アフガニスタン西部地震発生100日「被災9万6千人の子どもの命守る冬季支援を」【プレスリリース】

ユニセフ・アフガニスタン事務所代表訴え

ヘラートで、地震により倒壊した自宅のがれきの上に座る子どもたち。(アフガニスタン、2023年12月3日撮影) © UNICEF_UNI485389_Karimiヘラートで、地震により倒壊した自宅のがれきの上に座る子どもたち。(アフガニスタン、2023年12月3日撮影) © UNICEF_UNI485389_Karimi

【2024年1月15日 ヘラート(アフガニスタン)発】


アフガニスタン西部を襲った地震から100日、ユニセフ(国連児童基金)は、厳しい冬が同国を襲う中、被災した9万6,000人以上の子どもへの支援拡大を呼びかけています。


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昨年10月にアフガニスタンで発生した地震により、1,000人を超える人々が命を落としました。犠牲者のほとんどが、女性と子どもでした。さらに、3万1,000戸の家屋が倒壊、または著しく損傷し、数え切れないほどの家族が生計、家畜、作物を失いました。3カ月経った今もヘラート州では地震の影響が続いており、身を刺すような寒さにもかかわらず、多くの家族がテントで暮らしたり、野宿をしたりしています。加えて現在ヘラート州は冬を迎えており、厳しい気候が人々の生命を脅かし、復興への動きを鈍らせています。

 

中部のニリにある病院で、栄養不良の治療を受ける子ども。(アフガニスタン、2023年12月7日撮影) © UNICEF_UNI486489_Karimi中部のニリにある病院で、栄養不良の治療を受ける子ども。(アフガニスタン、2023年12月7日撮影) © UNICEF_UNI486489_Karimi

ユニセフ・アフガニスタン事務所代表のフラン・エキーザは次のように述べています。「一帯の家族が全てを失ったアフガニスタン西部の地震から100日経った今でも、村々は苦しみ、重々しい空気であふれています。子どもたちはいまだに喪失感とトラウマに耐えようとしています。子どもたちに必要な学校や保健センターは、修復不能なほど損傷しているか、完全に破壊されています。そして、これでもまだ十分ではないかのように、冬が到来し、気温を氷点下に押しとどめています。家のない子どもや家族は、暖房手段のない仮設の住処で、夜間は生死に関わるような状況で暮らしています」

 

ユニセフは地震発生から数日のうちに、被災したコミュニティに清潔で安全な水を給水車で届け、保健医療施設を仮設するとともに保健員を配置し、毛布や調理器具・冬用衣料の入った家族用キットを配布するなどの対応を行いました。

 

初動対応から100日間で、ユニセフはテント型の仮設保健医療施設を、輸送用コンテナを利用したより恒久的な施設に切り替えました。保健・栄養チームが処置した症例はほぼ9万件に上り、その4分の3近くが女性と子どもたちです。

 

ユニセフは、仮設学習スペースを61カ所と子どもにやさしい空間を61カ所設置し、ほぼ3,400人の子ども(その半数以上が女の子)が基礎教育を続けることができました。壊れた教室の復旧作業は、まもなく開始される予定です。

 

パキスタンとの国境近くのトールハムにあるユニセフが支援する子どもにやさしい空間で、アクティビティに参加する男の子。(アフガニスタン、2023年12月4日撮影) © UNICEF_UNI486386_Karimiパキスタンとの国境近くのトールハムにあるユニセフが支援する子どもにやさしい空間で、アクティビティに参加する男の子。(アフガニスタン、2023年12月4日撮影) © UNICEF_UNI486386_Karimi

ユニセフは引き続き、約1万9,000人に清潔な水を給水車で届けています。そして人々がこの冬を乗り切ることができるよう、家族に基本的な必需品を賄うための現金給付を5,400人に行う予定です。

 

しかし、冬の凍てつくような気温が苦難をさらに深刻にするため、一層の支援が必要です。多くの家族は家を建て直すことができません。病気のまん延を防ぎ、さらなる苦しみを食い止めるには、早急にヘルスケア、清潔な水、適切な衛生設備を提供することが必要です。さらに、生計手段や農作物を失った家族は、飢えや栄養不良の危険にさらされています。

 

エキーザ代表は次のようにも述べています。「ヘラートの子どもとその家族の緊急のニーズに対し、ユニセフが地震発生から数日以内に対応できるよう、迅速に資源を動員してくださったご支援者の皆さまに感謝しています。しかし、まだ何千人もの子どもが私たちの助けを必要としています。今回の地震の影響を受けた9万6,000人の子どもたちへ、被災から立ち直るために必要なサービスが提供できなければ、彼らは生き延びられないのではないかとユニセフは憂慮しています。子どもたちがこの冬を乗り切るだけでなく、この先何カ月も何年も健やかに成長できる機会を得られるよう、引き続き支援をお願いします」


■ 注記

ユニセフ・アフガニスタン事務所は先ごろ、地震などの自然災害に加え、紛争、極端な気候ショック、深刻な経済衰退などの同国が抱える複雑で多面的な長期の危機に対応するため「子どもたちのための人道支援(HAC)2024」で14億米ドルの資金の要請を行いました。要請の詳細は以下のURLでご覧いただけます。

https://www.unicef.org/afghanistan/documents/humanitarian-action-children-hac-2024 

 

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ユニセフ「自然災害緊急募金」 ご協力のお願い

アフガニスタンで発生した地震で被災した子どもを含む、自然災害の影響を受けた子どもたちとその家族に支援を届けるため、(公財)日本ユニセフ協会は、ユニセフ「自然災害緊急募金」を受け付けています。詳しくはこちらをご覧ください。

https://www.unicef.or.jp/kinkyu/disaster/

   

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■ ユニセフについて

ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念をさまざまな形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています。 https://www.unicef.or.jp/

※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます

 

■ 日本ユニセフ協会について

公益財団法人 日本ユニセフ協会は、33の先進国・地域にあるユニセフ国内委員会の一つで、日本国内において民間で唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 https://www.unicef.or.jp/

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会社概要

URL
http://www.unicef.or.jp
業種
官公庁・地方自治体
本社所在地
東京都港区高輪4-6-12 ユニセフハウス
電話番号
03-5789-2016
代表者名
赤松良子
上場
未上場
資本金
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設立
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