2022年の5歳未満児死亡数490万人-歴史的低水準も、未だ6秒に1人が死亡【プレスリリース】

ユニセフ主導の機関間グループ、新報告書発表

首都ウランバートルの保健所で、MR(はしか・風しん混合)ワクチンの接種を受ける2歳のアマルボルトちゃん。(モンゴル、2024年1月12日撮影) © UNICEF_UNI502131_Bayasgalan首都ウランバートルの保健所で、MR(はしか・風しん混合)ワクチンの接種を受ける2歳のアマルボルトちゃん。(モンゴル、2024年1月12日撮影) © UNICEF_UNI502131_Bayasgalan

【2024年3月13日 ジュネーブ/ニューヨーク/ワシントン発】


ユニセフ(国連児童基金)が主導する国連の子どもの死亡率推計に関する機関間グループ(UN IGME)が発表した最新の報告書の推計値によると、5歳の誕生日を迎える前に死亡した子どもの数は歴史的な低水準に達し、2022年には490万人にまで減少しました。


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ユニセフ事務局長のキャサリン・ラッセルは、次のように述べています。「この数字の裏には、母親が新生児を安全に出産できるよう支援する助産師や熟練した保健医療従事者、致命的な病気から子どもを守るワクチン接種を行う保健スタッフ、子どもが適切な保健・栄養支援を受けられるよう家庭を訪問するコミュニティの保健スタッフたちの活躍があります。低コストで質の高い、効果的な保健サービスを子どもたちに届けるために、個人、地域社会、そして国が何十年にもわたって取り組んできた結果、私たちは命を守るための知識と手段を手にしたのです」

 

報告書は、2000年以降、世界の5歳未満児の死亡率が51%減少し、これまでになく多くの子どもが5歳を越えて生存していることを明らかにしています。低所得国・下位中所得国の中にはこの減少率を上回る国々もあり、子どもの健康とウェルビーイングを含むプライマリ・ヘルスケアに十分なリソースが配分されれば、前進が可能であることを示しています。例えば、カンボジア、マラウイ、モンゴル、ルワンダは、2000年以降、5歳未満児の死亡を75%以上削減しています。

 

定期的に自宅を訪問する医師に健康状態を診てもらう5歳のラファエルちゃん。(マラウイ、2024年2月23日撮影) © UNICEF_UNI525061_Mmina_Elephant Media定期的に自宅を訪問する医師に健康状態を診てもらう5歳のラファエルちゃん。(マラウイ、2024年2月23日撮影) © UNICEF_UNI525061_Mmina_Elephant Media

しかし、このような進展にもかかわらず、予防可能な子どもや若者の死をすべて防ぐには、まだ長い道のりがあることも調査結果は示しています。5歳未満で失われた490万人(その半数近くは新生児)の命に加え、5歳から24歳までの210万人の子どもと若者の命も奪われました。これらの死者のほとんどは、サハラ以南のアフリカと南アジアに集中しています。

 

このような痛ましい死は、主に早産、出産前後の合併症、肺炎、下痢症、マラリアなど、予防または治療可能な原因で起きています。予防接種の実施、および出産・予防接種・早期かつ継続的な母乳育児の支援・小児疾患の診断と治療に関する熟練した医療従事者の確保など、必要不可欠で低コストの介入を含む、質の高いプライマリ・ヘルスケアへのアクセスが改善されていれば、多くの命を救うことができたはずです。

 

質の高い保健サービスへのアクセスを改善し、予防可能な死から子どもたちの命を守るには、プライマリ・ヘルスケアを提供する保健スタッフ(コミュニティの保健スタッフを含む)の教育、雇用、適正な労働条件への投資が必要です。


