紛争下のスーダンの子どもたち 77万人が重度の急性栄養不良に 【プレスリリース】
ユニセフ、持続的支援と紛争終結を訴え
【2025年1月15日 ポートスーダン発】
ユニセフ(国連児童基金)・中東・北アフリカ地域事務所代表のエドゥアルド・ベイグベデル は、紛争が続くスーダンで子どもたちが危機に瀕する状況を目にし、次の声明を出しました。
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紛争が激化するスーダンへの訪問を終えようとしている中、1月13日と14日にもオムドゥルマンで砲撃があり、少なくとも120人が死亡したとのことです。初期の報告によると、犠牲者の中には子どもたちも含まれているようです。その数日前の1月7日から8日にかけても、ハルツーム州で砲撃により23人の子どもが死亡、9人が負傷したと報告されています。 これらは、子どもたちに対する非道な暴力のほんの数例にすぎません。2023年4月に紛争が勃発して以来、壊滅的な事態とともに、数千人の子どもが命を落としたりけがを負ったりしたこと、性暴力や子どもたちの徴用・徴兵が広く報告されています。
2024年6月から12月にかけて、紛争地域が拡大する中、子どもたちに対する重大な権利侵害が600件以上報告されました。信じがたいことに、そのうち80%は死傷に関するもので、主にダルフール、コルドファン、ハルツームで発生しています。
スーダン全土で、最も弱い立場にある子どもたちに飢えと病気がまん延しています。スーダン国内の少なくとも5つの地域(北ダルフール州のザムザム、アブ・ショク、アル・サラームの各キャンプ、および西部ヌバ山脈の国内避難民のキャンプと受け入れコミュニティ)で飢きんが発生しています。5月までにさらに5つのエリアに危機が迫る見立てで、新たに17の地域で飢きんが発生する可能性があり、何十万人もの栄養不良の子どもの生存が脅かされています。
ユニセフは、2025年には5歳未満の子ども77万人が、最も深刻な栄養不良の形態である重度の急性栄養不良に苦しむだろうと推定しています。私は、こうした子どもたちが治療を受けているポートスーダンの安定化センター(stabilisation centres)を訪問しました。そして、栄養不良状態を早期に診断し、治療ケアを直ちに提供することがいかに重要であるかを目の当たりにしました。
私たちは、スーダン全土の子どもたちとその家族に支援を届けるために全力を尽くしています。2024年には、ユニセフとパートナーは、270万人の子どもとその養育者に心理社会的カウンセリング、教育、保護サービスを行いました。980万人以上の子どもとその家族に安全な飲料水を提供し、670万人の子どもたちを対象に栄養不良のスクリーニングを行い、そのうち42万2,000人に対して命を守る治療を提供しました。
現在も続く紛争により、命を守る支援物資を国内全域に届けることが非常に困難になっています。許可証の承認、検問所、委託品の検査により、輸送が大幅に遅れる可能性があることに加え、安全上の課題もあります。私たちは、子どもたちがスーダンのどこにいても、途切れることなく安全に物資にアクセスできるよう、スーダン政府およびその他の関係者に引き続き呼び掛けていきます。
紛争の終結は、スーダンの子どもたちが命を守る人道支援を受け、安心感を取り戻し、戦争の恐怖から解放された未来を再建するチャンスを得るための唯一の方法です。
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■ ユニセフ「人道危機緊急募金」ご協力のお願い
世界中で起きている紛争や武力衝突など、人道危機に苦しむ子どもたちのために、ユニセフは緊急支援を行っています。その活動を支えるため、(公財)日本ユニセフ協会は、ユニセフ「人道危機緊急募金」を受け付けております。スーダン危機の影響を受けた子どもを含む、最も支援を必要としている子どもたちとその家族に支援を届けるため、ご協力をお願い申し上げます。
https://www.unicef.or.jp/kinkyu/humanity/
■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念をさまざまな形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています。(https://www.unicef.org )
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する32の国と地域を含みます
■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、32の先進国・地域にあるユニセフ国内委員会の一つで、日本国内において民間で唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。(https://www.unicef.or.jp )
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