【ルイ·ヴィトン】エスパス ルイ·ヴィトン大阪にて7月16日より草間彌生の展覧会「INFINITY - SELECTED WORKS FROM THE COLLECTION」を開催

©Jérémie Souteyrat / Louis Vuitton

2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)の開催に合わせ、エスパス ルイ·ヴィトン大阪では、日本を代表するアーティスト 草間彌生の展覧会「INFINITY - SELECTED WORKS FROM THE COLLECTION」を2025年7月16日から2026年1月12日まで開催いたします。

国際的なアートシーンに登場した初期の作品から近年の作品にいたるまで、長い年月に及ぶ作品群を紹介する本展では、彼女の幅広い創作活動を示すにとどまらず、1960年代初頭のニューヨーク時代から現在まで一貫して創作を導いてきた主題のつながりを照らし出します。本展は、東京、ミュンヘン、ヴェネツィア、北京、ソウル、大阪のエスパス ルイ·ヴィトンにてフォンダシオン ルイ·ヴィトンの所蔵コレクションを公開する「Hors-les-murs(壁を越えて)」プログラムの一環として行うもので、国際的なプロジェクトを通じて、世界各地のより多くの観客に作品を届けるというフォンダシオンの理念に基づいています。

©Jérémie Souteyrat / Louis Vuitton

草間彌生は、変幻自在な表現と強迫的な反復や増殖を特徴とする、極めて多作なアーティストです。画家、彫刻家、パフォーマンス·アーティスト、小説家、ファッションデザイナーとして、キャリアのあらゆる段階で並外れた創造的エネルギーを発揮してきました。本展の作品からは、彼女の創作の軌跡が日本およびアメリカの美術史における主要な潮流といかに関わってきたかが見えてきます。草間はこうした潮流に対峙し、時には寄り添いながら、独自の創作活動を展開してきました。草間の創作活動はポップアートやミニマリズムと呼応し合い、またそれらにインスピレーションを与える形で展開されてきましたが、彼女の本質的な強さは極めて私的な作品が映し出し続けてきた圧倒的な独自性にあります。

本展における最も新しい作品でも、その独自性は健在です。

©Jérémie Souteyrat / Louis Vuitton

1929年に長野県松本市で生まれ、1973年から東京を拠点とする草間彌生は、種苗業を営む実家で、植物に囲まれて幼少期を過ごしました。10歳頃には、すでに絵を描きはじめていた彼女を襲ったのは、初めての幻覚体験でした。実家の室内が花柄に覆い尽くされ、やがて自分自身も呑み込まれてしまう── そんな幻覚が現れたのです。こうした幼少期の記憶が彼女独自の世界観を築き上げ、そこから生まれる精神的な葛藤が、今日まで草間の芸術を突き動かし続けています。「自己治療(セルフセラピー)」と彼女が呼ぶ制作過程において、強迫的に反復されるモチーフは重要な表現手法となっており、本展で紹介する作品群にもこの特徴が色濃く反映されています。1960年代の「無限の網」や「ドッツ」シリーズは、近年の作品では星、細胞、純粋な抽象を想わせる浮遊する形態へと展開を見せています。キャリアを通じて一貫しているのは、この技法によって自らの恐れと強迫観念に形を与えるという姿勢です。

これらのモチーフに込められているのは、草間の根底にある哲学です。展覧会のハイライトとなる《無限の鏡の間―ファルスの原野(または フロアーショー)》(1965年 / 2013年)は、彼女が手掛けた数多くの「無限の鏡の間」の第1作であり、来場者を果てしなく続く水玉の世界へと誘い、方向感覚を失うほどの没入体験をもたらします。この象徴的な作品では、《毎日愛について祈っている》(2023年)に込められた詩的な想いや反復的な絵画制作と同じように、幻覚的なビジョンと宇宙における個人の居場所についての哲学を表現しています。草間は「水玉」と「無限の網」による多様な技法を駆使しながら、鑑賞者に無限について考えるよう促し、彼女が「自己消滅」と呼ぶ過程において視覚的な没入へと誘います。こうして彼女は、自我を手放して自分たちを包み込む空間と1つになるよう私たちを導いているのです。

©Jérémie Souteyrat / Louis Vuitton
©Jérémie Souteyrat / Louis Vuitton

アーティストについて

草間彌生は1929年、長野県松本市に生まれました。現在、東京を拠点に活動しています。

子供の頃から絵を描き、文章も書いていた草間は、両方の分野で賞を受賞していました。家族の反対を押し切って美術を学び、日本画の技法を身に付けると、紙から木材、布にいたるまで、さまざまな素材を使った独自の表現を模索しはじめます。1957年、当初はフランス移住を考えていた彼女でしたが、アメリカ人アーティスト ジョージア·オキーフとの文通を経てアメリカ行きを決意。

シアトルに降り立った後、最終的にニューヨークに定住し、アート·スチューデンツ·リーグで学んでいます。彼女がアメリカ前衛芸術界の重要人物たちと接点を持つようになるのにそれほど時間はかかりませんでした。アンディ·ウォーホルの「ファクトリー」は、クレス·オルデンバーグのスタジオと同じ建物にあった草間のスタジオのすぐ近くに位置していました。近い環境にいた2人は草間のアイディアを借用し、ウォーホルはスクリーン印刷の壁紙を、オルデンバーグはソフト·スカルプチャーというコンセプトを自らの作品に応用していました。ところが、この借用はいずれも彼女に無断で行われていました。ニューヨークの活気あるアートシーンの中心にあって、メディアからも注目を集めていたにもかかわらず、女性かつ外国人という立場にあった草間にとって、アートで生計を立てることは困難を極めました。1973年、東京の病院での手術のため帰国した草間は、その後日本に定住。

