【ウェルビーイングカンファレンスレポート】Zoom参加約260名を集め開催 武蔵野大学・前野隆司教授が語る「幸福学」の社会実装 積水ハウス等の先進事例から紐解く、組織と個人を幸せにする「4つの因子」
教育事業を展開するヒューマンアカデミー株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役:田中 知信、以下「当社」)は、2026年6月11日(木)13:00より、幸福学研究の第一人者である武蔵野大学ウェルビーイング学部長の前野隆司教授をお迎えし、カンファレンス「AI時代、一人ひとりの『幸せ』が日本の閉塞感を打破する。〜前野隆司教授が語る、ウェルビーイングの効果とその実証データ〜」を開催いたしました。
複雑化するストレス社会における閉塞感打破の鍵として、今まさに社会実装が求められる「ウェルビーイング」。当日はヒューマンアカデミー銀座校でのリアル開催と、オンラインのハイブリッドで行われ、ウェルビーイングに関心を寄せるメディアの皆さまや、企業の経営層や人事責任者をはじめとする約260名が参加し、熱心に耳を傾けました。本カンファレンスの模様をレポートでお届けします。
【本件のポイント】
●前野教授が提唱する「幸せの4つの因子」
職場、教育、サービス開発へ応用することで成果が出る仕組みを、教授自らが関わる積水ハウスなどの共同研究事例を交えて解説。
●教育現場における現状の課題と学ぶ場を広げていく活動が重要
日本のウェルビーイング教育が発展途上である課題に対し、多くの学ぶ場をつくっていく役割の大きさを提示。
●ウェルビーイングの社会背景
内閣府の「骨太の方針」や文科省の「教育振興基本計画」においても主要目標として位置づけられ、社会的な学びのニーズが高まっている。


■ 基調講演:幸福学の学術研究をいかに社会へ「実装」するか
カンファレンスの基調講演では、前野教授より学術的な知見に基づいたウェルビーイングの定義や、それを実際の社会や産業へ応用していくための具体的なアプローチについて、以下の趣旨の説明がなされました。
◆「幸福度の高い社員の創造性は3倍、生産性は31%、売上は37%高い」
人の幸福度がどの程度社会的な成果やパフォーマンスに影響するかを示す心理学の学術調査データを引用。「幸福度の高い社員は、そうでない社員に比べて創造性が3倍、生産性が31%、売上が37%高い」という具体的なエビデンスを紹介し、個人のウェルビーイング向上に投資することが、結果として企業の成長やパフォーマンス向上に直結することを示しました(※1)。

※1 出典:Lyubomirsky, S., King, L., & Diener, E. (2005). The Benefits of Frequent Positive Affect: Does Happiness Lead to Success? Psychological Bulletin, 131(6), 803–855.(米国心理学会誌発表の、27万人以上を対象としたメタ分析・幸福学データより)
◆あらゆる現場に成果をもたらす『幸せの4つの因子』の提示
人々が持続的な幸福感を得るためのフレームワーク (①やってみよう!、②ありがとう!、③なんとかなる!、④ありのままに!)を解説。これら4つの因子を職場環境や教育現場、製品・サービス開発へあてはめて導入していくことで、個人と組織のパフォーマンスが最大化される仕組みについて心理学・学術的な知見を交えて説明しました。
◆積水ハウス・住友生命などの実践例を紹介
実際に前野教授が企業と連携して社会実装を進めている具体例として、積水ハウスのグローバルビジョン「我が家を世界一幸せな場所に」を紹介。幸福学の観点を取り入れ、住まいというハードウェアや空間設計が、住人の心身の健康や幸福度にどのようなポジティブな影響を与えるかを科学的に検証している先進的な取り組みに言及しました。
また、前野教授は住友生命の健康増進型保険「Vitality」に準備段階から携わりました。住友生命はこころや体の健康を応援するアプリ、「シアフル」をリリースし、ウェルビーイングをサービス面で社会実装した例として紹介しました。
◆「4つの因子」に紐づく国内外のまちづくり
コペンハーゲンや日本の富山市、神山町など国内外の優れた地域活性化しているまちづくりの事例を分析した結果、それらの成功施策が結果的にこの「4つの因子」にあてはまるアプローチを行っていた点を指摘。意図的にこの因子を環境設計に組み込んでいくことが、これからの地域や組織の共通言語になると語りました。
■当日の質疑応答(抜粋・要約)
カンファレンス後半の質疑応答では、参加したメディア関係者やオンライン視聴者から寄せられた質問に対し、前野教授が回答しました。要旨は以下の通りです。
・国内外の教育現場におけるウェルビーイング導入の現状と課題について
現在の学習指導要領に掲げられている「主体的・対話的で深い学び」には、すでに幸せの条件が含まれており、今後の指導要領でもさらにウェルビーイングの重要性が組み込まれていく流れにあると言及。一方で、欧米諸国と比較すると日本の教育現場が新しい指導要領にまだ順応しきれておらず、真の定着には時間をかける必要があるとし、初等・中等・社会人教育への組み込みはまだ発展途上であるとの認識を示しました。

