポワリエは「飲料水、トイレ、手洗い設備への公平なアクセスは、子どもたちやコミュニティの健康と発展の基礎となるだけではありません。水は命であり、発展であり、そして平和を意味するのです。水不足が紛争の火種となり、水源地が狙われている今、ユニセフは緊急の行動を求めています。特に、学校にトイレがないことや、水を汲みに行かなければならないことが原因で学校を休まなくてはいけない女の子たちのために、学校で水・トイレ・手洗い設備を整えることが必要です。女性や子どもが、安全に水を利用できなければなりません」と述べました。
北キブ州の州都ゴマで、ユニセフの支援で設置された給水施設で水を汲む7歳のマリーさん。2021年5月の火山噴火により地域唯一の貯水槽と水道パイプが溶岩の被害を受け、飲料水が届かなくなっていた。(コンゴ民主共和国、2021年9月撮影) © UNICEF_UN0
ユニセフは世界100カ国以上で緊急時も含めて活動し、農村部と都市部の両方で、安全な水と適切なトイレを利用できるようにし、基本的な衛生習慣を促進するための支援を行っています。人道的状況において命を守る支援を提供する傍ら、学校や保健医療施設と直接協力して、こうしたサービスへのアクセスを改善し、子どもたちにとってより良い、水・衛生・保健衛生を実現しています。
3月21日から26日にかけて、ユニセフを含む多くのパートナーの支援を受けて初めてサハラ以南のアフリカで開催される「第9回世界水フォーラム」は、アフリカ大陸全域で2030年までに水と衛生へのアクセスを改善するための解決策を見出すために、水に関するコミュニティや意思決定者向けの独自のプラットフォームを提供することを目指しています。
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■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。 https://www.unicef.or.jp/
※ ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます
※ ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています
■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国33の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 https://www.unicef.or.jp/
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