「マイナビ 2027年卒 企業新卒採用活動調査」を発表
初任給を引き上げた企業は89.1%、平均支給額は約23.8万円。引き上げにより「求職者へのアピール」「定着率」に効果が。「AIによる業務代替」「人件費高騰」による採用数への影響は限定的
株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:粟井俊介)は、2027 年卒業予定の学生の採用活動を行う企業を対象にした、「マイナビ 2027年卒 企業新卒採用活動調査」の結果を発表しました。本調査は、企業の新卒採用に対する意識や採用活動全体の動向を把握することを目的に、2001年(2002年卒)以来、毎年実施しています。

【TOPICS】
◆ 初任給を引き上げた企業は89.1%、3年連続で増加。企業規模に関わらず積極的な引き上げ。平均支給額は23.8万円【図1、2】
◆ 初任給の引き上げを「3年以上連続で実施」した企業が4割以上。引き上げにより「求職者へのアピール」「定着率」に効果を感じる企業が増加【図3、4、5】
◆ 就職活動における学生の生成AIの活用について8割以上の企業が肯定的。否定的な意見は減少。一方で、対応として「面接での質問内容を工夫する」企業が最多【図6、7】
◆ 27年卒の採用予定数は「前年並み」が最多。「減らした」は9.3%。「AIによる業務代替」「人件費高騰」による採用数への影響は限定的【図8、9】
【調査概要】
◆ 初任給を引き上げた企業は89.1%、3年連続で増加。企業規模に関わらず積極的な引き上げ。平均支給額は約23.8万円
2027年卒業予定の学生の採用活動を行う企業に、初任給の引き上げ状況について聞いたところ、「引き上げた」と回答した割合が89.1%で、3年連続で増加した。従業員規模別では、「300人未満(88.5%)」、「300~999人(89.7%)」、「1,000人以上(91.1%)」と、大手企業のみならず中小企業にも初任給引き上げの動きが広がっていることがうかがえる。また、平均支給額は237,903円で、3年連続で増加している。【図1、2】
【図1】

【図2】

◆ 初任給の引き上げを「3年以上連続で実施」した企業が4割以上。引き上げにより「求職者へのアピール」「定着率」に効果を感じる企業が増加
初任給の引き上げを行った企業に、「何年連続で引き上げたか」を聞いたところ、「3年以上連続(43.3%)」が4割を超えた。引き上げの理由は、「求職者へのアピールのため(59.8%)」が前年同様最も多く、次いで、「給与制度の見直しで全社員の給与を引き上げたため(49.7%)」となった。採用力強化の観点から初任給を引き上げる企業は依然として多いものの、初任給引き上げ・賃上げの動向に合わせて、全社的に給与体系を見直す企業も増えていることがわかる。引き上げによる効果については「求職者に対して効果的なアピールに成功した(応募数が増えた、内定辞退が減った等)」や「定着率が上がった・離職が減った」などが増加しており、採用や従業員のエンゲージメント向上に効果を感じている企業が増えている。【図3、4、5】
【図3】

【図4】

【図5】

◆ 就職活動における学生の生成AIの活用について8割以上の企業が肯定的。否定的な意見は減少。一方で、対応として「面接での質問内容を工夫する」企業が最多
学生が就職活動で生成AIを活用することについてどう思うか聞いたところ、「使い方を慎重に検討したうえで活用してほしいと思う(76.6%)」が最も多く、「積極的に活用してほしいと思う(8.2%)」とあわせると84.8%となった。8割を超える企業が、学生の生成AI活用に対して肯定的な見方を示している。一方で、「就職活動には利用しない方がよいと思う(9.0%)」は年々減少している。
学生の生成AI活用への対応として検討していることを聞いたところ、「面接での質問内容を工夫する(エントリーシートの内容とは異なる質問をする・深掘り質問をする等)(36.2%)」が最も多かった。前年まで最も多かった「対応の必要性を感じていないので対応する予定もない(26.8%)」は減少した。
この結果から、学生のAI利用率の高まりを受けて、企業側でも採用選考の方法を見直すなど、何らかの対応を進める動きが広がっていることがわかる。【図6、7】
【図6】

【図7】

◆ 27年卒の採用予定数は「前年並み」が最多。「減らした」は9.3%。「AIによる業務代替」「人件費高騰」による採用数への影響は限定的
27年卒の採用予定数を前年と比較すると、採用予定数を「増やした」企業は11.9%で、「前年並み」は78.8%、「減らした」は9.3%となった。「増やした」割合はやや減少傾向にあるものの、約8割の企業が採用数を維持している。
採用数を「増やした」「前年並み」と回答した理由については、「若手人材を確保したいため」が68.8%で最も多く、「慢性的な人員不足のため(35.2%)」、「前年採用できなかったため(26.9%)」などが続いた。人手不足を背景に、若手人材の確保を目的として採用数を増加・維持する企業が多いことがうかがえる。一方「減らす」と回答した企業では、「前年採用でき、充足してきたため」が53.9%で最も多くなり、前年の採用充足状況に応じて採用数を調整している様子がみられた。また、「AIによる業務代替・業務効率化が進んだため」という回答は6.4%、「初任給引き上げや賃上げによって人件費が高騰したため」は5.5%にとどまった。現時点では、AIによる業務効率化や人件費上昇が採用予定数に与える影響は限定的であることがうかがえる。【図8、9】
【図8】

【図9】

【調査担当者コメント】

今年の新卒採用でも初任給引き上げの動きは継続しており、大手企業だけでなく中小企業にも着実に波及している様子がうかがえます。一方、多くの企業が3年以上連続で引き上げを実施するなかで「これ以上の引き上げが難しい」とする企業も一部みられ、採用競争力の強化と経営・財務面のバランスに苦慮する様子もうかがえます。初任給の引き上げは、多くの学生が感じている将来やお金に対する不安の軽減につながることが期待できます。一方で、学生の企業選びは待遇面だけで決まるものではなく、企業の成長性ややりがい、社会貢献性なども重要な判断材料となります。今後は、給与水準の向上に加え、自社ならではの魅力や提供価値を総合的に伝えていく姿勢も今後重要になると考えられます。
マイナビキャリアリサーチラボ 研究員 長谷川洋介
調査概要】 マイナビ2027年卒企業新卒採用活動調査
○調査期間/ 2026年6月3日(水)~6月20日(土)
○調査方法/WEB入力フォームによる回収
○調査対象/新卒採用実績のある企業の採用担当者
○調査機関/自社調べ
○有効回答数/3,590社 (上場239社、非上場3,351社│製造1,444社、非製造2,146社)
※調査結果は、端数四捨五入の都合により合計が100%にならない場合があります。
※調査結果の詳細はこちら
(https://career-research.mynavi.jp/reserch/20260722_112587/)からご確認いただけます。
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