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公益財団法人日本ユニセフ協会
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栄養不良の妊娠・授乳中の女性、25%増~世界の栄養危機、男女格差深刻化【プレスリリース】

ユニセフ新報告書、栄養支援への投資訴え

公益財団法人日本ユニセフ協会

 

オロミア州の保健センターで、生後2カ月の赤ちゃんの定期健診に来た母親。妊娠中は、疲労やめまいなどの症状があったが、ユニセフの栄養サプリメントを摂取し、健康状態が回復した。(エチオピア、2023年2月3日撮影) © UNICEF_UN0792397_Ayenオロミア州の保健センターで、生後2カ月の赤ちゃんの定期健診に来た母親。妊娠中は、疲労やめまいなどの症状があったが、ユニセフの栄養サプリメントを摂取し、健康状態が回復した。(エチオピア、2023年2月3日撮影) © UNICEF_UN0792397_Ayen

【2023年3月7日 ニューヨーク発】

ユニセフ(国連児童基金)が本日発表した新しい報告書によると、世界的な食料・栄養危機の影響を最も強く受けた12カ国において、急性栄養不良に苦しむ妊娠・授乳中の10代の女の子と女性の数が2020年の550万人から690万人へと25%も急増していることが明らかになりました。

* * *

アフガニスタン、ブルキナファソ、チャド、エチオピア、ケニア、マリ、ニジェール、ナイジェリア、ソマリア、南スーダン、スーダン、イエメンの12カ国は、ウクライナでの戦争や、各国における干ばつ、紛争、情勢の不安定さなどによって悪化した世界の栄養危機の中心にあります。

国際女性デーに先立ち発行された報告書「見過ごされる栄養不良:10代の女の子と女性の世界的栄養危機(Undernourished and Overlooked: A Global Nutrition Crisis in Adolescent Girls and Women)」は、ジェンダー不平等によって悪化した複数の危機が、過去20年間でほとんど改善されていない10代の女の子と女性の栄養危機を、一層深めていると警鐘を鳴らしています。
 

カッサラ州の保健センターで、栄養価の高い食事の作り方を学ぶ20歳の妊娠4カ月目の妊婦と、1児の母親。(スーダン、2023年2月22日撮影) © UNICEF_UN0791858_Mojtba Moawia Mahmoudカッサラ州の保健センターで、栄養価の高い食事の作り方を学ぶ20歳の妊娠4カ月目の妊婦と、1児の母親。(スーダン、2023年2月22日撮影) © UNICEF_UN0791858_Mojtba Moawia Mahmoud

ユニセフ事務局長のキャサリン・ラッセルは、「世界的な飢餓危機は、何百万人もの母子を飢餓と深刻な栄養不良に追い込んでいます。国際社会が早急に行動を起こさなければ、その影響は今後何世代にもわたって続く可能性があります」と指摘しています。

本報告書は、世界中の10代の女の子と女性の栄養状態を分析した前例のない包括的なものであり、10億人以上の10代の女の子と女性が、低体重や低身長などの低栄養状態、必須微量栄養素の欠乏、貧血に苦しみ、その生活と健やかな暮らしに壊滅的な影響を及ぼしていることを明らかにしています。

女の子や女性の暮らしの中で栄養が不足すると、免疫力や認知能力の低下、生命を脅かす合併症(妊娠・出産時を含む)のリスクが高まり、彼女たちの子どもの生存、成長、学習、将来の稼得能力にも危険で取り返しのつかない結果をもたらす可能性があります。
 

プライマリ・ヘルスケアセンターで妊婦向けに行われた健康の勉強会に参加する妊婦たち。(ニジェール、2022年9月撮影) © UNICEF_UN0725053_Apochi Owoichoプライマリ・ヘルスケアセンターで妊婦向けに行われた健康の勉強会に参加する妊婦たち。(ニジェール、2022年9月撮影) © UNICEF_UN0725053_Apochi Owoicho

世界では、5,100万人の2歳未満の子どもが、栄養不良により年齢に対して身長が低すぎる発育阻害に苦しんでいます。このうち約半数は、胎内から生後6カ月までの期間、つまり子どもが母親からの栄養に完全に依存する500日間に発育阻害に陥ることが、報告書の新しい分析で明らかになりました。

