モザンビーク:記録的サイクロン、コレラ、洪水三重の被害「子どもの命が危険に」【プレスリリース】
ユニセフ現地広報官報告
【2022年4月25日 マプト(モザンビーク)】
ユニセフ(国連児童基金)モザンビーク事務所広報チーフのガイ・テイラーは25日にスイス・ジュネーブで開かれた国連の定例記者会見で、記録的なサイクロン、コレラ、洪水に見舞われたモザンビークの状況について現地マプトより報告を行いました。以下は、その概要です。
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モザンビークでは現在、2万8,000人以上のコレラ患者が記録されています。これは2月初めに報告された数の10倍で、患者の半数以上が子どもです。感染者数は増加の一途をたどっており、子どもたちや家族はこれまで以上の危険にさらされています。また、コレラ同様にモザンビークの子どもの主な死因である、マラリアや下痢症の件数も増加傾向にあります。
サイクロン「フレディ」は、100以上の保健施設と1,000以上の学校を破壊し、50万人近くの子どもの学習を中断させました。また、約250の給水所と6つの都市部の給水システムにも被害をもたらし、約30万の人々がきれいな水を得ることができなくなっています。
サイクロンと洪水によって被害を受けた土地は39万ヘクタール以上で、モザンビークでは食料不安が子どもたちの大きなリスクとなっています。食べ物がない幼い子どもたちは、体重が急に激減します。それも多くの場合、感染性の下痢症にかかり何度もお腹を下し、ますます体重減少が進み、やせ細り骸骨のような姿となってしまいます。それは痛ましい光景です。さらにつらいのは、この病気と闘っている子どもにとって、それが耐え難いほどの苦痛だということです。命を守るための治療がなければ、多くの子どもがこの闘いに敗れることになってしまいます。
モザンビーク政府がユニセフと国連のパートナーの支援を受けて行っている、ワクチン接種や予防、治療、水と衛生、啓発活動に重点を置いた精力的な対応により、国内の一部の地域では、資金と支援が成果をもたらし、現在、患者数が安定してきています。ユニセフはこれまでに、240万回分の経口コレラワクチンを入手・配布し、20万人以上に必要な医薬品が入った緊急医療キットを提供し、過去3カ月間に50万人向けに給水車で水を緊急供給しました。
このように成果は出ており、また各国政府やパートナーからは多くの資金が寄せられています。しかしユニセフがコレラやサイクロン「フレディ」、洪水への緊急対応を続けるには716万米ドルがまだ不足しています。この資金があれば、ユニセフは計270万人の子どもとその養育者にサービスや支援を直接提供し、同国の子どもと家族が直面する深刻な問題に対処することができるのです。
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■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念をさまざまな形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています。 https://www.unicef.or.jp/
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます
■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、33の先進国・地域にあるユニセフ国内委員会の一つで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 https://www.unicef.or.jp/
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