三谷幸喜氏が第41回向田邦子賞贈賞式にて喜びを語る! 小栗旬、大泉洋ら「鎌倉殿の13人」の豪華キャストが祝福!
第41回(2022年度)向田邦子賞贈賞式
第41回向田邦子賞贈賞式(C)東京ニュース通信社
第41回向田邦子賞贈賞式(C)東京ニュース通信社
第41回向田邦子賞贈賞式(C)東京ニュース通信社
第41回向田邦子賞贈賞式(C)東京ニュース通信社
選考委員の方々と一緒に僕が並んでいると、誰が受賞者かわからないような雰囲気で申し訳ないというか、フレッシュな感じが一切ないこの雰囲気…。本当にすみません。本当にうれしいです。ありがとうございます。
向田邦子さんは、僕にとって憧れであり目標です。毎回本を書くときは、必ず向田さんのシナリオを読み返して、どうすれば向田さんに近づくことができるのかということを考えながらいつも書いてます。タネを明かしますと、御所に集まった御家人たちのせりふは、「寺内貫太郎一家」の石職人たちの言葉をいただいております。それから政子と実衣の姉妹の会話も、向田さんの「阿修羅のごとく」のいただきです。本当に向田さんにありがたい、お世話になっていると思っております。
僕は、今からだいぶ昔の話になるんですけれども、1回、向田賞のお話をいただいておきながら、辞退しているんですね。なぜかといいますと、向田さんは僕にとってずっと憧れだし、あと言っておきますけれど、向田邦子と三谷幸喜ってイニシャルが同じなんですよね、それが本当に自慢でした。もう一つ、第1回で受賞された市川森一さん、僕はとても大好きで尊敬している方で、市川さんは名前が左右対象で、僕も左右対称なんですよね。これもまた自慢なんですけれども。この向田賞を取るということは、向田邦子さんと市川森一さんと名前が並ぶということで、当時の僕はとてもそれが自分なりに許せなかった。まだまだ若輩者の自分が、ここでこんな大事な賞をもらってはいけないと真剣に思いまして、本当にありがたいんですけれども、辞退させてくださいとお伝えしました。その時、選考委員に市川さんがいらっしゃって、後で市川さんの奥様に伺ったんですけれども、市川さんは僕の作品をとても薦めてくださっていたみたいで、僕が辞退したのでとても残念がっていたとおっしゃっていました。今回こうやってまた賞をいただくことになりまして、たぶん市川さんも喜んでくださっていると思いますし、やっと恩返しができたかなと思っております。
今日は本当に僕みたいな人間のためにたくさん集まってくださって、テレビで見た人ばっかりいらっしゃるんで、本当にうれしいです。僕はあまり俳優さんと会ってお酒を飲んだりとかしない人間で、それがなぜかと言いますと、今回の「鎌倉殿の13人」に関して言えば、こんなにすてきな企画を僕に振っていただけて、プロデューサーの清水(拓哉)さん含め、時代考証の先生方が親身になってサポートしてくださり、そしてチーフ監督の吉田(照幸)さん含めすごいスタッフのみなさんがそれをドラマ化してくださり、そしてしかも出てくださっている俳優さんはみんなもうすてきで輝いていて、僕が作ったものを何倍もすてきに輝かせてくれるそういうキャスティング、こんなに脚本家として幸せなことはないんですね。本当にこれ以上のことはないと思っている、その上なんで飲みに行かなければならないんだと。飲みに行けば絶対楽しいに決まっているんですよ。うれしいし、愉快だし、いい時間が過ごせるんだけども、もういいだろと、お前そんなに幸せでいいのかと神様に言われているような気がして、だから飲み会とかもなるべく参加しないように1回も出ていないので、なんて人付き合いの悪い作家なんだろうと思ってらっしゃっているかもしれませんけれども、そういうことなので許してください。ただ今日はみなさん来てくださって、今日くらいはいいかなと思っております。短い時間ですけれども、ほとんどもう同窓会みたいな感じだと思います。楽しんでいっていただけたらなと思います。僕は終わったらすぐに帰りますけれども(笑)。どうもありがとうございました。
第41回向田邦子賞贈賞式(C)東京ニュース通信社
