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公益財団法人日本ユニセフ協会
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栄養危機:アフリカの子どもの消耗症がさらに拡大~柔軟な長期的資金支援を強く訴え【プレスリリース】

公益財団法人日本ユニセフ協会

栄養不良の検査を受ける子ども。中央カサイ州カナンガ近郊にある村では、52人の子どもが深刻な急性栄養不良に陥っていた。(コンゴ民主共和国、2021年10月撮影)© UNICEF_UN0559930_Dubourthoumieu栄養不良の検査を受ける子ども。中央カサイ州カナンガ近郊にある村では、52人の子どもが深刻な急性栄養不良に陥っていた。(コンゴ民主共和国、2021年10月撮影)© UNICEF_UN0559930_Dubourthoumieu

【2022年5月25日 マラボ(赤道ギニア)発】

サヘル地域からアフリカの角(アフリカ大陸東部地域)に至る、危機的状況が長引いているアフリカの地域全体で、政情不安、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)、不作、ウクライナ危機そして世界の食料価格上昇などが、弱い立場にいる家族に大きな影響を与え、重度の消耗症に陥る子どもたちが増加しています。

サヘル地域は、lean seasonと呼ばれる食料備蓄が減少する季節に入り、アフリカの角は干ばつの影響を受け、重度の消耗症になる子どもの数が170万人から200万人に増加する中、アフリカ連合(AU)は今週、赤道ギニアのマラボで臨時人道サミットと支援会合を召集しました。ユニセフ(国連児童基金)は、各国政府と開発パートナーに対し、このサミットとAUの定める「栄養改善の年(Year of Nutrition)」という機会を活用し、命を守るための対応を強化するために、多分野への投資を行うことでレジリエンスを高め、危機の予防と予測に取り組むよう助言しています。
 

エチオピアの国内避難民キャンプを歩く女性。雨季が3回連続来なかったことにより、アフリカの角地域にある4カ国はここ数十年で最悪の干ばつに苦しんでいる。(エチオピア、2022年4月11日撮影)© UNICEF_UN0631313_Sewunetエチオピアの国内避難民キャンプを歩く女性。雨季が3回連続来なかったことにより、アフリカの角地域にある4カ国はここ数十年で最悪の干ばつに苦しんでいる。(エチオピア、2022年4月11日撮影)© UNICEF_UN0631313_Sewunet

もし、大規模な人道支援が行われなければ、今年、コンゴ民主共和国では120万人の子どもたちが重度の消耗症になると予測されており、こうした大規模な支援ニーズは、エチオピア(120万人)、ナイジェリア北部(67万1,890人)、ニジェール(49万1,822人)、チャド(34万8,160人)、ソマリア(33万人)、南スーダン(30万人)、マリ(30万9,821人)、ブルキナファソ(17万9,252人)でも発生しています。現在の傾向が続けば、状況は今後数カ月で悪化すると見込まれています。

アフリカの栄養分野におけるユニセフの人道支援計画は、2021年の資金調達率が50%未満に留まり、不足分は3億6,300万米ドルとなりました。5月20日(金)、国連人道問題調整事務所(OCHA)は、今後3カ月間に、サヘル地域で1,800万人が深刻な食料不足に陥る可能性があり、2014年以来最も深刻な状況になりうると警鐘を鳴らしました。アフリカの角でも、1,600万人以上の人々が同様の状況下にいます。

ユニセフ西部・中部アフリカ地域事務所代表のマリー=ピエール・ポワリエは、「この地域の大半では、次の収穫期は数カ月後となっており、子どもたちにとって1年で最も苦しい時期が始まりつつあります。特に5歳未満児は、栄養価の高い食料が不足すると、その影響を長期的に受けやすく、成長と発達が阻害される可能性があります。実質的な変化をもたらすためには、政府やドナーは、レジリエンスを強化して、国やコミュニティが危機に対しより強くなるように、短期的な資金支援と、複数年にわたる長期的で柔軟な資金支援を組み合わせる必要があります」と述べました。
 

