第24回『このミステリーがすごい!』大賞決定! 受賞者は40ヵ国を旅した海外絨毯の買い付け人

舞台は紫禁城! 元皇帝と日本人絵師が謎を解く連作ミステリー

株式会社 宝島社

株式会社宝島社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:関川誠)が主催する、第24回 『このミステリーがすごい!』大賞の受賞作が決定しました。

 応募総数461作品の中から、1次選考(22作品)、2次選考(8作品)を経て、第24回『このミステリーがすごい!』大賞は、犬丸幸平(いぬまる・こうへい)氏の『龍犬城(りゅうけんじょう)の絶対者』が受賞しました。また、文庫グランプリには、四島祐之介(ししま・ゆうのすけ)氏の『アナヅラ様の穴場』と、宮島明道(みやじま・あけみち)氏の『馬と亀』が選ばれました。大賞賞金は1200万円、文庫グランプリ賞金は200万円(均等に分配)で、同3作品は2026年1月から順次、書籍化する予定です。

 受賞者のインタビューも可能ですので、ぜひ取材をご検討いただけますと幸いです。『このミステリーがすごい!』大賞は、これからも新しい作家・作品を発掘・育成し、業界の活性化に寄与してまいります。

★大賞 犬丸幸平 『龍犬城の絶対者(仮)』 2026年1月刊行予定 賞金1200万円

■紫禁城で起こる事件に、元皇帝と日本人絵師が挑む!

【あらすじ】

1920年、中華民国。北京在住で水墨画を描いて収入を得る日本人・一条剛は、紫禁城に住む元皇帝に水墨画の先生として雇われる。しかし実際は、城に眠る水墨画を贋作にすり替えて真作を秘密裏に売却し、清朝復興のための資金を調達する目的で雇われたのだった。一条は元皇帝と、側近の翁斎とともに、贋作作りを開始。身勝手な元皇帝に辟易する一条だったが、側近の一人、宝斎が密室で腹の肉を削がれ死亡していた事件を皮切りに、一条は元皇帝とさまざまな謎を解き明かし、ふたりは友情を育むが……。

〈選評〉

・少年廃帝と若き日本人絵師との交流を軸にした日常描写は魅力たっぷり。この時代のこの場所をピンポイントで選んだ着眼はすばらしく、たいへんユニークな歴史ミステリーに仕上がっている。(大森望/翻訳家・書評家)

・過酷な運命を強いられた少年皇帝と異郷で孤立しがちな若き日本人画家の絆が育まれていくありさまが素晴らしい。(香山二三郎/コラムニスト)

・当時の紫禁城を知らない読者とほぼ同じ目線の主人公のため、物語世界に入りやすい。連作形式で謎もバリエーションに富んでおり、かつ、この舞台ならではの謎となっている。(瀧井朝世/ライター)

【著者:犬丸幸平(いぬまる・こうへい) プロフィール】

1994年5月、大阪府箕面市生まれ、神奈川県川崎市在住。京都産業大学英米語学科卒業。大学時代はバックパッカーで、中東、南米、アフリカなどを中心に約40ヵ国を訪問。現在は、パキスタンの絨毯の買い付けをしている。趣味は筋トレ。推理小説を読むきっかけになった漫画『名探偵コナン』の連載開始年に生まれ、誕生日は5月7日(コナン)。

【受賞コメント】

締切2ヵ月前、浅田次郎先生の『蒼穹の昴』を読み、胸が熱くなった。

私も清朝を舞台にした小説に挑戦したいと思いました。いつもの自分なら時間や実力を言い訳にして諦めていたかもしれません。しかし春児(『蒼穹の昴』の主人公)が、何度も助けてくれた。彼が自分の未来をその手で切り開いたように、私も小説家になるという不確かな夢を自分の手で切り開きたかった。小説には人の心を動かす力があると信じています。

