「この希有な旅人のことをどうしても書きたい。」沢木耕太郎の新たな代表作『天路の旅人』〔上・下〕が新潮文庫より4月23日に発売!
旅文学の大ベストセラー『深夜特急』や、『一瞬の夏』『凍』などの傑作ノンフィクションを数々と生み出した作家・沢木耕太郎氏による新たな代表作『天路の旅人』〔上・下〕を4月23日(水)、新潮文庫より刊行いたします。
本作は第二次世界大戦末期、敵国の中国大陸奥地に密偵として潜入した若き日本人の、未知なる世界を求めて歩んだ激動の八年を辿る超大型ノンフィクションです。


■メディアでも大きな話題に!構想25年の超大型ノンフィクション
本作は単行本時より大きな話題を呼び、たちまち10万部を突破。第74回読売文学賞随筆・紀行賞を受賞しました。
原稿用紙900枚超の大作で、NHK「クローズアップ現代」で紹介された際には、ほとんどテレビに出演しない沢木さんの貴重なインタビュー映像に、放送中から「沢木耕太郎さん」がトレンド入り。「今すぐ旅に出たくなった」「自由の本質とは何かを考えさせられた」「読みだしたら止まらない」「不思議なくらい『深夜特急』と重なり合うシーンが出てきて、思わずハッとする」「これほどまっすぐ「旅人」を描いた作品はないかも」などSNS上で多数の好意的な声が挙がりました。そんな沢木さんの「新たな代表作」とも呼べる本作が待望の文庫化です。
■沢木さんがどうしても書きたかった旅人とは。
第二次大戦末期、敵国の中国大陸奥地まで密偵として潜入した若き日本人・西川一三。敗戦後もラマ僧に扮し、八年もの間果てしない旅を続けた彼に、沢木さんは激しく共鳴しました。
沢木さんは本書の「あとがき」にて、以下のように記しています。
彼、西川一三の旅も長かったが、その彼を描こうとする私の旅も長かった。彼に会ったのを発端とし、書き上がったときを終結とすれば、発端から終結まで二十五年かかったことになる。
西川一三を書く。
しかし、その彼が自らの旅について記した『秘境西域八年の潜行』という書物がありながら、あえて彼の旅を描こうとするのはなぜなのか。
私は、何度も、そう自問した。
そして、やがて、こう思うようになった。私が描きたいのは、西川一三の旅そのものではなく、その旅をした西川一三という希有な旅人なのだ、と。
解説は写真家・登山家の石川直樹さん。
西川一三が旅したルートの一部を自分も歩いたことがあると語る石川さん。西川一三の歩いてきた過酷な道筋に思いを馳せながら、数々の山を越え旅を重ねてきた石川さんにしか書けない解説をご執筆いただきました。
■書籍内容紹介文
【上巻】
この希有な旅人のことをどうしても書きたい──。第二次世界大戦末期、敵国の中国大陸奥地まで密偵として潜入した若き日本人がいた。名は西川一三。未知なる世界への好奇心に突き動かされた男は、極寒の雪道、延々と続く砂漠、幾重もの峠、匪賊の襲撃や飢えを乗り越え、八年に亘り中国北部からインドまで果てしなく長い路を歩み続けた。二十五年の歳月を経て結実した超大型ノンフィクション。
【下巻】
三年の月日をかけて中国北部からチベットまで辿り着いた西川は、インドへ向かいそこで日本の敗戦を知る。密偵の任務は失うが、それでも新たな世界への探究は止められなかった。ヒマラヤを幾度も超え、さらにさらに奥へ。しかし旅は突如終わりを告げる。西川が著した三千二百枚の生原稿と五十時間に及ぶ対話をもとに、未踏の地に魅せられたひとりの旅人の軌跡を辿る、旅文学の新たな金字塔。
■著者紹介:沢木耕太郎(さわき・こうたろう)
1947年、東京生れ。横浜国大卒業。『若き実力者たち』でルポライターとしてデビューし、1979年『テロルの決算』で大宅壮一ノンフィクション賞、1982年『一瞬の夏』で新田次郎文学賞、1985年『バーボン・ストリート』で講談社エッセイ賞を受賞。1986年から刊行が始まった『深夜特急』三部作では、1993年、JTB紀行文学賞を受賞した。ノンフィクションの新たな可能性を追求し続け、1995年、檀一雄未亡人の一人称話法に徹した『檀』を発表、2000年には初の書き下ろし長編小説『血の味』を刊行。2006年『凍』で講談社ノンフィクション賞を、2014年『キャパの十字架』で司馬遼太郎賞を、2023年『天路の旅人』で読売文学賞を受賞。ノンフィクション分野の作品の集大成として「沢木耕太郎ノンフィクション」が刊行されている。
■書籍データ
【タイトル】天路の旅人〔上・下〕
【著者名】沢木耕太郎
【発売日】4月23日(水)
【造本】文庫
【定価】上巻 737円(税込)/ 下巻 825円(税込)
【ISBN】上巻978-4-10-123538-7 / 下巻978-4-10-123539-4
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