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今日こうやってこの場に来て、一緒に作ってきたスタッフ、キャスト陣がみんな集まっている姿を見て、ものすごく今、背中を押していただいているなと思っておりますが、みなさんを代表してまずは自分がお祝いのメッセージを贈ろうと思っております。この向田邦子賞は、1982年が第1回ということで、今回は第41回目、僕と全く同い年の賞を三谷さんが取られているということに非常に喜びを感じております。そして今回の「鎌倉殿の13人」という作品は、とにかく毎週新しい台本が上がってくるのが楽しみで、どんなお話になっていくんだろう、僕が演じる義時という役はどんな行動をとらせてもらえるんだろうと、本当に楽しみにできる約1年4ヶ月の撮影期間でした。
やはり、俳優は自分たちでできることは限りなく少なく、そこにベースとなる台本があって、それを僕たちの目の前で具現化してくれるスタッフ陣がいて、やっと僕たちキャストというのは、現場で初めて役を生きることをさせてもらっておりました。今回ほど、毎回上がってくる台本が、どんなふうになるのだろう、どんな人生を生きさせてもらえるんだろうと感じながら過ごさせてもらった期間はありませんでした。役者としてこんなに役者冥利に尽きる現場はないなと思いましたし、それも本当に一人でひたすら折れることなくここまで書き続けてくださった三谷さんのお仕事というのは、素晴らしいものだなと思っております。そんなすてきな「鎌倉殿の13人」を作っていただきまして、どうもありがとうございました。そして本日は受賞おめでとうございます。
<八重役・新垣結衣さん>
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<源義経役・菅田将暉さん>
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<北条政子役・小池栄子さん>
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<北条泰時役・坂口健太郎さん>
第41回向田邦子賞贈賞式(C)東京ニュース通信社
<北条時房役・瀬戸康史さん>
第41回向田邦子賞贈賞式(C)東京ニュース通信社
<善児役・梶原善さん>
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(三谷「ちょっと泣いてるの?」)
ごめんなさい、57にもなると、三谷さんが壇上に立っているだけでも、目が湿っちゃって。善は人前で泣いてはいけないって昔から言われていたんだけど。僕は38年間、三谷さんと一緒にやってきて、三谷さんには十分良い思いをさせてもらったので、もういいよとは言いません。これからもよろしくお願いします。
<のえ役・菊地凛子さん>
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<三浦義村役・山本耕史さん>
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<畠山重忠役・中川大志さん>
三谷さん、おめでとうございます。僕が三谷さんの作品に初めて参加させていただいたのは、2016年の「真田丸」で、当時自分は高校3年生でした。初めての三谷さんの作品で、豊臣秀頼という役も大きな反響をいただいて、その撮影が終わった後に、短い時間だったのですがお電話させていただいて、その時の役のお話と、そしてまたいつかお仕事できたらなというお話をさせていただいたぶりだったので、とてもうれしかったです。今回の畠山という役も、先週、家族で伊豆の修善寺に旅行に行ってきたのですが、どこに行っても声をかけていただいて、すごくすてきな役に出会えて本当に幸せです。また、お仕事できるように頑張りたいと思います。
<三浦義澄役・佐藤B作さん>
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<比企尼役・草笛光子さん>
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おめでとうございます。こんなところでおめでとうというのは初めてですね。長いお付き合いをさせていただき、面白い役をやらせていただきましたけれども、最初にいただいた役(真田丸)は、もう今まさに死のうとしている時に「ちと、早すぎた」というセリフでした。こんな難しいことはなかったですよ。一週間悩みました。とっても悩んでやらせていただいたセリフで、忘れられません。私ももう先が短いですけども、あなたはまだこれからですから良いものいっぱいお書きになって、私あの世から見ていますから(笑)。