激しい幻覚に悩まされた彼女は、1977年に東京の精神科病院への入院を自ら希望し、現在もそこを拠点に制作活動をしています。

絵画、彫刻、インスタレーション、文学、パフォーマンス、ファッションと幅広い分野で活動する草間は、日々実践する無意識的で瞑想的な手法から、水玉、網、花という彼女のトレードマークとなるモチーフを生み出しています。アメリカ到着直後に制作された初期の抽象的な「無限の網」は、瞬く間に記念碑的な大きさにまで成長し、やがてこのモチーフはスタジオの壁やギャラリーを侵食していきました。さらには彼女の衣服や街で拾い集めた家具、日用品にまで広がり、こうした品々を増殖する布の突起で覆ったものが「集積」シリーズです。このシリーズは、エヴァ·ヘスらがその後間もなく展開する同様の表現手法を多くの点で先取りするものでした。家父長制社会、資本主義、ベトナム戦争への抗議という大きな文脈の中、1960年代後半の草間によるハプニングやパフォーマンスは政治的な色彩を強めていきます。日本に戻った草間は当初、家父長制的で保守的な日本社会への疑問を投げかけていましたが、やがて水玉と無限の反復という形での哲学の発展に回帰していきました。

草間は1952年、日本で初めて個展を開催しました。日本とアメリカで数多くの展覧会を重ね、1966年の第33回ヴェネツィア·ビエンナーレでは公式招待なく展示を行いましたが、1993年にはこの由緒ある国際的な舞台で日本代表として正式に招待を受け、ついに世界的な評価が確立されました。以降、彼女の作品は世界各地の多くの展覧会で取上げられており、1998年のニューヨーク近代美術館を皮切りに、1999年の東京都現代美術館、2011年-2012年のポンピドゥー·センター(パリ)およびテート·モダン(ロンドン)、2021年のグロピウス·バウ(ベルリン)、2022年のM+(香港)、2024年のビクトリア国立美術館(メルボルン)など、主要な美術館での展覧会が続いています。2017年には草間彌生美術館が東京に開館し、草間とその作品に特化した美術館として、多彩な企画展を通じて来館者が作品と出逢い深く向き合うことのできる場を創出し続けています。

フォンダシオン ルイ·ヴィトンについて

フォンダシオン ルイ·ヴィトンは現代アートとアーティスト、そしてそれらのインスピレーションの源となった重要な20世紀の作品に特化した芸術機関です。公益を担うフォンダシオンが所蔵するコレクションと主催する展覧会を通じ、幅広い多くの人々に興味を持っていただくことを目指しています。カナダ系アメリカ人の建築家フランク·ゲーリーが手掛けたこの壮大な建物は、既に21世紀を代表する建築物と捉えられており、芸術の発展に目を向けたフォンダシオンの独創的な取組みを体現しています。

2014年10月の開館以来、1000万人を超える来館者をフランス、そして世界各地から迎えてきました。

フォンダシオン ルイ·ヴィトンは、本機関にて実施される企画のみならず、他の財団や美術館を含む、民間および公共の施設や機関との連携においても、国際的な取組みを積極的に展開してきました。とりわけモスクワのプーシキン美術館とサンクトペテルブルクのエルミタージュ美術館(2016年の「Icons of Modern Art: The Shchukin Collection」展、2021年の「The Morozov Collection」展)やニューヨーク近代美術館(「Being Modern: MoMA in Paris」展)、ロンドンのコートールド美術研究所(「The Courtauld Collection.A Vision for Impressionism」展)などが挙げられます。また、フォンダシオンは、東京、ミュンヘン、ヴェネツィア、北京、ソウル、大阪に設けられたエスパス ルイ·ヴィトンにて開催される所蔵コレクションの展示を目的とした「Hors-les-murs(壁を越えて)」プログラムのアーティスティック·ディレクションを担っています。これらのスペースで開催される展覧会は無料で公開され、関連するさまざまな文化的コミュニケーションを通じてその活動をご紹介しています。

作品解説のお知らせ:

会期を通じて、会場スタッフが皆様をお迎えしますが、

毎月第1金曜日と土曜日にはお集まりいただいた皆様に向けたグループツアーを開催します。

事前申込は不要です。

開催日:

2025年 8月1日(金)、8月2日(土)

9月5日(金)、9月6日(土)

10月3日(金)、10月4日(土)

11月1日(土)、11月7日(金)

12月5日(金)、12月6日(土)

2026年 1月2日(金)、1月3日(土)

*都合により日時が変更となる場合は、公式サイトにてお知らせいたします。

開催時間:

各回15:00~、所要時間約15分

エスパス ルイ·ヴィトン大阪

〒542-0085 大阪市中央区心斎橋筋2-8-16

ルイ·ヴィトン メゾン 大阪御堂筋 5F

お問合せ先:

T 0120 00 1854

contact_jp@louisvuitton.com

開館時間:12:00-20:00

休館日はルイ·ヴィトン メゾン 大阪御堂筋に準じます。

入場無料

会場内の混雑防止のため、入場をお待ちいただく場合がございます。

プレスお問合せ先:

ルイ·ヴィトン ジャパン(株) PRコミュニケーション

T 03 6701 5120

espace_louis_vuitton_pr.jp@louisvuitton.com

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#CollectionFLV

#FondationLouisVuitton

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アート・カルチャー
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会社概要

URL
-
業種
商業(卸売業、小売業)
本社所在地
東京都中央区八重洲2丁目2番1号
電話番号
0120-00-1854
代表者名
エドゥアール・フォール
上場
未上場
資本金
-
設立
1978年03月