魚を育て、学び、悩んで、海の恵みといのちの大切さを学ぶ 「陸養プロジェクト2023」東京都渋谷区立西原小学校「特別授業」を開催しました!
2023年11月30日(木)、12月5日(火)【場所】千葉県水産総合研究センター、東京都渋谷区立西原小学校
今回、11月30日(木)、12月5日(火)の2日間で参加校の一つである東京都渋谷区立西原小学校の児童たちが「特別授業」に参加しました。「特別授業」は、陸上養殖体験と平行し、身近な海とそこに暮らす生き物や海とつながる環境・生態系全体について地元地域の専門家から学びます。海と人とのつながりを実感し、環境や生態系の保全の重要性を“自分ごと”として捉えられることを目的とした授業です。
このイベントは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる“日本財団「海と日本プロジェクト」“の一環です。
イベント概要
・開催概要:①第1回特別授業 ②第2回特別授業
・日時:①11月30日(木)10時30分~12時00分 ②12月5日(木)10時40分〜12時15分
・開催場所:①千葉県水産総合研究センター 種苗生産研究所 富津生産開発室 ②東京都渋谷区立西原小学校
・参加人数:東京都渋谷区西原小学校の5年生89名
・協力団体:①千葉県水産総合研究センター種苗生産研究所長 山田嘉孝氏 ほか職員の皆さん ②国立環境研究所 地球システム領域 主任研究員 高尾信太郎氏
第1回特別授業「身近な海における、海と人とのつながりを学ぶ」
第1回の特別授業では千葉県水産総合研究センター種苗生産研究所を訪れました。
千葉県沿岸の海に放流されるヒラメ、マコガレイなどの種苗の安定した生産を実現するための飼育法や技術開発も担う、種苗生産研究所。職員の方からの栽培漁業の講義では、自然で孵化して1ヵ月生存できるのは全体の3%程度なのに対し、人の手である程度大きく育てて放流すれば生存できる確率は60%程度まで上がるというお話を聞き、児童たちは今取り組んでいる養殖と同じ「水産資源確保」の取り組みが、様々な形で行われていることに驚いていました。
放流する際の実際の映像視聴コーナーでは「一生懸命育てた魚を手放すときにどんな気持ちになるのか」という質問が出ました。職員の方からは「少し寂しい思いもあるが、大きく育って多くの人に美味しく食べてもらいたい」というお話があり、児童たちにとっては終わりが迫ってきた養殖体験と重ね合わせる部分もあったようです。
第2回特別授業「海と私たちのつながりと環境問題」
第2回の特別授業では、国立環境研究所による「海と私たちのつながりと環境問題」をテーマとした出前授業を行いました。
海の環境問題の専門家である地球システム領域地球環境研究センター大気・海洋モニタリング推進室の髙尾信太郎さんから、まず、海の環境問題のうち、特に地球温暖化による影響をお話いただき、海の生態系が私たちの暮らしとつながっていることを学びました。さらに高尾さんは、地球温暖化の主要な原因のひとつでもある二酸化炭素の増加が海洋の酸性化を引き起こすことに触れ、その現象を実験キットを使ってみんなで体験しました。そして、こうした海の環境変化によって将来お寿司が食べられなくなる可能性があること、今児童たちが進めている陸上養殖がひとつの解決策として、海や魚を守ることを学ぶ大切な機会であることも教えてくれました。
自分たちの生活が海に及ぼす影響を肌で感じた児童たちからは、「環境にやさしい製品を使いたい」「ごみ拾い等、海を守る活動をしてみたい」という声があがりました。
<団体概要>
団体名称:一般社団法人RIKUYOU
URL:https://rikuyou.uminohi.jp/
活動内容:「陸上養殖」を通し、水産資源の貴重さ、生命の大切さ、自分たちが住む地域の海の問題について学んでもらい、子どもたちに海の未来について考えてもらう機会を提供すべく活動しています。
2018年4月陸養プロジェクト実行委員会発足。これまで全国13地域29の小学校(青森・福島・栃木・埼玉・東京・千葉・富山・長野・静岡・愛知・大阪・愛媛・長崎)で陸養プロジェクトを実施。実施地域の企業や専門家と連携し、地元の海に関する問題や魚の生態等を学びながら、プロジェクトの最後には育てたヒラメをどうするか、学校ごとに結論を出してきました。
※プロジェクト共催
団体名称:NPO日本養殖振興会
活動内容:これからの日本を背負って立つ子ども達に、この日本が誇る『人工種苗による養殖技術』の素晴らしさを伝えることを趣旨とし、日本の漁業の将来を担う人財育成及びその人財が活躍できる農山漁村地域での活性化、雇用促進を最終的な目標としています。
日本財団「海と日本プロジェクト」
さまざまなかたちで日本人の暮らしを支え、時に心の安らぎやワクワク、ひらめきを与えてくれる海。そんな海で進行している環境の悪化などの現状を、子どもたちをはじめ全国の人が「自分ごと」としてとらえ、海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げていくため、オールジャパンで推進するプロジェクトです。
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