自宅を訪問する看護師に脈拍と酸素飽和度を計測してもらう5歳のアントニアちゃん。3歳のときに肺炎になったため合併症のリスクが高く、定期的な健診が必要。(ルーマニア、2024年2月28日撮影) © UNICEF_UNI533024_Cepoi自宅を訪問する看護師に脈拍と酸素飽和度を計測してもらう5歳のアントニアちゃん。3歳のときに肺炎になったため合併症のリスクが高く、定期的な健診が必要。(ルーマニア、2024年2月28日撮影) © UNICEF_UNI533024_Cepoi

信頼できる地域社会の一員として、コミュニティの保健スタッフは、予防接種、致命的だが予防可能な疾病の検査と投薬、栄養サポートなど、命を守る保健サービスをあらゆる地域の子どもや家族に届ける重要な役割を担っています。彼らはプライマリ・ヘルスケアの制度に組み込まれているべきであり、かつ適正な報酬を受け取り、十分な訓練を積み、最高品質のケアが提供できる環境にあるべきなのです。

 

子どもの生存率向上のためのコミュニティを基盤とした支援が、必要な人々に行き届くようになれば、最もリスクの高い国々での子どもの死亡数を大幅に減少させられることが調査で示されました。この支援策だけでも数百万人の子どもを救うとともに、より身近なところでケアを提供することができます。子どもの健康と生存率を向上させるためには、小児期の疾病、特に乳児期死亡の主な原因である急性呼吸器感染症、下痢症、マラリアの包括的な管理が必要です。

 

世界全体の数値が喜ばしい進展の兆しを見せる一方で、世界各地には、子どもの生存を脅かす深刻な脅威や不公平も存在しています。こうした脅威には、不公平の拡大や経済の不安定化、新たに勃発したり長期化したりする紛争、増大する気候変動の影響、新型コロナウイルス感染症の影響などがあります。それらは進展の停滞、あるいは反転につながりかねず、子どもたちの命が無駄に失われ続けることになります。最貧困世帯に生まれた子どもは、最富裕世帯の子どもと比べて5歳未満で死亡する割合が2倍高く、脆弱な環境や紛争の影響を受ける環境で暮らす子どもは、他の地域の子どもと比べて5歳の誕生日を迎える前に死亡する割合が3倍近く高くなっています。

 

アルタベラパス県の村で、自宅の外にある手洗い場で手を洗う11歳のレイディさん(右)と3歳のエイミーちゃん(左)。(グアテマラ、2024年2月28日撮影)© UNICEF_UNI535078_Willocqアルタベラパス県の村で、自宅の外にある手洗い場で手を洗う11歳のレイディさん(右)と3歳のエイミーちゃん(左)。(グアテマラ、2024年2月28日撮影)© UNICEF_UNI535078_Willocq

現在の進捗ペースでは、59カ国がSDGs(持続可能な開発目標)の5歳未満児死亡率の目標を達成できず、64カ国が新生児死亡率の目標を達成できません。つまり、2030年までに推定3,500万人の子どもが5歳の誕生日を迎える前に死亡することになり、その犠牲の大部分はサハラ以南のアフリカや南アジア、あるいは低所得国・下位中所得国の家族が負うことになります。

 

本報告書はまた、特に死亡率の高いサハラ以南のアフリカと南アジアにおいて、データに大きな空白があることを指摘しています。子どもの生存と健康をよりよく追跡・把握するためには、家計調査、保健管理情報システム(HMIS)を通じた出生・死亡登録、住民登録・人口動態統計(CRVS)を通じた死亡率や健康に関する指標など、データと統計システムの改善が必要です。


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■ユニセフについて 

ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念をさまざまな形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています。 https://www.unicef.or.jp/

※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます 

 

■日本ユニセフ協会について 

公益財団法人 日本ユニセフ協会は、33の先進国・地域にあるユニセフ国内委員会の一つで、日本国内において民間で唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 https://www.unicef.or.jp/

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会社概要

URL
http://www.unicef.or.jp
業種
官公庁・地方自治体
本社所在地
東京都港区高輪4-6-12 ユニセフハウス
電話番号
03-5789-2016
代表者名
赤松良子
上場
未上場
資本金
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設立
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