8/23~9/1は「世界水週間」:アフリカの角とサヘル地域で進む干ばつ~緊急支援のニーズ高まる【プレスリリース】
【2022年8月23日 ニューヨーク(アメリカ)/ナイロビ(ケニア)/ダカール(セネガル)発】
8月23日からの世界水週間に際し、ユニセフ(国連児童基金)は、深刻な栄養不良と水に起因する感染症のリスクが重なるアフリカの角とサヘル地域に緊急に支援をおこなわなければ、壊滅的な数の子どもが死亡する恐れがあると警鐘を鳴らしました。
ドローの国内避難民キャンプで、汲んだ水を運ぶ10歳のヒボさん。10日間歩いて、このキャンプにたどり着いたと話す。(ソマリア、2022年5月撮影) © UNICEF_UN0644298_Fazel
エチオピア、ケニア、ソマリアでは、干ばつによって安全な水を確実に入手できない人の数が2月の950万人から7月に1,620万人まで増加し、子どもと家族がコレラや下痢などの病気にかかるリスクが高まっています。また、ほとんどの人々は、販売業者がトラックやロバで配達する水に頼っていますが、干ばつの影響を受けている地域では、多くの世帯が水を購入することができません。
- ケニアでは、23地区で水の大幅な値上げが行われ、2021年1月と比較して、マンデラでは400%、ガリッサでは260%となっています。
- エチオピアでは、2021年10月の干ばつ発生時と比較して、今年6月の水の価格が、オロミアでは2倍、ソマリでは50%値上がりました。
- ソマリアでは、2022年1月と比較して、水の平均価格がムドゥグ南部で85%、Buurhakabaで55%、Ceel Berdeで75%値上がりました。
嘔吐と下痢の症状があり、病院で栄養補助食を口にする生後8カ月のフォージアちゃん。(ニジェール、2022年8月15日撮影) © UNICEF_UN0688716_Dejongh
サヘル地域では、気候変動や紛争などの複合的な要因により、過去20年間で利用可能な水量が40%以上減少し、何百万もの子どもと家族が水に起因する感染症のリスクにさらされています。昨年だけでも、西部と中部アフリカでは過去6年間で最悪のコレラの流行が起こり、そのうち中央サヘルでは5,610件の感染、170人の死亡を確認しました。
ユニセフは、アフリカの角とサヘル地域で支援を待つ子どもと家族に、命を守る支援と多分野にわたるサービスを提供しています。これには、気候変動に強い水や衛生サービスを利用できるようにすること、確実な地下水の掘削とソーラーシステムの開発、栄養不良の子どもの診断と治療、予防サービスの拡充などが含まれます。
井戸から水を汲む子どもたち。(ブルキナファソ、2022年5月撮影) © UNICEF_UN0640809_Dejongh
「病気で、お腹を空かせ喉が渇いた子どもにパンを買うか、水を買うかを選ばなければならず、または、極度の渇きに苦しむ子どもの姿を見るか、致命的な病気を引き起こす可能性のある汚れた水を飲ませるかのどちらかを選ばなければならないことを想像してみてください。干ばつの影響を受けている地域の家庭は、不可能な選択を迫られています。この危機を止める唯一の方法は、政府、ドナー、国際社会が、子どもたちの最も緊急なニーズに応えるための資金を増やし、危機の連鎖を断ち切るための長期的かつ柔軟な支援を提供することです」(ラッセル)
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■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。 https://www.unicef.or.jp/
※ ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます
※ ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています
■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国33の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 https://www.unicef.or.jp/
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