プリヤンカー・チョープラー・ジョナス、ケニア訪問:ユニセフ親善大使として干ばつ地域の病院や家庭へ【プレスリリース】
「何百万人もの子どもが命を落とす可能性、今すぐ行動を」
【2022年10月20日 ナイロビ/ニューヨーク発】
ユニセフ(国連児童基金)親善大使のプリヤンカー・チョープラー・ジョナスさんが今週ケニア北部を訪れ、アフリカの角全域で長引く干ばつによる深刻な急性栄養不良に苦しんでいる子どもたちに会いました。
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2日間の訪問中、チョープラー・ジョナスさんは、気候変動による干ばつと現在も続く新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を受けているケニアの15の郡のうち、トゥルカナ郡を訪れました。トゥルカナ郡ではほぼ3人に1人の子どもが急性栄養不良に陥っています。干ばつの影響を受けている郡に住む約90万人の5歳未満の子どもたちが、生命を脅かす重度の急性栄養不良の治療を必要としています。
「アフリカの角では子どもたちが飢えて命を落としており、さらに数百万人が今まさに飢える寸前の状態にあります」とチョープラー・ジョナスさんは話します。「私が会った家族のほとんどは1日1ドル以下で生活しており、3日間何も食べていない人もいました。ここでは気候変動の影響は、こういう形で表れているのです。ユニセフの現地での支援活動により、この飢餓の危機に歯止めがかかっています。その中には、子どもの命を守ることができる栄養治療食の配布も含まれています」
ケニアでは、過去4回の雨期で雨不足だったため、140万人の子どもたちにとって、栄養の摂れる食事や安全な飲料水を口にし、保健サービスや教育を受け、暴力やネグレクトから守られることは困難な状況になっています。今後予想される5回目の雨期も期待できず、状況はさらに悪化し、人道支援を必要とする子どもたちや家族が増えることが予想されています。アフリカの角の危機に対応して、ユニセフは栄養サービスの規模を拡大し、治療用ミルクとすぐに食べられる栄養治療食(RUTF)を保健施設に配布するとともに、最も支援が届きにくい地域で栄養不良の子どもを特定し治療につなげるために各国政府を支援しています。
「ユニセフは、最も困難な状況下で子どもの死を最小限に抑えるため、政府や他のパートナー機関と共に、たゆまぬ努力を続けています」と、ユニセフ・ケニア事務所代表代行のジャン・ロケンガは述べています。「この悲惨な状況は、特に次の雨期に雨が降らなかったり、資金不足でRUTFのような命を守るための物資が入手できなくなったりした場合、さらに悪化する可能性があります。ケニアとその周辺国では、この危機に対する追加的かつ持続的な対応が切実に求められています。チョープラー・ジョナスさんがユニセフの親善大使として、干ばつ対応への資金調達にとって大いに必要な人々の関心を集めて、すべての子どもたちが支援を受けられるように助力してくださっていることに感謝しています」
チョープラー・ジョナスさんは、トゥルカナ郡のロドワーにあるロドワー総合病院の小児安定化センターを訪れました。小児安定化センターは、最悪の健康状態にある子どもたちが専門治療を受ける施設で、チョープラー・ジョナスさんはそこで重度の栄養不良で入院している2歳の男の子、キーザちゃんと対面しました。免疫力の低下で、病気と闘うことができないキーザちゃんは、マラリア、肺炎、水腫を患っていました。地域の保健ボランティアが、ロドワーのNakwamekwi 村にあるキーザちゃんの家を訪問し症状を特定できたおかげで、彼は入院し治療を受けることができたのです。
「ケニアの現実は、キーザちゃんのような多くの子どもたちが必要な治療を受けておらず、非常に脆弱な状態にあります。栄養不良で免疫力が低下している子どもたちは、病気と闘うことができず、飢えだけでなく病気が原因で亡くなる可能性もあるのです。これは悲惨なことです。ただし、これは防ぐこともできます。今、私たちが行動を起こさない限り、さらに何百万人もの子どもたちが死の淵に追いやられるでしょう」とチョープラー・ジョナスさんは述べています。
訪問中、チョープラー・ジョナスさんは、トゥルカナ群中央にあるSopel村の人々とも会いました。Sopel村は干ばつの影響をまともに受けており、水と家畜用の牧草を求めて移住することを選択した人もいました。Sopel村では、太陽光発電を利用して井戸が掘られ、地域の保健センターや小学校をはじめ、村全体が安心して水を利用できるようになりました。
ユニセフはアフリカの角全域で、干ばつの被害を受けた家庭に緊急用水と衛生キットを配り、家庭での水処理を可能にしています。また、村、 学校、保健施設などの拠点となる場所で、機能していない井戸の修復と改良を行っています。さらに、脆弱な家庭には、医療費を支援したり、児童婚や退学から子どもを守ったりするための現金給付が行われています。
「私はこの訪問でハンナ・モルさんというお母さんに会い、この干ばつの最中に彼女がいかに強くあり続けたか、感銘を受けました。彼女は、村に水源があり、家族のために水が使えたからこそ、村に留まることができたのだと話してくれました」とチョープラー・ジョナスさんは語ります。「ハンナの13歳の娘セリーヌさんは学校に通えるようになり、末っ子は地元の診療所で予防接種や栄養治療が受けられるようになりました」
ユニセフは、アフリカの角地域の干ばつ対策への緊急の資金援助を各国政府、民間セクター、そして個人に呼びかけています。状況が悪化し続ける中、支援活動の拡大と継続性を確保する必要性が高まっています。同時に、気候変動が引き起こす度重なる緊急事態にさらされる人々が、より長期的なレジリエンスを持てるようさらなる投資が必要、とユニセフは警鐘を鳴らしています。
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■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています。 https://www.unicef.or.jp/
※ ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます
■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国33の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 https://www.unicef.or.jp/
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