危機拡大のニジェール:物資国内に入れず~子ども200万人に人道支援が必要【プレスリリース】
ユニセフ現地事務所代表 声明
【2023年8月19日 ニアメ(ニジェール)】
ニジェール共和国で進行中の危機について、ユニセフ(国連児童基金)ニジェール事務所代表のステファノ・サーヴィが以下の声明を発表しました。
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ニジェールで拡大している危機は、同国に住む何百万人もの弱い立場にある子どもを、ますますの危険にさらしています。
現在の状況は極めて憂慮すべきものです。すでに、多くの子どもが重度の栄養不良に陥っており、西部・中部アフリカで最悪レベルという深刻な人道的状況に、大きな負荷がかかっているのです。現時点で、200万人以上の子どもが危機の影響を受けており、人道支援を切実に必要としています。
2023年にニジェールでは推定150万人の5歳未満の子どもが栄養不良状態になり、少なくとも43万人の子どもが最も重い栄養不良に陥る、とここ最近の社会的混乱や政情不安以前から予想されていました。食料価格の高騰が続き、経済の悪化が家族、家庭、収入に打撃を与えれば、その数はもっと増えるでしょう。
ユニセフは、ニジェール全土の子どもに人道支援を提供し続けており、7月には1,300の保健センターへすぐに食べられる栄養治療食(RUTF)を配送しました。作物の収穫量が減少する時期が今後数カ月続くため、この治療食は10万人の子どもたちを治療することになります。しかし、まだ十分というには程遠いのです。
保健システムにおけるコールドチェーン(低温物流システム)のインフラの95%が電力に依存しているなか、最近電力不足が複数回起きています。小児用ワクチンなどの物資が危険にさらされないようにするためには、さらに多くの対応が必要です。
命を守るための支援物資が内陸国であるニジェールへ一刻も早く届けられなければならないにもかかわらず、さまざまな入国地点で足止めされたままになっていることを憂慮しています。今現在、コールドチェーン用の機材を積んだユニセフのコンテナ2台がベナン国境付近で止められており、予防接種とコールドチェーン用の物品を積んだコンテナ19台がコトヌー港(ベナン)で、そして栄養治療食と注射器を積んだコンテナ29台が海上で立ち往生しています。
子どもたちの栄養不良の治療と予防接種の実施のためのこれら物資は、ニジェールへの搬入がさらに遅れ、風雨にさらされれば、効果を失う危険性があります。
ユニセフは、危機のすべての当事者に対し、早急に必要とされる人道支援物資と支援従事者が、最も弱い立場にある子どもとその家族のもとに安全に到達できるようにすることを緊急に求めます。また、重要な人道支援計画が、制裁や資金削減の影響から守られるよう要請します。
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■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念をさまざまな形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています。 https://www.unicef.or.jp/
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます
■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、33の先進国・地域にあるユニセフ国内委員会の一つで、日本国内において民間で唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 https://www.unicef.or.jp/
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