栄養不良から回復した双子の赤ちゃん。ニジェールでは5歳未満児のうち15%が栄養不良に陥っており、栄養状態の良い子どもより命を落とす確率が11倍も高いとされている。(ニジェール、2021年10月撮影)© UNICEF_UN0535870_Dejongh栄養不良から回復した双子の赤ちゃん。ニジェールでは5歳未満児のうち15%が栄養不良に陥っており、栄養状態の良い子どもより命を落とす確率が11倍も高いとされている。(ニジェール、2021年10月撮影)© UNICEF_UN0535870_Dejongh

ユニセフ東部・南部アフリカ地域事務所代表のモハメド・M・マリック・フォールは、「アフリカの角全域で、子どもたちが干ばつの影響を受けているのを目の当たりにしています。重度の消耗症に苦しむ子どもたちの状況は深刻であり、さらに悪化しています。人道危機に対応するにあたり、各地域の問題解決に投資しつつも、長期的なレジリエンスの構築のためにも投資するべきタイミングが来ています」と述べました。

毎年多くの子どもたちの命を守っている「すぐに食べられる栄養治療食(RUTF)」の価格が、原材料費の高騰により、今後6カ月間で最大16%上昇すると予測されています。5月17日、ユニセフが発表した最新報告書「重度の消耗症~見過ごされる子どもの生存危機」では、重度の消耗症の子どもが増え、命を守るためのコストが増大していることから、そのための資金調達が世界中で追いつかなくなってきていることが示されています。

アフリカ連合は、2022年を「栄養改善の年」と名付け、身体的、精神的、認知的、生理学的な発達に長期的に深刻な影響を及ぼす栄養不良に対処しようと、アフリカ大陸全体で取り組みを進めています。重度の消耗症に苦しむ子どもは治療を受けられなければ、栄養状態の良い子どもより、命を落とす確率が11倍高くなってしまいます。
 

ブルキナファソ北部にある村で暮らす子ども。ブルキナファソでは約70万人の5歳未満児が急性栄養不良のリスクに晒されている。(ブルキナファソ、2022年5月5日撮影)© UNICEF_UN0640825_Dejonghブルキナファソ北部にある村で暮らす子ども。ブルキナファソでは約70万人の5歳未満児が急性栄養不良のリスクに晒されている。(ブルキナファソ、2022年5月5日撮影)© UNICEF_UN0640825_Dejongh

アフリカでは、昨年1年間で1,210万人の子どもが消耗症になったと推定されています。アフリカで消耗症に陥る子どもの割合は、過去数十年にわたって減少しているものの、人口が急増しているため、10年前と比較すると、消耗症に苦しむ子どもの数は、1年間で50万人以上多くなっています。

すべての重度の消耗症の子どもに治療を行うために、ユニセフは次のことを呼びかけています。

・重度の消耗症に苦しむ子どもが治療を受けられるよう、迅速に対応すること(次の2点を含む)。
(1)各国が、保健分野や長期的な開発資金のスキームに、子どもの消耗症に対する治療を含めることで、人道危機下にいる子どもだけでなく、すべての子どもが治療プログラムを受けられるようにする。
(2)世界的な食料危機に対処するための予算に、RUTFを入手するための特別な予算を確実に組み込むこと。

・政府とすべてのパートナーは、パラダイム・シフトを行い、予防を強化し、他分野にまたがるアプローチを促進する。それによって、貧困が広がる中で相互に作用している、広範囲の食料不安、乳幼児の不適切な食事とケア、母親の栄養不足、小児疾患の高い発生率、水と衛生、保健サービスを受けられないこと、ジェンダーを含む社会規範など、多岐にわたる根本的な問題に対処する。

・ドナーと市民社会組織は、支援を多様化させ、豊富にし、健全なものとなるように、栄養分野に対する柔軟な資金支援を優先すること。

* * *

■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。 https://www.unicef.or.jp/
※ ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます
※ ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています

■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国33の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 https://www.unicef.or.jp/

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上場
未上場
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