★文庫グランプリ 宮島明道 『馬と亀(仮)』 賞金100万円

【あらすじ】

小金井警察署盗犯係の新米刑事は、ゲームセンターで起きた盗難事件を捜査するかたわら、連続車上荒らしの犯人として未成年の女性二人を逮捕した。彼女たちはある大学生サークルに犯行を強要されていたという。一方、組織対策係の悪徳刑事は、違法風俗店に対するガサ入れの情報を漏らして運営者を逃がすが、その現場には三人の大学生もいた――。事件を追う者と事件を隠す者、対照的な二人の運命がクライマックスで交差する。

〈選評〉

・タイトルロールの二人がコンビを組むのではなく、なかなか出会わないところがポイント。小さそうな事件が次第に大きな意味を持つようになる展開や、対戦格闘ゲームとの関わりも面白い。(大森望/翻訳家・書評家)

・小金井警察署盗犯係・馬場みどりの成長劇と同組織対策係・亀井忠之の転落劇を交錯させたドラマがキモだ。(香山二三郎/コラムニスト)

・同時進行していく複数の出来事もすべて引き込まれるし、性被害にあった女性たちの尊厳を守ろうとする刑事たちの姿には感動すらした。(瀧井朝世/ライター)

【著者:宮島明道(みやじま・あけみち)プロフィール】

1980年3月生まれ。東京都立川市在住。高校時代からDJの練習をし、DMCでは二度日本チャンピオンに輝く。2003年からDJ教室「宮島塾」を経営。日本スクラッチ会の至宝と称される。座右の銘は「継続は力なり」。

【受賞コメント】

この度、大変名誉な賞を与えてくださった選考委員の皆さんと編集部の皆さんに心からの感謝を述べたいです。ここまではDJとして音楽と共に生きてきましたが、四十代半ばでとても嬉しい分岐点が訪れました。これで天国に行くときに「僕の人生は楽しかった」と胸を張って言えることが確定しました。ありがとうございます。これからも物語を書き続けながら、まるで物語のような自分の人生を大股で歩んでいきます。

★文庫グランプリ 四島祐之介 『アナヅラ様の穴場(仮)』 賞金100万円

【あらすじ】

顔に穴があいた異形の者が女性をさらって、その穴の中に吞み込んでしまう。つけられた名は“アナヅラ様”。――温泉を名物とする地方都市で、女性の行方不明者が続出するなか、そんな噂が囁かれるようになった。探偵・小鳥遊穂香は依頼を受け、調査を開始する。一方、“アナヅラ様”と呼ばれる一連の事件の犯人は窮地に陥っていた。彼の犯行の一部が、ヤクザにバレたのだ。ヤクザたちは、車ごと被害者を消したアナヅラ様を利用して、死体処理を請け負わせようとするが……。

〈選評〉

・“死体を穴に捨てる話”というのは珍しくないが、まさか穴の方に着目してこんな方向に転がすとは。サプライズを交えつつ、ミステリーとホラーの中間領域を大胆に開拓する。(大森望/翻訳家・書評家)

・穴という巨大な利権の争奪劇を呈していく異色作。リーダブルでヒロイン穂香のぶっ壊れキャラもよし。(香山二三郎/コラムニスト)

・寓話的なホラー寄りの話として読んだ。探偵役の女性は魅力的だし、意外な展開が待っていて高評価。(瀧井朝世/ライター)

【著者:四島祐之介(ししま・ゆうのすけ)プロフィール】

1990年5月生まれ。栃木県宇都宮市出身、東京都江戸川区在住。高校卒業後は、声優養成所、ITエンジニアの職業訓練校に通う。雑誌・Web編集、広告代理店、ITエンジニアを経て、現在はフロントエンドエンジニアとしてウェブサイトの作業全般に携わる。特技はサウナに長く入ること。

【受賞コメント】

小説を書こうと最初に思い立ったのは、確か二十代の前半でした。それまで読書すらろくにしなかった自分が、「書くためにはさすがに読まないとな…」と、勉強のために渋々(昔から勉強が嫌いでした)本を読み始め、すっかり読書にハマり、執筆も楽しくなっていき、紆余曲折の末、この度『このミス』大賞の文庫グランプリを受賞することができました。選考に携わってくださった全ての方に、心より感謝申し上げます!

