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公益財団法人日本ユニセフ協会
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熱波・高温に襲われる南アジア:気候変動の影響で幼い子どもの命が危険に【プレスリリース】

ユニセフが警鐘

公益財団法人日本ユニセフ協会

全国的な熱波に見舞われる中、日傘で対策する親子。(バングラデシュ、2024年5月17日撮影) © UNICEF_UNI579538_全国的な熱波に見舞われる中、日傘で対策する親子。(バングラデシュ、2024年5月17日撮影) © UNICEF_UNI579538_

【2024年5月23日 ニューデリー/カトマンズ発】


ユニセフ(国連児童基金)南アジア地域事務所代表のサンジャイ・ウィジェセケラは、南アジア地域が熱波に襲われる中、熱中症や脱水症状から子どもたちを守るよう呼びかける声明を発表しました。以下はその概要です。


* * *


南アジアのいくつかの国々が猛烈な熱波に襲われており、ユニセフは乳幼児の健康と安全を深く憂慮しています。

 

インド気象局発出の5月20日の熱波警報によると、デリーを含むインド北部の多くの州で、19日に気温が摂氏43~47度まで急上昇しました。パキスタン気象局は、5月23日から27日まで強烈な熱波が予想される、と注意喚起しています。同国パンジャブ州政府は5月25日から31日まで学校を休校することとしました。

 

気温が摂氏50度に達する地域もあり、干上がった地面にひびが入っている。(パキスタン、2023年5月撮影) © UNICEF_UN0847819_Haro気温が摂氏50度に達する地域もあり、干上がった地面にひびが入っている。(パキスタン、2023年5月撮影) © UNICEF_UN0847819_Haro

南アジア全域で気温が急上昇しているため、防暑や水分補給を怠ると、何百万人の子どもの健康が危険にさらされます。おとなと違って、子どもは気温の変化に素早く適応することができません。過剰な熱を体の外に出すことができないため、脱水症、体温上昇、心拍数上昇、けいれん、ひどい頭痛、混乱、失神、昏睡などの状態に陥る可能性があります。

 

脱水症状は、熱中症や下痢の原因となるほか、慢性呼吸器疾患や腎不全などの臓器機能障害のリスクや、先天性欠損症による慢性的な疾患のリスクを高めます。

 

極端な気温に長時間さらされると、子どもの脳の発達が妨げられます。これは学習能力、記憶力、集中力の低下につながり、子どもの将来に影響が及ぶ可能性があります。暑さの影響を特に受けやすい妊婦は、切迫早産、早産、流産や死産という大きなリスクを抱えています。また、未熟児として生まれた赤ちゃんが命を落とすこともあります。

 

子どもたちが暑さから身を守るのには、おとなが頼りです。そのためユニセフは、保護者や養育者に、一日を通して子どもの水分補給に特に注意を払うよう、呼び掛けています。

 

子どもを熱関連の疾病から守るためには、のどが渇いていないか、汗をかいていないか、熱っぽくないか、嘔吐していないか、口の中が乾いてネバネバしていないか、頭痛がないかなどを定期的にチェックする必要があります。ゆったりとした服を着せることも大切です。

 

ホースト州の村に流れている川に、祖父母と一緒に水を汲みに行く6歳のヌーバラさん。夏は炎天下でも毎日2時間かけて水を汲みに行き、ロバの背に載せて運んでいる。(アフガニスタン、2023年6月撮影) © UNICEF_UNI399211_Bidelホースト州の村に流れている川に、祖父母と一緒に水を汲みに行く6歳のヌーバラさん。夏は炎天下でも毎日2時間かけて水を汲みに行き、ロバの背に載せて運んでいる。(アフガニスタン、2023年6月撮影) © UNICEF_UNI399211_Bidel

幼い子どもには氷のうや扇風機、霧吹きなどで、また年長の子どもには冷水浴で体温を下げると効果的です。もし、子どもに正常な反応がなかったり、高熱が出たり、めまいの症状があったり、呼吸が速かったりする場合には、最寄りの医療施設に連れて行くべきです。

 

南アジアは、他のすべての地域と比較して、極端な高温にさらされた子どもの割合が最も高いため、こうした措置は必須です。2020年のデータに基づくユニセフの分析によると、南アジアの18歳未満の子どもの76%に当たる4億6,000万人が、1年に83日間以上、摂氏35度を超える極端な高温にさらされています。また、ユニセフの推計によると、年に4.5回以上の熱波に見舞われる子どもの割合は、世界全体では24%のところ、南アジア全域では28%でした。

 

ユニセフはまた、地域で子どもの健康を守っている保健員に対し、妊婦や子どもの熱ストレスの症状を見逃さず、迅速に治療するよう呼び掛けています。最前線で働く保健医療スタッフだけでなく、親や家族、養育者、地元自治体の方々は、妊婦、新生児、子どもを酷暑から守るため、以下のことに日頃から取り組んでください。

  • 熱ストレスがどのようなものかを理解し、緊急時にどのような行動を取るべきかを知り、また予防策を講じることで、自分自身と子どもたちを守る。

  • さまざまな熱関連疾患の症状の知識を予め備えておき、熱ストレスで体調が悪くなった妊婦や子どもの症状を、難なく特定できるようにする。

  •  患者を目の前にした場合は、直ちに応急処置をする。そのために、短時間で体温のバランスを取り戻すための応急処置方法を予め学んでおく。

  • 熱ストレスの症状、特に熱中症の兆候を即座に見分け、患者を保健医療施設に連れて行くようにする。

 

ユニセフは、バングラデシュで4月に強烈な熱波が発生した際、気温上昇が子どもたちに与える影響について懸念を表明していました。バングラデシュ政府は当時、数週間にわたって公立小学校を休校せざるをえず、3,000万人の子どもの教育に影響が及びました。同国の保健当局は、ユニセフの支援を受けて、幼い子どもの深刻な熱ストレスなど、暑さに関連するリスクに対応するためのガイドラインを発表しました。

 

ユニセフが2021年に発表した「子どもの気候危機指数(CCRI)」によると、アフガニスタン、バングラデシュ、インド、パキスタンの子どもは、気候変動の影響を受ける「極めて高いリスク」にさらされています。子どもたちを守るために、私たちおとなにはできることがもっとありますし、行動しなければなりません。

 

* * *


■ ユニセフについて

ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念をさまざまな形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています。 https://www.unicef.or.jp/

※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます

 

■ 日本ユニセフ協会について

公益財団法人 日本ユニセフ協会は、33の先進国・地域にあるユニセフ国内委員会の一つで、日本国内において民間で唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 https://www.unicef.or.jp/

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官公庁・地方自治体
本社所在地
東京都港区高輪4-6-12 ユニセフハウス
電話番号
03-5789-2016
代表者名
赤松良子
上場
未上場
資本金
-
設立
-
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