トルコ・シリア地震から1年:いまだ残る影響、支援を必要とする子どもたち-シリア750万人・トルコ320万人【プレスリリース】

南東部で被災し、1年ぶりに再開した学校へ向かう14歳のウムットさん。(トルコ、2024年1月23日撮影) © UNICEF_UNI508543_Ergen南東部で被災し、1年ぶりに再開した学校へ向かう14歳のウムットさん。(トルコ、2024年1月23日撮影) © UNICEF_UNI508543_Ergen

【2024年2月6日 ニューヨーク/アンマン(ヨルダン)/ジュネーブ発】


トルコとシリアに甚大な被害をもたらした地震から1年、この大災害の影響は今なお続いています。紛争による人道危機下に置かれているシリアの子どもたちにとって、その影響はさらに深刻なものとなっています。


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2023年2月6日に発生した2回の壊滅的な地震と、それに続く数千回に及ぶ余震により、両国で数千人の子どもが死傷し、家族は家を失い、安全な水や教育、医療などの必要なサービスを受けられなくなり、脆弱な立場にある子どもが適切な保護を受けられないリスクが高まりました。一定の人道支援は届けられていますが、特に紛争と危機の連鎖が続くシリアでは、子どもたちの命とウェルビーイングが危険にさらされ続けています。

 

ラッカの農村部にある難民キャンプ内のユニセフが支援する保健所で、健康チェックを受けに来た生後11カ月のアフマドちゃん。(シリア、2023年10月撮影) © UNICEF_UNI465167_ラッカの農村部にある難民キャンプ内のユニセフが支援する保健所で、健康チェックを受けに来た生後11カ月のアフマドちゃん。(シリア、2023年10月撮影) © UNICEF_UNI465167_

シリア全土で、およそ750万人の子どもが依然として人道支援を必要としています。 トルコでは、320万人の子どもがいまだ必要不可欠なサービスを必要としており、ユニセフ(国連児童基金)は2024年内に最も脆弱な170万人の子どもに支援を届ける計画です。

 

「1年前にトルコとシリアを襲った地震は、数百万人の子どもの生活を一変させました。何千もの命が失われ、家庭や学校、保健施設が倒壊し、多くの子どもが持っていた安心感も無くなりました。政府の支援と人道的な努力によって、家族は徐々に生活を取り戻し、子どもたちは自らの経験を乗り越えるための手段を得ることができました。しかし、特にシリア北部では、あまりにも多くの家族が、終わりの見えない人道的危機にさらされ続けています」(ユニセフ事務局長 キャサリン・ラッセル)

 

シリアでは、13年近くにわたる戦闘行為、破壊、人道危機により、子どもたちは世界で最も複雑といえる緊急事態の真っただ中に置かれています。経済危機の悪化、局地的な戦闘行為の継続、大規模な避難民の発生、公共インフラの破壊などにより、多くの基礎的サービスが破綻し、750万人近くの子どもが支援を必要としています。水・衛生システム、公衆衛生サービスは、長年にわたってほとんど投資が行われていなかったため、多大な負荷がかかっています。 このため、子どもたちは、長期化する干ばつと水不足、食料不安によって、頻発する感染症の集団発生のリスクにさらされ、子どもの栄養不良と死亡率の増加につながっています。同国では、約90%の家庭が貧困状態にあり、50%以上が食料不足に陥っています。

 

ハタイにある非公式な避難所で生活する子どもたち。(トルコ、2024年1月22日撮影) © UNICEF_UNI508997_Karacanハタイにある非公式な避難所で生活する子どもたち。(トルコ、2024年1月22日撮影) © UNICEF_UNI508997_Karacan

進行中の経済危機はまた、負の対処メカニズムを悪化させ、女性が世帯主である世帯に特に影響を及ぼすと同時に、ジェンダーに基づく暴力や子どもの搾取の常態化を助長しています。

 

トルコでは、地震により400万人以上の子どもの教育が中断しました。ユニセフは、こうした子どもたちのうち約100万人を支援し、公式および非公式の教育を受けられるようにしました。より多くの子どもが教育を受けられるよう多大な努力が払われてきたとはいえ、トルコの被災地では依然として多数の子どもが学校に通えていません。

 

ユニセフは、トルコ政府や市民社会のパートナーと協力して、240万人の子どもを含む470万人の緊急および長期的なニーズに対応してきました。これには、150万人以上の子どもや養育者にメンタルヘルスと心理社会的なサポートを提供したり、300万人以上に安全な水を届けたりすることも含まれています。トルコにおいて、地震で被災した子どもたちを支援する活動を継続し、長期的な開発のための強靭な基盤を再構築するために、ユニセフは1億1,600万米ドルの資金を求めています。

 

デリゾールのユニセフが再建した学校で、授業を受ける11歳のアルマさん。(シリア、2023年11月撮影) © UNICEF_UNI492526_Al-Khederデリゾールのユニセフが再建した学校で、授業を受ける11歳のアルマさん。(シリア、2023年11月撮影) © UNICEF_UNI492526_Al-Kheder

シリアにおいてユニセフは、540万人の子どもを含む850万人に必要不可欠なライフラインを提供するため、2024年に4億170万米ドルの資金を要請しています。最も資金を必要とするのは水と衛生、保健、教育分野で、子どもの保護も引き続き最優先課題です。

 

ラッセル事務局長は次のようにも述べています。「被災したトルコの子どもたちの状況は改善し続けていますが、まだやるべきことはたくさんあります。シリアでは、子どもと家族の人道的状況は悪化の一途をたどっています。教育、水・衛生システムといった必要不可欠なサービスを復旧させるための人道的努力とリソースをもっと提供しなければ、シリアの子どもたちは、剥奪と危機の悪循環に直面し続けるでしょう」



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■ ユニセフについて

ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念をさまざまな形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています。 https://www.unicef.or.jp/

※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます

 

■ 日本ユニセフ協会について

公益財団法人 日本ユニセフ協会は、33の先進国・地域にあるユニセフ国内委員会の一つで、日本国内において民間で唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 https://www.unicef.or.jp/

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会社概要

公益財団法人日本ユニセフ協会

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URL
http://www.unicef.or.jp
業種
官公庁・地方自治体
本社所在地
東京都港区高輪4-6-12 ユニセフハウス
電話番号
03-5789-2016
代表者名
赤松良子
上場
未上場
資本金
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設立
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