「シンガポール」「量子コンピューター」「ウルトラマン」から生まれた物語。真山 仁 著『タングル』
沈みゆく国に再び夜明けは来るのか?闘う相手は国益のためなら手段を選ばない輩たち!
国家の安全保障と金融システムを一変させる、日本発の光量子コンピューター開発を巡り、大国間の駆け引きが激化してゆく
東都大学工学部の早乙女賢一教授は画期的な光量子コンピューター開発において、世界最先端の位置にいた。しかし、スーパーコンピューター開発に固執する日本では、将来有望な光量子コンピューターにかける研究費が十分ではない。また、量子コンピューターの世界では、巨大メーカーが開発を主導する超伝導方式が主流だ。
«「超伝導方式に、何か問題があるんですか」
「超伝導方式による量子コンピューターでは、絶対零度をキープするための、大型の冷却システムが必要なんです。
それに引き換え、光量子コンピューターは常温でOKな上、設備もコンパクトです。早乙女教授は、スティックメモリサイズの量子コンピューターも可能だと言っています。僕は、イチオシです」
「それほど素晴らしい技術なのに、日本政府や業界は、早乙女研を応援しないんですか」
「支援はしています。科研費も、他とは桁違いの額を投じています。でも、研究設備がとんでもない金食い虫なんです。さらに別の事情もあります。日本は今もスーパーコンピューター開発で、覇権争いの最中です。そんな中、スパコンをお釈迦にするような次世代コンピューター開発に注力するのはいかがなものかという、業界団体やスパコン学者たちからの圧力が、研究費投入を妨げています」»
(本文より)
早乙女は何かと足を引っ張られる日本を見限って、シンガポールと共同開発プロジェクトを現地に立ち上げる。
その計画「オペレーション・夜明け」を牽引するのは、かつて凄腕商社マンとしてアジアで活躍するも、挫折を味わった望月嘉彦。
沈みゆく経済大国ニッポンが起死回生を遂げるために、元通産審議官にして日本産業振興の裏業師と呼ばれた天童寛太郎は、この計画を利用しようとしていた。
早乙女教授の研究は潤沢な資金と設備によって順調に進んでいたが、世界を変えるコンピューターを巡り、大国間の謀略が始まり・・・。
そんな中、ニューヨークのファンドから、あの男が早乙女教授の前に姿を現した――。
追い詰められたニッポンは再びライジング・サンとなれるのか!?
シンガポールを舞台に描く、一気読み必至の熱き人間ドラマ!!
「シンガポール、量子コンピューター、ウルトラマン――。この三つのキーワードで物語をつくれ!
いわゆる三題噺は落語の形態で、客に自由に三つの「お題」を決めてもらい、それを落語家が一つの噺にまとめる趣向だ。
小説を書く時、私は、この三題噺のように一見まったく無縁のテーマを作品に放り込み、付きつ離れつしながら、なんとか収斂していく――というプロットを考えがちだ。
何より意外性があるし、書き手とすると、チャレンジが楽しいからだ。
成否は別にして、新作『タングル』は、冒頭に掲げた三つのお題を盛り込んだ」
(「小説丸 」より)
著者による『タングル』についてのコラムはこちら▶▶▶
https://shosetsu-maru.com/yomimono/essay/tangle
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『タングル』
著/真山 仁
定価:1870円(税込)
判型/頁:4-6/448頁
ISBN978-4-09-386660-6
小学館より発売中(11/18発売)
本書の紹介ページはこちらです↓↓↓
https://www.shogakukan.co.jp/books/09386660
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【著者プロフィール】
真山仁(まやま・じん)
1962年、大阪府生まれ。同志社大学法学部政治学科卒。新聞記者、フリーライターを経て、2004年、企業買収の壮絶な裏側を描いた『ハゲタカ』でデビュー。同シリーズはドラマ化、映画化され大きな話題を呼ぶ。他の著書に『マグマ』『売国』『当確師』『オペレーションZ』『ロッキード』『墜落』など多数。
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