【岡山大学】可視光をエネルギー源として活用できる! 新たな有機光触媒の開発に成功~高い還元力、安定性、汎用性を持ち、リサイクル可能な有機フォトレドックス触媒~

国立大学法人岡山大学

2024(令和6)年 4月 30日
国立大学法人岡山大学
https://www.okayama-u.ac.jp/




<発表のポイント>

  • 近年、有機合成化学分野では環境に配慮したものづくりが注目されており、可視光をエネルギー源として活用したフォトレドックス触媒反応の研究において、より安定性の高い触媒の開発が求められていました。

  • 今回、高い還元力を持つフェノチアジン有機フォトレドックス触媒の開発に成功しました。この触媒は、従来のフェノチアジン触媒と比較し安定性が高くリサイクルが可能です。

  • 本研究で開発した触媒により、青色LEDを利用した多様なフォトレドックス触媒反応の開発が期待されます。



◆概 要
 国立大学法人岡山大学(本部:岡山市北区、学長:那須保友)の高等先鋭研究院を構成する異分野基礎科学研究所の田中健太助教と、同大学院自然科学研究科の安藤早春大学院生(当時)、学術研究院環境生命自然科学学域(理)の髙村浩由准教授、門田功教授らの共同研究グループは、強い還元力を持つ安定なフェノチアジン有機フォトレドックス触媒の開発に成功しました。


 この触媒は青色LEDを光源とした種々のフォトレドックス触媒反応に適応可能であり、これまでのフェノチアジン触媒では難しかった触媒のリサイクル化を達成しました。


 本研究成果は2024年3月15日、イギリス王立化学会が発行する「Chemical Communications」にオンライン掲載されました。


 今後はこの触媒を利用することにより、従来のフェノチアジン触媒では適応が難しかった多様なフォトレドックス触媒反応の開発に期待されます。


フェノチアジン有機フォトレドックス触媒の分子構造フェノチアジン有機フォトレドックス触媒の分子構造



◆研究者らからひとこと

 新たな有機フォトレドックス触媒を開発することができました。
 「合成した触媒の新規性は?」「どの有機合成反応に使える?」「ストロングポイントは?」など、論文化するにあたり一筋縄では行かないことも多かったですが、形となった今、嬉しい気持ちでいっぱいです。
 今後はこの触媒を用いて、世界から注目される有機分子変換反応を開発したいと思います。


安藤早春大学院生と田中健太助教(当時)安藤早春大学院生と田中健太助教(当時)



◆論文情報
 論 文 名:Strongly Reducing Helical Phenothiazines as Recyclable Organophotoredox Catalysts
 掲 載 紙:Chemical Communication
 著  者:Ando, Haru.; Takamura, Hiroyoshi.; Kadota, Isao.*; Tanaka, K.* (*は責任著者)
 D O I:10.1039/D4CC00904E
 U R L:https://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2024/cc/d4cc00904e



◆研究資金
 本研究は公益財団法人村田学術振興財団、公益財団法人ウエスコ学術振興財団、競輪の支援を受けて実施しました。



◆詳しい研究内容について
 可視光をエネルギー源として活用できる!新たな有機光触媒の開発に成功~高い還元力、安定性、汎用性を持ち、リサイクル可能な有機フォトレドックス触媒~

 https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r6/press20240425-1.pdf



◆参 考
・岡山大学異分野基礎科学研究所(RIIS)
 http://www.riis.okayama-u.ac.jp/

・岡山大学異分野基礎科学研究所(RIIS)/理学部化学科 有機化学研究室

 http://chem.okayama-u.ac.jp/~organic/homejpn.html

・岡山大学大学院環境生命自然科学研究科

 https://www.elst.okayama-u.ac.jp/



岡山大学異分野基礎科学研究所(岡山大学津島キャンパス)岡山大学異分野基礎科学研究所(岡山大学津島キャンパス)



◆本件お問い合わせ先
 岡山大学異分野基礎科学研究所 助教 田中健太
 〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中3丁目1番1号 岡山大学津島キャンパス
 http://chem.okayama-u.ac.jp/~organic/member/member2024.html


<岡山大学の産学官連携などに関するお問い合わせ先>
 岡山大学研究・イノベーション共創機構 産学官連携本部
 〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
 TEL:086-251-8463
 E-mail:sangaku◎okayama-u.ac.jp
     ※ ◎を@に置き換えて下さい
 https://www.orsd.okayama-u.ac.jp/


 岡山大学メディア「OTD」(アプリ):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000072793.html
 岡山大学メディア「OTD」(ウェブ):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000215.000072793.html
 岡山大学統合報告書2023:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001926.000072793.html

 岡山大学SDGsホームページ:https://sdgs.okayama-u.ac.jp/
 岡山大学SDGs~地域社会の持続可能性を考える(YouTube):https://youtu.be/Qdqjy4mw4ik
 岡山大学Image Movie (YouTube):https://youtu.be/RWn63i20xIw

 産学共創活動「岡山大学オープンイノベーションチャレンジ」2024年4月期共創活動パートナー募集中:
 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002079.000072793.html
   
 岡山大学「THEインパクトランキング2021」総合ランキング 世界トップ200位以内、国内同列1位!!
 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000070.000072793.html
 岡山大学『大学ブランド・イメージ調査2021~2022』「SDGsに積極的な大学」中国・四国1位!!
 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000373.000072793.html
 岡山大学『企業の人事担当者から見た大学イメージ調査2022年度版』中国・四国1位!!
 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000122.000072793.html

国立大学法人岡山大学は、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」を支援しています。また、政府の第1回「ジャパンSDGsアワード」特別賞を受賞しています。地域中核・特色ある研究大学として共育共創を進める岡山大学にご期待ください

  • 岡山大学 文部科学省「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」に採択~地域と地球の未来を共創し、世界の革新の中核となる研究大学:岡山大学の実現を加速とともに世界に誇れる我が国の研究大学の山脈を築く~

    https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001935.000072793.html

すべての画像


会社概要

国立大学法人岡山大学

48フォロワー

RSS
URL
https://www.okayama-u.ac.jp/
業種
教育・学習支援業
本社所在地
岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟
電話番号
086-252-1111
代表者名
那須保友
上場
未上場
資本金
-
設立
1949年05月