ユニセフ事務局長ガザ訪問「国際人道法に則り 子どもの保護を」【プレスリリース】

公益財団法人日本ユニセフ協会

保育器の中で命をつなぐ赤ちゃん。(ガザ地区、2023年11月14日撮影) © UNICEF_UNI470993_保育器の中で命をつなぐ赤ちゃん。(ガザ地区、2023年11月14日撮影) © UNICEF_UNI470993_

【2023年11月15日 ガザ発】


11月14日にパレスチナ・ガザ地区を訪問したユニセフ(国連児童基金)のキャサリン・ラッセル事務局長は、以下の声明を発表しました。


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子どもたちやその家族、ユニセフのスタッフと会うために、私は14日にガザ地区を訪れました。私が見聞きしたことは、悲惨なものでした。子どもたちは、度重なる爆撃、喪失、避難に耐えています。ガザの100万人の子どもにとって、安全な場所はどこにもありません。

 

紛争当事者たちは、殺傷、拉致、学校や病院への攻撃、人道的アクセスの拒否など、子どもに対する重大な暴力行為をおこなっています。ユニセフはこうした行為すべてを非難します。

 

ガザでは、4,600人以上の子どもが殺され、9,000人近くが負傷したと報告されています。

 

入院している患者と話すラッセル事務局長。(ガザ地区、2023年11月14日撮影) © UNICEF_UNI470988_入院している患者と話すラッセル事務局長。(ガザ地区、2023年11月14日撮影) © UNICEF_UNI470988_

多くの子どもの行方がわからなくなっており、倒壊した建物や家屋のがれきの下に埋まった状態でいるとみられています。これは、人口密集地での爆発性兵器の使用が招いた悲劇的な結果です。一方、ガザの病院では、専門的な治療を必要とする新生児たちが、電力と医療物資の不足、それに暴力行為が無差別に続く中で、命を落としています。

 

南部ハンユニスのアル・ナスル病院で、私は保護と安全を求める患者や避難民の家族に会いました。病院のベッドの上にいた16歳の女の子は、自分の住む地域が爆撃を受けたと話してくれました。彼女は一命を取り留めたものの、医師は二度と歩くことはできないだろうと言っています。

 

病院の新生児病棟では、燃料なしにどうやって装置を動かし続ければよいのかと医師たちが不安に駆られる中で、小さな赤ん坊たちは保育器の中で懸命に生きようとしていました。

 

ラファの学校で避難生活を送る人たち。(ガザ地区、2023年11月2日撮影) © UNICEF_UNI463118_El Babaラファの学校で避難生活を送る人たち。(ガザ地区、2023年11月2日撮影) © UNICEF_UNI463118_El Baba

ガザ滞在中、私は、危険と破壊の中で子どもたちのために支援活動を続けているユニセフのスタッフにも会いました。戦争が子どもたちに与えた衝撃や、亡くなった家族のこと、幾度も避難を余儀なくされたことなど、自身が体験した、胸が張り裂けそうな話を、彼らは共有してくれました。

 

ユニセフのスタッフやその家族を含む多くの人々が、水も食料も適切な衛生環境もほとんどない、感染症が集団発生するリスクがある、過密な避難所で暮らしています。

 

ガザ地区内の人道支援従事者が危険な状況にあることは、いくら強調してもしすぎることはありません。10月以来、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の職員100人以上が死亡しているのです。

 

ユニセフとそのパートナーは、切実に求められている人道物資を届けるなど、できる限りのことを行っています。しかし、ディーゼル燃料が実質的に底を突き、一部の病院や保健センターは機能不全に陥っています。燃料がなければ、海水淡水化プラントは飲用水を供給することができず、人道支援物資を配布することもできません。

 

ガザへの検問所が断続的に開かれ、人道物資が搬送されていますが、急増するニーズには足りません。冬が近づくにつれ、燃料のニーズはさらに高まるでしょう。今日、私がガザを後にした時、激しい雨が降り、惨状に拍車をかけていました。

 

ガザ地区を訪れ、子どもたちと話すラッセル事務局長。(ガザ地区、2023年11月14日撮影) © UNICEF_UNI471046_ガザ地区を訪れ、子どもたちと話すラッセル事務局長。(ガザ地区、2023年11月14日撮影) © UNICEF_UNI471046_

私は、子どもの保護を訴えるためなら全力を尽くす覚悟でここにいます。あらためて、すべての当事者に対し、国際人道法に従って子どもを確実に保護し、支援するよう求めます。この恐ろしい出来事を真に止められるのは、紛争当事者だけなのです。

 

そして紛争当事者に対し、即時の人道的停戦を実施し、拉致・拘束されたすべての子どもを安全に解放するとともに、人道支援従事者が安全かつ持続的に、妨げられることなく、必要としている人々に命を守るサービスと物資を届けられるようにすることを求めます。



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ユニセフ「ガザ人道危機 緊急募金」 ご協力のお願い

(公財)日本ユニセフ協会は、ユニセフ「ガザ人道危機 緊急募金」を受け付けています。最も支援を必要としている子どもたちとその家族に支援を届けるため、ご協力をお願い申し上げます。

 

1.  クレジットカード/ネットバンク/Amazon Pay/携帯キャリア決済/コンビニ払いから

https://www.unicef.or.jp/kinkyu/gaza/

 

2.  郵便局(ゆうちょ銀行)から

振替口座:00190-5-31000/口座名義:公益財団法人 日本ユニセフ協会

*通信欄に「ガザ」と明記願います。

*窓口での振り込みの場合は、送金手数料が免除されます。


※公益財団法人 日本ユニセフ協会への寄付金には、特定公益増進法人への寄付として、所得税、相続税、法人税の税制上の優遇措置があります。また一部の自治体では、個人住民税の寄付金控除の対象となります。


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■ ユニセフについて

ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念をさまざまな形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています。 https://www.unicef.or.jp/

※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます

 

■ 日本ユニセフ協会について

公益財団法人 日本ユニセフ協会は、33の先進国・地域にあるユニセフ国内委員会の一つで、日本国内において民間で唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 https://www.unicef.or.jp/

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会社概要

URL
http://www.unicef.or.jp
業種
官公庁・地方自治体
本社所在地
東京都港区高輪4-6-12 ユニセフハウス
電話番号
03-5789-2016
代表者名
赤松良子
上場
未上場
資本金
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設立
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