だからこそ、横文字の「ウェルビーイング」が浸透するよう、学ぶ場を増やし、裾野を広げる活動は重要であるとの見解が語られました。
・個人の性格や不安傾向と、ウェルビーイングの習得について
他者との関わりに対する苦手意識や、常に不安を抱えてしまう性格であっても、ウェルビーイングを学ぶことで変化は期待できるのかという疑問に対し、心理学の研究を踏まえ「性格の半分程度は後天的に変えられる」と解説。先天的な性格は一つの尊い個性でありつつも、ウェルビーイングはほんの少しの意識や行動次第で後天的に身につけられるスキルであると説明しました。
また、教授ご自身も学生時代は大変な人見知りで人前で話すことが苦手だったものの、この「4つの因子」を意識し、試行錯誤や自己実現を重ねてきた結果として現在の自分へと変わることができたという原体験を交え、毎日些細な事を変えていく姿勢で、誰もが後天的にウェルビーイングを高めていけるとの趣旨が述べられました。
■ 社会的背景:なぜいま、ウェルビーイングを学ぶ必要があるのか
近年、ウェルビーイングは単なる個人の精神論ではなく、経済成長と社会課題解決を両立させるための重要な社会テーマとなっています。内閣府の「骨太の方針(経済財政運営と改革の基本方針2021)」において、方針が明記されたほか、文部科学省の「第4期教育振興基本計画(2023年)」でも、社会全体のウェルビーイング向上を主要な目標に位置づけています。教育現場やビジネスの現場において、幸福学に基づいた具体的な「実装スキル」を持つ人材の育成が急務となっています。
■ ヒューマンアカデミー「ウェルビーイング学講座」の展望
当社では、これからの時代に不可欠なウェルビーイングの基本的なマインドセットから、ビジネスへの応用、そして現場への具体的な落とし込みまでを体系的に学べる『ウェルビーイング学講座』を開設しました。
本講座は、前野教授担当の『概論・ウェルビーイングデザイン・イノベーション』の知見をはじめ、各分野の専門家による実践やプロセスを学べる総合的なカリキュラムとなっております。
本講座を通じて、個人および組織のウェルビーイング推進を支援し、日本社会全体の幸福度の底上げと持続可能な発展に貢献してまいります。
▼新講座「ウェルビーイング学講座」の詳細
https://haec.athuman.com/lpo/well-being/
■ヒューマンアカデミーについて https://manabu.athuman.com/
ヒューマンアカデミーは、学びの面白さを提供する「Edutainment Company」として、1985 年の創設以来、時代や社会の変化にあわせながら800以上の講座を編成しました。未就学児童から中高生・大学生・社会人・シニア層とあらゆるライフステージにおけるSTEAM教育やリスキリング、学び直しの支援を行っています。

さらに、独自の「ヒューマンアカデミーGIGAスクール構想」を推進し、学習支援プラットフォーム「assist」を開発。SELFingサポートカウンセラーと講師が、個別に学習目的や目標にあわせた進捗管理や相談などの学習サポートをします。私たちは、常に最先端の教育手法やテクノロジーを取り入れ、学びの喜びを追求し、最高水準の教育サービスを提供していきます。
■ヒューマングループについて
1985年の創業以来「為世為人(いせいいじん)」を理念に掲げ、教育を中核に人材、介護、保育、IT、美容、スポーツと多岐にわたる事業を展開しています。
深刻な社会課題である「労働人口減」に対し、各事業の専門性を活かした4領域で解決を推進しています。

教育・人材事業による「海外人材の活用」「成長産業分野の専門教育と労働移動」、介護(通所・訪問・ホスピス等)や保育・学童運営による「国内労働力の確保」、RPA・AI・ITコンサルを通じた「生産性の向上」、そしてMBAを含む社会人教育による「専門教育・リスキリング」に注力。SDGsへの貢献を通じて、誰もが自分らしく生き、学び、働ける社会の実現と、時代に即した労働環境の革新に取り組んでいます。
●ヒューマンホールディングス ウェブサイト:https://www.athuman.com/
会社概要
ヒューマンアカデミー株式会社
●代表者:代表取締役 田中 知信
●所在地:東京都新宿区西新宿7-5-25 西新宿プライムスクエア1階
●資本金 :1,000万円 ●URL :https://manabu.athuman.com/
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