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公益財団法人日本ユニセフ協会
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「ガザは子どもにとって世界で最も危険」続く武力攻撃、疾病のまん延【プレスリリース】

ユニセフ エルダー広報官、国連定例会見で報告

公益財団法人日本ユニセフ協会

南部のラファで、破壊された自宅のがれきの上に座る子どもたち。(ガザ地区、2023年11月26日撮影) © UNICEF_UNI485696_El Baba南部のラファで、破壊された自宅のがれきの上に座る子どもたち。(ガザ地区、2023年11月26日撮影) © UNICEF_UNI485696_El Baba

【2023年12月19日 ジュネーブ発】


ユニセフ(国連児童基金)の広報官、ジェームズ・エルダーは12月19日にジュネーブで行われた国連の定例記者会見において、パレスチナガザ地区の子どもが直面している危機的な状況について、以下のとおり発言しました。


* * *


今ガザ地区は、子どもにとって世界で最も危険な場所です。そして日々、その残酷な現実を裏付けることが続いているのです。

 

この48時間の間に、正常に機能していた最大の病院が2回爆撃されました。そのハンユニスのアル・ナセル病院は、自宅が攻撃を受けて重傷を負った大勢の子どもだけでなく、安全を求める何百人もの女性や子どもたちを受け入れています。

 

戦闘に巻き込まれ脚を負傷した4歳のガザールちゃん。自宅が戦車に囲まれていたため病院に行けず、隣の家の医師に応急処置をしてもらったが、ナセル病院に到着した時には化膿しており、脚を切断することとなった。(ガザ地区、2023年12月6日撮影) © UNICEF_戦闘に巻き込まれ脚を負傷した4歳のガザールちゃん。自宅が戦車に囲まれていたため病院に行けず、隣の家の医師に応急処置をしてもらったが、ナセル病院に到着した時には化膿しており、脚を切断することとなった。(ガザ地区、2023年12月6日撮影) © UNICEF_

週末、ユニセフは13歳のディナさんの話を紹介しました。ハンユニスの自宅が全壊した際に彼女は負傷し、後に右足を切断しました。両親と2人の兄弟も失いました。しかし、ディナさんは希望を失っていませんでした。「不公平を感じます。将来弁護士になって、自分の権利とすべての子どもの権利を守り認められるようにしたいの」と、自分の夢を語ってくれました。

 

ディナさんは、私たちに将来の夢を語ってくれた翌日の日曜日に、ナセル病院で命を落としました。

 

子どもとその家族はどこに行けばいいのでしょうか? 病院は安全ではありません。避難所も安全ではありません。いわゆる 「安全地帯」も安全ではありません。

 

いわゆる 「安全地帯」が安全でない理由を説明しましょう。

 

紛争当事者には当然ながら、民間人を保護するために可能な限りの事前措置を講じる義務があります。この場合、取られている事前措置の一つは退避、いわゆる「安全地帯」への移動です。

 

しかし国連が1カ月以上前に表明したように、一方的に宣言されたこれらの地帯は安全でも人道的でもありえません。 さらに、国際法によると、人々を避難させる場所には、医療設備、食料、水など、生存に必要なリソースが十分に備わっていなければなりません。

 

ラファの避難所で、調理の火に使うための段ボールを、路上のゴミの中から探す子どもたち。(ガザ地区、2023年12月6日撮影) © UNICEF_UNI488863_El Babaラファの避難所で、調理の火に使うための段ボールを、路上のゴミの中から探す子どもたち。(ガザ地区、2023年12月6日撮影) © UNICEF_UNI488863_El Baba

つまり、いわゆる安全地帯は、爆撃を受けないだけではなく、食料、水、医薬品、保護の確保という条件が満たされて初めて「安全」と言えるのです。

 

しかし、今の封鎖状態では、そのような地帯に十分な物資を供給することは不可能です。私はその現実を自分の目で見てきました。

 

焼け野原、街角、あるいは建設途中のビルの小さな一区画がそれらの地帯として指定されており、水も設備もなく、寒さや雨をしのぐこともできません。

 

そして、決定的なことに、衛生設備がないのです。

 

現在ガザでは、700人の子どもや家族に対し、平均して1つのトイレしかありません。トイレのない場所に家族を移動させれば、何万人もの人々がバケツの中への排泄や野外排泄に頼ることになります。

 

水も衛生設備もなく、寒さや雨をしのぐこともできない、いわゆる「安全地帯」は、疾病がまん延する地帯と化しているのです。

 

子どもの下痢症は10万症例を超えています。一般市民の急性呼吸器疾患症例は15万件以上です。しかしどちらの数字も、悲惨な現実を過少に表したものでしょう。

 

ハンユニスの避難所で、小麦粉からパンを作る家族。(ガザ地区、2023年12月6日撮影) © UNICEF_UNI488839_El Babaハンユニスの避難所で、小麦粉からパンを作る家族。(ガザ地区、2023年12月6日撮影) © UNICEF_UNI488839_El Baba

栄養不良状態にあるガザの子どもたちが急増しており、下痢性疾患は致命的なものになりつつあります。 考えてみてください。ガザで最も弱い立場にある13万人以上の子ども(生後0カ月から23カ月の子ども)は、生命を守るのに不可欠な授乳も年齢に応じた補完的哺乳も受けていず、微量栄養素の補給もできていません。

 

このような状況では、人道的停戦のみがもたらすことのできる、十分な量の安全な水と食料と衛生設備がなければ、病気による子どもの死者数は爆撃による死者数を上回る可能性があります。

 

親たちは、病気の子どもにとって病院という選択肢がないことを思い知らされています。病院自体が攻撃を受けているからであり、病院が凄惨な戦争の傷を負った子どもや市民であふれかえっているからです。

 

重病の子どもを持つ親が、私に言いました。「私たちの状況はまさしく悲惨です。私は参っています。息子の病気はとても重いのです。私は妻に、あまり期待しないようにするべきだろう、と言わざるを得ませんでした。でも、もう私たちに残されているのは、希望だけなのです。乗り切れるかどうかわかりません。どうか、この状況を世界に伝えてください」

 

ハンユニスにある避難所のテントの中から外を見つめる11歳のカリムさん。(ガザ地区、2023年12月6日撮影) © UNICEF_UNI488843_El Babaハンユニスにある避難所のテントの中から外を見つめる11歳のカリムさん。(ガザ地区、2023年12月6日撮影) © UNICEF_UNI488843_El Baba

今こうしている間にも、ガザの子どもたちの生死は支援物資の搬入にかかっているのです。しかし物資を届けるための条件は満たされていません。即時かつ長期的な人道的停戦こそが、子どもの死傷や病死をなくし、切実に必要とされている命を守るための支援を緊急に届けることができる唯一の方策なのです。


* * *


ユニセフ「ガザ人道危機 緊急募金」 ご協力のお願い

ガザの最も支援を必要としている子どもたちとその家族に支援を届けるため、(公財)日本ユニセフ協会は、ユニセフ「ガザ人道危機 緊急募金」を受け付けています。詳しくはこちらをご覧ください。

https://www.unicef.or.jp/kinkyu/gaza/ 

 



■ ユニセフについて

ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念をさまざまな形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています。 https://www.unicef.or.jp/

※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます

 

■ 日本ユニセフ協会について

公益財団法人 日本ユニセフ協会は、33の先進国・地域にあるユニセフ国内委員会の一つで、日本国内において民間で唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 https://www.unicef.or.jp/

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