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公益財団法人日本ユニセフ協会
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コレラ「貧困層のパンデミック」~流行期を前に、25カ国で集団感染発生【プレスリリース】

ユニセフ専門官、国連定例会見で報告

公益財団法人日本ユニセフ協会

ザンベジア州のケリマネにある保健施設で、コレラの予防接種を受ける子ども。(モザンビーク、2023年4月24日撮影) © UNICEF_UN0840936_Francoザンベジア州のケリマネにある保健施設で、コレラの予防接種を受ける子ども。(モザンビーク、2023年4月24日撮影) © UNICEF_UN0840936_Franco

【2023年5月19日 ジュネーブ発】


世界的にコレラが発生している状況を受け、ユニセフ(国連児童基金)の公衆衛生緊急ユニットのジェローム・ファフマン・ザンブルニは、ジュネーブで行われた国連の定例記者会見において、以下のように報告を行いました。


* * *


コレラの発生状況は、集団感染の驚くべき規模、地理的な広がり、桁外れに高い死亡率により、前例のないものとなっています。私たちは対応を増強しなければなりません。これは警鐘と捉えるべきなのです。

  • 2023年に入ってから、すでに25カ国が集団感染(アウトブレイク)を宣言しています。しかしまだ1年の半分も過ぎていないのです。新しい分析によると、世界ではさらに22カ国がコレラの集団感染を宣言する恐れがあります。

  • 世界では過去10年間、コレラの発生件数は着実に減少していました。しかし、2021年には感染者が増加に転じ、この傾向は2023年に入っても続いています。今月現在、24カ国がコレラの集団感染を報告していますが、昨年の今頃は15カ国でした。このまま推移すれば、特に西アフリカが雨期に入った今、2022年と2021年の年間の集団感染発生国数の合計を上回るかもしれません。

  • この病気は本来、死ぬことがあってはならない病気です。死亡率が1%を超える場合、通常は治療の質やアクセス、届ける速度に問題があることを意味します。多くの国で集団感染が起きていることと併せて、これまでよりもコレラが原因で死亡する人も増えていることもわかっています。例えば、マラウイでは2022年3月の集団感染発生以来、またナイジェリアでは2023年に、100人に3人の感染者が亡くなっています。

 

コレラの制御と予防のために必要な支援が得られない状態が長く続けば続くほど、病気はますます広がり、必要な資金もさらに膨らみます。これはお金の問題以上に、支援を必要とするコミュニティに関する問題なのです。

  • 2022年11月、ユニセフはコレラの集団感染に対応するため、ドナーに1億5,000万米ドルの資金を要請しました。しかし、充分な資金は集まっていません。

  • それ以来、わずか半年で、状況がより悲惨になるにつれ、資金要請額は220%に膨れ上がりました。無策は命もお金も奪います。

  • このような前例のない範囲、規模、深刻さでのコレラ急増は、私たちが一丸となって、今すぐ行動を起こさなければならないという緊急の警鐘を鳴らしています。今起きている集団感染の影響を受けた人々を保護し、基礎的な水と衛生・保健サービスに投資するために、行動が求められています。

  • この状況は悪化するでしょう。それは「もし」ではなく「いつ」の問題なのです。気候変動が脆弱性を高める要因として作用しています。気候ショックの回数や強度が増え、気温が上昇している中、水・衛生サービスの損害や安全な水源の汚染、避難する人々の数は増えることになります。例えば、モザンビークとマラウイを襲った「フレディ」などのサイクロン、昨年パキスタンとナイジェリアで起きた洪水、アフリカの角で発生した干ばつは、水系感染症が発生しやすい状況を招いたと言えます。ミャンマーとバングラデシュを襲ったサイクロン「モカ」の影響により、ユニセフは今後、被災地で水系感染症のリスクが上昇する可能性が高いことを懸念しています。

  • 気候変動は、「コレラの流行期」を予測しにくくしています。現在、世界の大部分はコレラの感染率が低い時期にありますが、従来なら感染率が低いか感染がほとんど見られない今の時期に、多くの地域でコレラの集団感染が見られていることは問題です。世界が「コレラ流行期」を迎えれば、さらに広範な集団感染が起きるようになるでしょう。

  • 今後12カ月の間に、ユニセフは、保健、水・衛生/感染予防・制御、社会的・行動変容のためのリスクコミュニケーションとコミュニティへの関与(RCCE)の分野におけるコレラ予防と対応のための緊急支援に4億8,000万米ドルを必要としています。

 

コレラは長年にわたる「貧困層のパンデミック」なのです。その影響を受ける脆弱な立場の人々に対し、これまでほとんど注目が集まらず支援がなされてこなかったのは、大変残念なことです。

  • コレラは、貧困と社会的疎外の指標です。コレラは、基本的サービスがなく、保健システムが最も弱い貧困層や脆弱なコミュニティに対して、偏った被害を及ぼします。

  • コレラは、不安定かつ緊急事態下の場所での発生が増加しています。2019年以来、人道的緊急事態が起きている国の半数以上で、コレラの集団感染が確認されています。

  • 水と衛生システムへの投資不足は、コレラの正確なリスク指標です。2010年から2021年にかけてのコレラ患者の97%は、水と衛生サービスのレベルが世界で最も低い国々で発生しています。

  • 安全な水・衛生設備が利用できなければ、コレラなどの水系感染症の感染を予防・制御することは事実上不可能です。


* * *


■ ユニセフについて

ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念をさまざまな形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています。 http://www.unicef.or.jp/

※ ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます

 

■ 日本ユニセフ協会について

公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進国33の国と地域にあるユニセフ国内委員会の一つで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 http://www.unicef.or.jp/

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代表者名
赤松良子
上場
未上場
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