スーダン:ユニセフ最新情勢レポートすべての学校が閉鎖、人道支援スタッフも避難【プレスリリース】

ロバに乗り、荷物を持ってチャドに逃れてきたスーダン難民。(チャド、2023年4月27日撮影) © UNICEF_UN0834334_Le Duロバに乗り、荷物を持ってチャドに逃れてきたスーダン難民。(チャド、2023年4月27日撮影) © UNICEF_UN0834334_Le Du

【2023年5月1日 東京発】


武力衝突が激化したスーダンでは、依然予断を許さない状況が続いています。以下は、ユニセフ(国連児童基金)の現地における最新情勢レポートからの抜粋です。


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スーダン情勢レポート(4月25日付)


概要

全土で危機的に治安が悪化しているため、情報収集や事実確認は非常に困難な状況にあります。しかし戦闘が続く限り、その代償を子どもたちが払い続けることになることは確かです。ハルツーム、ダルフール、北コルドファンで敵対行為が続く中、少なくとも9人の子どもが戦闘で死亡し、50人以上の子どもが負傷したと報告されています。ユニセフは、すべての当事者に対し、水や衛生設備、保健施設、学校など、子どもたちにとって重要な民間インフラを攻撃しないよう求めています。

 

スーダンとの国境付近にあるチャドの村で、ユニセフの支援物資のマット、毛布、調理キット、蚊帳、バケツ、石けんなどを受け取ったスーダン難民。(チャド、2023年4月29日撮影) © UNICEF_UN0834908_Le Duスーダンとの国境付近にあるチャドの村で、ユニセフの支援物資のマット、毛布、調理キット、蚊帳、バケツ、石けんなどを受け取ったスーダン難民。(チャド、2023年4月29日撮影) © UNICEF_UN0834908_Le Du

約27万人がスーダンから近隣諸国に逃れると予測されています。すでに約2万人の難民がチャドに到着しており、今後さらに多くの難民が到着する見込みです。北コルドファンでは、暴力の激化により、最も弱い立場に置かれている子どもや女性を含む7,500人~8,000人がエル・オベイドから避難していると報告されています。

 

ハルツーム州保健省(Khartoum State Ministry of Health)によると、都市部の34の病院の機能が損なわれ、うち16の病院は全く機能しなくなりました。推定5万人の重度急性栄養不良の子どもたちに対する、命を守るために欠かせない治療が、戦闘により中断しています。これらの子どもたちは24時間体制の治療を必要としていますが、暴力の激化は治療が続けられない危険を招いています。

 

スーダンのほとんどの地域で、食料、水、衛生、その他の必需品を安全に手に入れることや供給することが制限されており、その状況は日々悪化しています。一部の地域では、ボトル入り飲料水、主食、調理用・自動車用燃料などの生活必需品の価格が40%~60%、時にはそれ以上に上昇しています。 同国保健省によると、戦闘の起きている地域で広く報告されている安全な飲み水の不足は、コレラなどの水を媒介とする感染症のリスクを高めています。

 

アスワンでユニセフの支援を受けるスーダン難民の家族。約1万6,000人の難民が隣国のエジプトに逃れている。(エジプト、2023年4月29日撮影) © UNICEF_UN0834974_Mostafaアスワンでユニセフの支援を受けるスーダン難民の家族。約1万6,000人の難民が隣国のエジプトに逃れている。(エジプト、2023年4月29日撮影) © UNICEF_UN0834974_Mostafa

戦闘により、スーダンの主要コールドチェーン(低温流通システム)が損なわれており、数百万人分の命を守るワクチンや、子ども投与用のインスリンを含む重要な医薬品が危うい状態にあります。主要コールドチェーンを支える電力供給は不安定なままであり、バックアップ用発電機の燃料は残り僅かです。衝突開始以来、医療施設に対する襲撃が15件確認されています。

スーダン全土の学校と教育機関はすべて閉鎖されています。学校は、搾取や虐待、武装集団への強制的な徴兵・徴用といった脅威から身を守る環境を提供しているため、学校の閉鎖は、子どもたちのウェルビーイングに深刻な影響を及ぼしています。

 

ユニセフなどの支援機関は、ハルツームやダルフール州全域で武装勢力による略奪を受けています。武力衝突の影響を受けた地域におけるこれら深刻な治安上の脅威が、ユニセフの人道支援活動を妨げています。4月15日以来、スーダンで5人の人道支援関係者が亡くなっています。支援機関の職員は、大部分がハルツームとダルフールから避難しています。中核的な役割を果たす一部国連職員はポートスーダンに残り、同地に設置された拠点からスーダンの人道支援活動を指揮しています。

 

今回の武力衝突で発生した新たな人道的ニーズは、状況が整い次第、精査・評価される予定です。衝突が勃発する前からすでにスーダン全土の人道的ニーズは記録的なレベルに達しており、全人口の約3分の1に当たる1,580万人が人道支援を必要としていました。

 

ユニセフの対応戦略

 

今現在、ユニセフの対応戦略は以下の重要分野に焦点を当てています。

  • 職員と民間人の安全と治安を確保する。

  • 以下を含む、新たな人道的ニーズへの対応を目的とした、支援物資を届けるための準備(アクセス、物流経路、パートナーのマッピングを含む)を行う。

  • 負傷者の治療を行っている施設への保健キットや物資の提供

  • ヘルスケアや予防接種、重度急性栄養不良(SAM)の子どもの治療など、重要なサービスの維持

  • 水・衛生サービスへのアクセスの提供

  • 現在制限されている人道的アクセスの確保と継続、および子どもの権利の保護を求めるアドボカシーに取り組む。

  • 国連機関、国際・国内NGO、パートナーと緊密に連携する。それにより、現地での活動範囲・能力の把握、情報の共有、効率的かつ効果的な協働を最大活用できるようにする。

  • 現在の治安状況が、ユニセフとパートナーの新たな危機への対応能力を制限していることに留意する。


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■ ユニセフについて

ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念をさまざまな形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています。( www.unicef.org )

※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます

 

■ 日本ユニセフ協会について

公益財団法人 日本ユニセフ協会は、33の先進国・地域にあるユニセフ国内委員会の一つで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。(www.unicef.or.jp)

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会社概要

公益財団法人日本ユニセフ協会

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URL
http://www.unicef.or.jp
業種
官公庁・地方自治体
本社所在地
東京都港区高輪4-6-12 ユニセフハウス
電話番号
03-5789-2016
代表者名
赤松良子
上場
未上場
資本金
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設立
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