B-DASHプロジェクト実証研究施設が完成(リン吸着バイオ炭によるリン回収および炭素貯留技術実証研究)(ニュースリリース)
大和ハウスグループの株式会社フジタ(代表取締役社長:奥村洋治、本社:東京都渋谷区)が代表機関を務める「(株)フジタ・住友重機械エンバイロメント(株)・東北大学・国際農林水産業研究センター・福山市共同研究体」は、国土交通省の令和5年度補正下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト(※1))で採択された「リン吸着バイオ炭によるリン回収および炭素貯留技術実証研究」の実証研究施設を福山市松永浄化センター内に建設し、7月14日に完成式を行いました。
※1 国土交通省ホームページ「下水道革新的技術実証事業」について
https://www.mlit.go.jp/mizukokudo/sewerage/mizukokudo_sewerage_tk_000450.html
国土交通省国土技術政策総合研究所 下水処理研究室 下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)
https://www.nilim.go.jp/lab/ecg/bdash/bdash.htm

■実証事業の概要
研究名称:リン吸着バイオ炭によるリン回収および炭素貯留技術実証研究
実施期間:令和6年度~(令和6年6月8日~)
実施者:(株)フジタ・住友重機械エンバイロメント(株)・東北大学・国際農林水産業研究センター・福山市共同研究体
実証場所:広島県福山市松永浄化センター
実証技術:木質バイオマスガス化発電の副生炭または下水汚泥炭化物を原料に製造するリン吸着バイオ炭を用いて脱水ろ液からリンを回収することで、より安定的かつ経済的に下水汚泥資源の肥料利用を図る技術について実証する。
■実証研究施設
実証研究施設は、「リン回収建屋」と「炭化装置建屋」の2棟で構成しています。リン回収建屋では、リン吸着バイオ炭製造装置により製造した「リン吸着バイオ炭」を用い、リン回収装置にて下水汚泥の脱水ろ液からリンを回収し、「リン含有バイオ炭」を生産します。一方、炭化装置建屋では、汚泥炭化装置により、脱水汚泥を乾燥、炭化し、リン吸着バイオ炭の原料として活用可能かを検証します。
■ 実証研究の背景
気候変動や世界情勢が緊迫化する中、食料安全保障上の課題として、輸入に依存している肥料の国内資源への代替転換が強く求められています。中でも下水資源には希少なリンを多く含みますが、施設整備等のコストが高いなどの課題があり、普及拡大には至っていません。
本実証研究は、バイオ炭を原料に下水からリンを回収し肥料に変えることで、安定的かつ経済的に、貴重なリン資源の地域循環と脱炭素社会を実現する、国内初の試みになります。
■ 実証技術の特徴
・回収物(リン含有バイオ炭)は肥料効果に加え、土壌改良や炭素貯留等の多様な機能を有します。
・汚泥処分費を縮減し、多機能な土壌改良材兼肥料として収益改善が期待できます。
・低アンモニア濃度(汚泥消化設備を有さない)の自治体においても適用可能です。
・地域の未利用資源を有効活用することで、地域全体に新たな産業モデルを創出できます。
■ 今後の取り組み
令和6年度は、実証施設の整備とともに、各装置の動作確認を実施しました。令和7年度は、季節変動などが装置の性能や製品の品質に与える影響を検証、評価します。また、生産した肥料を農地に適用し、作物の生育や、温室効果ガスの抑制効果なども検証する予定です。実証研究をきっかけに派生する取り組みを、福山市を含めた7市2町で構成する備後圏域へと展開し、その成功モデルを日本全国、さらには世界へと広く発信していくことを目指してまいります。

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