「子どもたちの栄養不良を防ぐには、10代の女の子や女性の栄養不良にも対処しなければなりません」とラッセルは付け加えました。

南アジアとサハラ以南のアフリカは、依然として10代の女の子と女性の栄養危機の中心地であり、世界で体重不足に陥っている10代の女の子と女性の3人に2人、また貧血に陥っている10代の女の子と女性の5人に3人がこの地域で暮らしています。また一方、最貧困層の家庭の10代の女の子や女性は、最富裕層の家庭の女の子や女性に比べ、低体重になる可能性が2倍も高いのです。
 

カッサラ州で、ユニセフが支援する母子現金給付プログラムの登録カードを受け取った生後9か月の娘を抱く母親。(スーダン、2023年2月22日撮影) © UNICEF_UN0791790_Mojtba Moawia Mahmoudカッサラ州で、ユニセフが支援する母子現金給付プログラムの登録カードを受け取った生後9か月の娘を抱く母親。(スーダン、2023年2月22日撮影) © UNICEF_UN0791790_Mojtba Moawia Mahmoud

世界的な危機は、女性が栄養価の高い食料を手に入れる機会を不均衡に阻害し続けています。2021年には、食料不安に苛まれる女性の数は男性よりも1億2,600万人も多く、2019年の4,900万人と比べ、食料不安の男女格差が2倍以上に広がっています。

昨年来、ユニセフは、アフガニスタン、ブルキナファソ、チャド、コンゴ民主共和国、エチオピア、ハイチ、ケニア、マダガスカル、マリ、ニジェール、ナイジェリア、ソマリア、南スーダン、スーダン、イエメンなど、世界的に栄養危機で最も厳しい状況にある国での取り組みを拡大し、女性と子どもの消耗症を予防・特定・治療する加速化プランを実施しています。

本報告書は、各国政府、開発・人道支援パートナーおよびドナー、市民社会組織、開発関係者に対し、10代の女の子と女性のための食料、保健、社会的保護の各システムを以下のように変革することを求めています。
  • 10代の女の子と女性が栄養価の高い、安全で手ごろな価格の食事を摂れることを最優先させ、販売規制や容器包装前面表示の義務付け、課税を通じて、彼女たちを超加工食品から守る。
  • 微量栄養素の欠乏や貧血の状態にある女の子と女性を減らすために、小麦粉、食用油、塩など日常的に消費される食品の大規模な栄養強化を展開するような政策と義務的法的措置を実施する。
  • 低・中所得国の10代の女の子と女性が、妊娠前・妊娠中・授乳中に、産前用多種微量栄養素の補充を含む必須栄養サービスを自由に利用できるようにする。
  • 女の子と女性が栄養価の高い多様な食事を摂取できるよう、現金給付や引換券の配布をはじめとする、最も弱い立場にある10代の女の子と女性のための社会的保護プログラムへのアクセスを拡げる。
  • 児童婚および食料・世帯資産・所得・家事労働の不公平な分配などの差別的なジェンダー規範や社会規範の根絶を加速させる。

「女の子や女性が十分な栄養を得られないと、男女間の不平等が永久に続きます。学習能力や稼ぐ潜在力が低下し、妊娠・出産時を含め、生命を脅かす合併症のリスクは高まり、栄養不良状態の赤ちゃんを出産する確率も高くなります。私たちは、命を守るための栄養サポートとサービスを、それを最も必要とする女性と子どもたちに届けるために何が必要かを知っています。あとは国際社会から、行動のための政治的な意思とリソースを得るだけです。無駄にしている時間はありません」とラッセル事務局長は述べています。

* * *

■ 注記
急性栄養不良に陥っている妊娠中・授乳中の10代の女の子と女性のデータは、以下の推定値を基にしています。
  • 総合的食料安全保障レベル分類 急性栄養不良(Integrated Food Security Phase Classification Acute Malnutrition)
  • 人道的ニーズ概観(Humanitarian Needs Overview)
  • 人道的対応計画(Humanitarian Response Plans)
  • 復旧・移行事業の標準化モニタリング評価(Standardized Monitoring and Assessment of Relief and Transitions surveys)
  • 栄養・食料安全保障調査(nutrition and food security surveillance)

■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています。 https://www.unicef.or.jp/
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます

■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国33の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 https://www.unicef.or.jp/

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URL
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業種
官公庁・地方自治体
本社所在地
東京都港区高輪4-6-12 ユニセフハウス
電話番号
03-5789-2016
代表者名
赤松良子
上場
未上場
資本金
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設立
-
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