ハイチ:コレラ患者の5人に2人が子ども~重度の栄養不良の子どもたちの死亡リスクは3倍【プレスリリース】
ポルトープランスで、コレラに感染したため、手に点滴をされて治療を受ける子ども。(ハイチ、2022年10月14日撮影) © UNICEF_UN0721018_Joseph
ハイチでコレラが発生してから2カ月近くが経ち、ユニセフ(国連児童基金)は、増加する感染者の約40パーセントが子どもであると、警鐘を鳴らしています。
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今回の流行が始まって以来、ハイチで確認されたコレラ感染例のうち、10件中9件に相当するケースは、同国で深まる栄養危機の影響を最も強く受けている地域で報告されています。 重度の急性栄養不良(重度の急性消耗症)に陥っている子どもたちは、コレラに感染しやすく、死亡するリスクが少なくとも3倍以上にのぼります。
ユニセフが支援する保健センターを訪問し、子どもと話をするユニセフ本部緊急支援局長のマヌエル・フォンテーヌ。(ハイチ、2022年11月21日撮影) © UNICEF_UN0741388_Duvillier
ハイチ滞在中、フォンテーヌ局長はユニセフが支援するシテ・ソレイユとポルトープランスにあるコレラ治療センターを訪問し、栄養不良の子どもたちが命を守るための治療を受けている現場を訪問しました。また、ジェンダーに基づく暴力の被害者に医療や心理社会的ケアを提供する施設にも足を運びました。
11月21日現在、保健省はコレラの感染者は924人、感染疑いのある患者は1万600人以上、死亡者は188人と報告しています。
急性下痢治療センターで診察をうけるため、体調のすぐれない子どもを連れて訪れる母親たち。(ハイチ、2022年10月11日撮影) © UNICEF_UN0721932_Seck
7月から今日まで、ユニセフはパートナーとともに、首都圏最大の都市貧困地域であるシテ・ソレイユのコミューンで、6,200人近くの子どもたちの検査をして栄養状態の評価を行いました。その結果、重度および中度の急性栄養不良の5歳未満の子ども2,500人が、質の高い治療を受けることができました。
非常に不安定で危険な環境の中、ユニセフはハイチ当局やパートナーとの連携のもと、コレラへの対応に向けた取り組みを強化し、以下を行いました。
- コレラキット245セット、乳酸リンゲル液3万2,940袋、経口補水塩31万3,000袋、亜鉛、抗生物質、消耗品、個人防護具用品を保健部局に提供
- シテ・ソレイユの提携病院に13万5,000錠の浄水剤を提供
- シテ・ソレイユに現在住んでいる人や同市から避難している人2万2,290人に、46万8,160リットルの水を給水車で給水
- すぐに食べられる栄養治療食30万袋を用意
- シテ・ソレイユで移動診療を行うための医療・衛生用品とともに、5万1,000世帯以上にコレラ予防のための情報を提供
- ラジオ・テレビ局でコレラ予防に関するメッセージを配信。コレラの感染を抑えるためのリーフレットを配布
今後5カ月間のコレラ流行への対応を強化し、保健・水と衛生・栄養・保護などの人道支援を140万人に届けるため、ユニセフは、2,750万米ドルの資金提供を国際社会に呼びかけています。
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■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています。 https://www.unicef.or.jp/
※ ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます
■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国33の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 https://www.unicef.or.jp/
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