ウクライナ戦闘激化から2年:計5千時間(約7カ月)を地下シェルターで過ごす子も-14歳~34歳の4分の3に心理的サポートが必要【プレスリリース】

ドネツクから親戚のいるドニプロへ向かうバスに乗る10歳のミキータさんと6歳のセルヒーさん兄弟。避難する前日にユニセフから受け取った冬服を着用している。(ウクライナ、2024年1月撮影) © UNICEF_UNI522096_Filippovドネツクから親戚のいるドニプロへ向かうバスに乗る10歳のミキータさんと6歳のセルヒーさん兄弟。避難する前日にユニセフから受け取った冬服を着用している。(ウクライナ、2024年1月撮影) © UNICEF_UNI522096_Filippov

【2024年2月23日 ジュネーブ/キーウ発】


ウクライナの戦闘最前線の都市に暮らす子どもたちが、空襲警報が鳴る中で地下や地下鉄の駅に避難を余儀なくされた時間は、この2年間で3,000時間から5,000時間に上り、これは4カ月からほぼ7カ月に相当します。


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2022年2月に戦争が激化して以来、ザポリージャ州とハルキウ州では約3,500回、ドネツク州では約6,200回の空襲警報が出るなど、執拗な攻撃が子どもたちのメンタルヘルスと学習に壊滅的な影響を与えています。

 

キーウの地下鉄のホームに座り込む家族。3日前に爆撃を受けた隣の家の破片が自宅に直撃し、危険を感じた一家はシェルターに避難した。(ウクライナ、2024年1月撮影) © UNICEF_UNI498552_Filippovキーウの地下鉄のホームに座り込む家族。3日前に爆撃を受けた隣の家の破片が自宅に直撃し、危険を感じた一家はシェルターに避難した。(ウクライナ、2024年1月撮影) © UNICEF_UNI498552_Filippov

激しい攻撃によって、多くの家庭が暖房や水、電気を利用できなくなったため、何千人もの子どもが、寒くてじめじめした地下室に避難しなければならず、冬場はとりわけ悲惨です。

 

ユニセフ(国連児童基金)事務局長のキャサリン・ラッセルは、次のように述べています。「ウクライナでの戦争は、子どもたちの子ども時代を荒廃させ、メンタルヘルスと学習能力に大打撃を与えています。彼らは2年間にわたり、暴力、孤立、家族との別離、愛する人の死、避難生活、そして学校教育や保健医療の中断を経験してきました。この悪夢は終わらせなければなりません。爆撃が続くため、ウクライナの子どもたちには攻撃がもたらす苦痛やトラウマから回復する機会がほとんどありません。サイレンや爆発のたびに、さらなる不安が襲ってきます。教育は、子どもたちの生活における希望、機会、安定の柱です。しかし、ウクライナの何百万人もの子どもにとって、教育は中断されているか、継続していても受けられないような状態が続いているのです」

 

戦争の子どもへの心理的影響は広範囲に及んでいます。調査データによると、13歳から15歳の半数が睡眠に問題を抱え、5人に1人が心的外傷後ストレス障害の典型的な症状である侵入思考やフラッシュバックを訴えています。最近、14歳から34歳の子どもと若者の4分の3が、情緒的または心理的なサポートが必要だと回答しています。しかし、助けを求めたのは3分の1以下でした。

 

ハルキウの地下鉄の駅構内で、授業を受ける子どもたち。(ウクライナ、2023年11月撮影) © UNICEF_UNI520759_Filippovハルキウの地下鉄の駅構内で、授業を受ける子どもたち。(ウクライナ、2023年11月撮影) © UNICEF_UNI520759_Filippov

ウクライナ各地の親に聞いたところ、子どもたちの間で、不安、過度な心配、恐怖症、悲しみの度合いが高まる、学校での関わりが低下する、大きな音に敏感になる、睡眠に問題を抱えるといった現象が見られています。子どもに対する親のサポートが最も必要な時期に、調査対象の親の半数が、子どもをサポートするのに苦労していると伝えています。

 

ウクライナ全土の子どもの40%が、施設がないために継続的に教育を受けることができません。最前線に近い地域では、学齢期の子どもの半数が教育を受けることができません。最新のデータによると、2022年の学習格差は2018年に比べて広がり、その差は読解で2年分、数学で1年分の損失に相当します。

 

2年前の戦争の激化以来、ユニセフはウクライナでの活動を拡大し、現在、キーウ、リヴィウ、オデーサ、ドニプロ、ポルタヴァ、ミコライウ、ハルキウに拠点を置き、子どもと家族たちに人道支援ときわめて重要なサポートを提供しています。

 

ウクライナでのユニセフの活動は、子どもたちが保健ケア、予防接種、栄養支援、保護、教育、安全な水と衛生サービス、社会的保護、メンタルヘルスと心理社会的な支援を受けられるようにすることに重点を置いています。

 

難民の受け入れ国でユニセフは、政府、自治体および現地のパートナーと連携し、難民の子どもや受け入れコミュニティから取り残された子どもに、質の高い教育や保健医療、保護を提供する国内体制を強化しています。

 

「人道原則、国際人道法、国際人権法は守られなければなりません。子どもたちには立ち直るきっかけが必要であり、その最善の方法は、この戦争を終わらせることです」とラッセル事務局長は付け加えました。

 


■ ユニセフについて

ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念をさまざまな形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています。 https://www.unicef.or.jp/

※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます

 

■ 日本ユニセフ協会について

公益財団法人 日本ユニセフ協会は、33の先進国・地域にあるユニセフ国内委員会の一つで、日本国内において民間で唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 https://www.unicef.or.jp/

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会社概要

公益財団法人日本ユニセフ協会

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URL
http://www.unicef.or.jp
業種
官公庁・地方自治体
本社所在地
東京都港区高輪4-6-12 ユニセフハウス
電話番号
03-5789-2016
代表者名
赤松良子
上場
未上場
資本金
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設立
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