※受賞者の生年月は、年齢の確認にのみご使用ください

※刊行時、タイトルが変わる場合があります

■『このミステリーがすごい!』大賞とは?

ミステリー&エンターテインメント作家・作品の発掘・育成を目的に、2002年に創設した新人賞です。これまで、第153回直木賞受賞者の東山彰良氏や、累計1080万部突破の「チーム・バチスタの栄光」シリーズの海堂尊氏、音楽ミステリー『さよならドビュッシー』や社会派ミステリー『護られなかった者たちへ』で知られる中山七里氏などの作家を輩出してきました。さらに、受賞には及ばなかったものの、将来性を感じる作品を「隠し玉」として書籍化。累計250万部を突破した岡崎琢磨氏の「珈琲店タレーランの事件簿」シリーズをはじめ、映画化もされた志駕晃氏の「スマホを落としただけなのに」シリーズなど、「隠し玉」からもベストセラー作品が多く生まれています。

過去の受賞作には、ミリオンセラー作品や映像化作品が!

第4回大賞受賞 『チーム・バチスタの栄光』

シリーズ累計1080万部突破! 2008年~映画化&ドラマ化

海堂 尊(かいどう・たける) 

1961年、千葉県生まれ。医学博士。

第4回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、2006年に『チーム・バチスタの栄光』でデビュー。2008年から2014年にかけて、同シリーズが映画化&連続ドラマ化。

 

第8回大賞受賞 『さよならドビュッシー』 

2013年~映画化&ドラマ化! シリーズ累計185万部突破

中山七里(なかやま・しちり) 

1961年、岐阜県生まれ。第8回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、2010年に『さよならドビュッシー』でデビュー。2013年には橋本愛主演で同作が映画化。2016年には黒島結菜・東出昌大主演でドラマ化。2021年10月には『護られなかった者たちへ』が佐藤健主演・阿部寛共演で映画化。

 

第17回大賞受賞 『怪物の木こり』  

2023年12月映画化!

倉井眉介(くらい・まゆすけ)  

1984年生まれ。帝京大学文学部心理学科卒業。学生時代より社会心理学、発達心理学などに興味を持つ。ガスボンベの管理会社で作業員として働いていたところ第17回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、2019年に『怪物の木こり』でデビュー。

第19回大賞受賞 『元彼の遺言状』

2022年月9ドラマ化! シリーズ累計100万部突破

新川帆立(しんかわ・ほたて) 

1991年2月生まれ。アメリカ合衆国テキサス州ダラス出身、宮崎県宮崎市育ち。東京大学法学部卒業後、弁護士として勤務。第19回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、『元彼の遺言状』で2021年にデビュー。現在は専業作家として活動。

第10回隠し玉 『珈琲店タレーランの事件簿』 

シリーズ累計250万部突破!

岡崎琢磨(おかざき・たくま)  

1986年、福岡県生まれ。京都大学法学部卒業。第10回『このミステリーがすごい!』大賞・隠し玉として2012年に『珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を』でデビュー。同書は2013年、第1回京都本大賞に選ばれた。

第15回隠し玉 『スマホを落としただけなのに』

2018年、2020年、2024年映画化! シリーズ累計110万部突破

 

志駕 晃(しが・あきら)  

1963年生まれ。神奈川県横浜市在住。明治大学商学部卒業。ニッポン放送入社後、『ウッチャンナンチャンのオールナイトニッポン』『中居正広のSome girl’SMAP』など多数のラジオ番組制作に関わる。第15回『このミステリーがすごい!』大賞・隠し玉として2017年に『スマホを落としただけなのに』でデビュー。

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業種
情報通信
本社所在地
東京都千代田区一番町25番地
電話番号
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代表者名
関川誠
上場
未上場
資本金
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設立
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