<源仲章役・生田斗真さん>
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<上総広常役・佐藤浩市さん>
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(三谷さん「怖かったんです(笑)」)
今時代劇というものは二極化してきて、我々が知っている、先人・先達が作ってきた時代劇と、今若い人たちの懐にポンと飛び込んでいける時代劇、それを作られる、しかもそれをいい意味でコンサバティブな大河ドラマの中でやられた三谷幸喜という人はすごいなと。やっぱり三谷さんの物の見方、感じ方、大河でこれをやりたいと思ったということ、すごいなと思いました。本当におめでとうございます。
<源頼朝役・大泉洋さん>
第41回向田邦子賞贈賞式(C)東京ニュース通信社
源頼朝をいただいたときに、不勉強で鎌倉幕府を作った人ぐらいしか知らなかったものですから、三谷さんから「今度は頼朝です」と言われた時には、カッコいい役が来たなと思いました。こんなひどいことばかりする人だと知らなかったものですから、小栗君のおかげではありますけど、昨年は「全部大泉のせい」と、どこにいっても言われてしまいまして。今回の鎌倉殿で一番印象的だったのが、15話の佐藤浩市さん演じる上総介(上総広常)を殺した回でした。放送が終わった後に仕事から帰ったら、鎌倉殿が大好きで毎週楽しみに見ていた小学校5年生の娘が玄関に駆け付け、「パパ...何やってんだよ...上総介殺しちゃダメだよ。あれは三谷さんひどいよ」と。娘が私をおもんぱかっていたのが、大変印象深かったです。
私はそれで、日本中から嫌われる羽目になりまして。山梨の温泉に行ったときに、年配の方から「大泉さん、私ね、鎌倉殿見てあなたのこと嫌いになっちゃった」って言われてね。そんな時に、三谷さんは私に短いメールをくれました。「15話が終わって、やはりあなたは、日本中からの嫌われ者になってしまいましたね。でも僕は大好きです」といただいたのが、ほんとに救いでございました。私は20歳くらいの頃からずっと三谷さんの作品で育ってきたし、楽しませてもらったと思っています。おそらく私のような方が、日本中にいるのではないかと思います。ほんとにおめでとうという気持ちを込めまして、私のような人たちを代表して、今までたくさんの作品をありがとうございました。
第41回向田邦子賞贈賞式(C)東京ニュース通信社
<三谷幸喜氏プロフィール>
1961年7月8日、東京都出身。日本大学芸術学部卒業。
大学在学中の83年に旗揚げした劇団「東京サンシャインボーイズ」の作・演出を手がける。93年に「振り返れば奴がいる」(フジテレビ)で連続テレビドラマの脚本家としてデビュー。続けて「古畑任三郎」「王様のレストラン」「総理と呼ばないで」(フジテレビ)など数々の人気ドラマを発表。97年には映画「ラヂオの時間」で映画界にも進出し、「THE 有頂天ホテル」「ザ・マジックアワー」「ステキな金縛り」などで映画監督としても成功を収める。大河ドラマは「新選組!」(04年)、「真田丸」(16年)に続いて、本作が3本目の執筆となる。
<向田邦子賞とは>
故・向田邦子さんがテレビドラマの脚本家として、数々の作品を世に送り出し活躍してきた功績を讃え、現在のテレビ界を支える優秀な脚本作家に贈られる賞として、1982年に制定されました。主催は「TVガイド」を発行する東京ニュース通信社で、選考は歴代受賞者らによる向田邦子賞委員会が担当しています。前年度に放送されたテレビドラマを対象に、選考委員がノミネート作品を選定。本選を含めて4回の討議を経て受賞作品を決定しています。選考委員は池端俊策氏(第3回受賞者)、大石静氏(第15回受賞者)、岡田惠和氏(第20回受賞者)、井上由美子氏(第25回受賞者)、坂元裕二氏(第26回受賞者)。※向田邦子賞受賞順
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