スーダン紛争激化から200日:避難する子ども、過去最多の300万人~世界最大の「子どもの避難危機」に【プレスリリース】
【2023年11月6日 スーダン発】
スーダンで紛争が激化してから200日以上が経過したことを受け、ユニセフ(国連児童基金)は、以下の声明を発表しました。
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スーダンで武力衝突が激化した4月15日から200日が経過したことに際し、ユニセフは、来る日も来る日も過酷な悪夢の中を生きている何百万人の子どもとその家族の苦境に対して取り組む決意を新たにするよう、国際社会と紛争に関わるすべての当事者に呼びかけます。子どもたちは、彼ら自身がつくり出していない危機にもかかわらず、最も大きな代償を払い続けているのです。その代償は、子どもたち自身の命にさえ及んでいます。
スーダンでは現在、過去最多の300万人の子どもが、横行する暴力から逃れ、安全や食料、避難所、保健医療を求めて避難しており、子どもの避難における危機の規模としては世界最大です。子どもたちの大半はスーダン国内で避難していますが、何十万人かは隣国に逃れ、無秩序に広がった間に合わせの避難キャンプに身を寄せています。
子どもたちは激しい暴力の矢面にさらされ続けています。スーダンの約1,400万人の子どもが、命を守る人道支援を緊急に必要としています。彼らの多くは絶え間ない恐怖の中で暮らしており、自分たちが殺されたり、怪我をさせられたり、武装組織に徴兵・徴用されたりするかもしれないとおびえています。
ハルツーム、ダルフール、コルドファンなどでは、ここ数週間、戦闘が激化する一方で、子どもの権利侵害が急増し続けることがまさに危惧されています。これまでのところ、ユニセフには、子どもの殺傷を含む3,100件を超える深刻な権利侵害の申し立てが寄せられています。
また、スーダンの子どもは誰一人として学校に戻ることができておらず、1,900万人もの就学年齢の子どもが教室に戻れていないという世界最悪の教育危機の一つになっており、世代全体の将来が危ぶまれています。
ユニセフとパートナーは、国内および近隣諸国で暮らす何百万人ものスーダンの子どもたちに、水、保健、栄養、安全な場所、学習など、命を守るための支援を行っています。しかし、提供できている支援に比べて支援ニーズが上回っている状況の中、もはや一刻の猶予もありません。命を守る物資やサービスを、必要としているすべての子どもに届けるためには、安全で妨げられることのない人道的アクセスが必要です。
コレラ、デング熱、はしか、マラリアなど、致命的な疾病の脅威も増加の一途をたどっており、集団感染は広がっています。現在、約740万人の子どもに安全な飲み水が不足しています。その半数近くが5歳未満で、下痢性疾患やコレラの深刻なリスクにさらされています。また、予防可能な感染症に対する定期的な予防接種を受けていない子どもも多く、重度の急性栄養不良に陥った70万人近くの子どもが、治療を受けずに命を落とす危険にさらされています。水と保健のインフラは、国際人道法に従って保全されなければなりません。
一方で、ユニセフの今年の人道支援計画に基づく資金要請に対し、資金はまだ24%しか集まっていません。
スーダンの何百万人もの子どもの死と苦難を、忘れ去られた人道上の大惨事の一つにすることは許されません。子どもたちには今、私たちの支援が必要です。そして何よりも、平和が必要なのです。
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■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念をさまざまな形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています。 https://www.unicef.or.jp/
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます
■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、33の先進国・地域にあるユニセフ国内委員会の一つで、日本国内において民間で唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 https://www.unicef.or.jp/
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