月村了衛『虚の伽藍』が第12回高校生直木賞を受賞しました!
全国の高校生たちが集まり、直近1年間の直木賞候補作の中から「今年の一冊」を選ぶ高校生直木賞。第12回となる本年は全国から47校が出場し議論を重ねた結果、若き僧侶が京都の闇社会を生き延びていくピカレスク・ロマンである、月村了衛さんの『虚の伽藍』(新潮社刊)が選ばれました。

今回で12回目となる高校生直木賞は、全国の高校生たちが集まって議論を戦わせ、直近1年間の直木賞候補作の中から「今年の一冊」を選ぶ文学賞。本年は全国から47校が出場し、5月18日に行われた選考会で、候補作となった5作品(『令和元年の人生ゲーム』麻布競馬場、『ツミデミック』一穂ミチ、『藍を継ぐ海』伊与原新、『飽くなき地景』荻堂顕、『虚の伽藍』月村了衛)の中から、月村了衛さんの『虚の伽藍』が選ばれました。
若き僧侶が京都の闇社会を生き延びていくピカレスク・ロマンである『虚の伽藍』を読んで、高校生たちがどのような議論を戦わせたのか……⁉ 詳細は「オール讀物」7・8月号(6月20日発売号)で発表の予定です。
■受賞にあたって――著者・月村了衛さんのコメント

正直なところ、意外ではありますが、大変光栄に思っております。拙作を通じて読書の喜びに触れていただけたなら、これ以上に嬉しいことはありません。ぜひこれからもあなた自身の目で読書の楽しみを発見してください。
■高校生直木賞とは
フランスで、読書教育の一環として30年以上にわたって開催され、毎年二千人を超えるフランスの高校生たちが参加している文学賞「高校生ゴンクール賞」の日本版を目指して創設された文学賞です。直近の1年間に直木三十五賞の候補に挙げられた作品の中から、「自分たちなりの1作」を全国の高校生たちが選びます。
■『虚の伽藍』とは
「闇落ち」なんて生ぬるい! 坊主、フィクサー、ヤクザ――バブル期の京都を舞台に、欲望に翻弄される人間たちを描く、漆黒のビルドゥングス・ロマン。
実家の寺を助けるため、仏教最大宗派である燈念寺派の宗務院に勤務し、出世を目指す僧侶・凌玄。ある日、寺の所有する土地売却の立ち合いで、燈念寺派が二重帳簿を付けていることに気付く。そのことで宗派内の実力者ににらまれ、窮地に追い込まれた彼に手を差し伸べたのは、京都闇社会の実力者・和倉だった。欲望にまみれた燈念寺派を正道に戻すため、あえて悪に染まっていく凌玄。ヤクザを利用し敵を排除、人殺しすら躊躇わない凌玄は、燈念寺派の総貫首にまで登りつめる。はたして、金と欲にまみれた求道の果てに待っていたのものとは……。
『土漠の花』(日本推理作家協会賞受賞)『欺す衆生』(山田風太郎賞受賞)『半暮刻』など、数多くのベストセラーを通して、現代日本の抱える闇を描き続ける作家・月村了衛さんの新たなる代表作です。
■推薦コメント

■著者紹介:月村了衛(つきむら・りょうえ)
1963(昭和38)年、大阪府生れ。早稲田大学第一文学部卒。2010(平成22)年、『機龍警察』で小説家としてデビュー。2012年『機龍警察 自爆条項』で日本SF大賞、2013年『機龍警察 暗黒市場』で吉川英治文学新人賞を受賞。2015年、『コルトM1851残月』で大藪春彦賞を、『土漠の花』で日本推理作家協会賞を受賞。2019(令和元)年、『欺す衆生』で山田風太郎賞を受賞。他の著書に『東京輪舞』『奈落で踊れ』『機龍警察 白骨街道』『半暮刻』『対決』『おぼろ迷宮』『普通の底』など。
■書籍データ
【タイトル】虚の伽藍
【著者名】月村了衛
【発売日】2024年10月18日
【造本】四六判ハードカバー
【本体定価】2,200円(税込)
【ISBN】978-4-10-339533-1
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