ハイチ、子ども 100万人が危機的食料不安に 飢きん迫るも資金削減でユニセフの活動に制約 【プレスリリース】

【2025年4月17日 ポルトープランス(ハイチ)/ニューヨーク発】
ユニセフ(国連児童基金)の推計によると、ハイチでは100万人以上の子どもが危機的なレベルの食料不安に直面しています。長引く武装暴力、繰り返される避難、人道アクセスが不足している状況が、脆弱な家庭を脅かし続けており、飢きんの危険も迫っている、とユニセフは警鐘を鳴らしています。
* * *
今週発表された総合的食料安全保障レベル分類(IPC)の最新更新情報に基づき、ユニセフは、ハイチ全土で285 万人の子ども、つまり子どもの 4 人に 1 人が、高いレベルに分類される食料不安に恒常的に直面していると推定しています。多くの家族が、続く深刻な食料不足と高水準の急性栄養不良に見舞われています。

ユニセフ・ハイチ事務所代表のギータ・ナラヤンは次のように述べています。「続く暴力、極度の貧困、そして長引く経済危機により、親が子どもにケアや栄養を与えることがもはや不可能になるという事態が想定されます。消耗症や発育阻害(スタンティング)のリスクのある子どもたちを検査し、栄養不良の子どもが確実に治療を受けられるようにするなど、子どもたちの命を守るための緊急の行動が、今、必要です」
食料不安の高まりとともに、ハイチでは公衆衛生上の緊急事態も深刻化しており、推定 8,400 人が飢きんに近い状態に陥っています。ポルトープランスでは完全に機能している保健医療施設は 50% 未満しかなく、主だった公立病院の 3 分の 2 が稼働していないなど、国内の保健医療サービスは極めて切迫した状況にあります。
子どもたちへの影響は著しく、ヘルスケアや命を守る治療を受けることがますます難しくなり、さまざまな形態の栄養不良や予防可能な病気に陥るリスクが高まっています。
国のほとんどの地域で、武装暴力により子どもたちに食料が行き渡ることが妨げられています。高まる食料不安と情勢不安の中、この危機は多くの家庭に栄養危機を招く結果をもたらしています。
しかし、ニーズが高まる一方で、資金不足により支援活動はますます困難になっています。ユニセフの「子どもたちのための人道支援計画」の栄養プログラムの資金は、現在 70%も不足しており、最も脆弱な立場に置かれている子どもたちに支援を届ける活動に制約がかかっています。
2025年に入ってから、ユニセフとそのパートナーは、4,600人以上の重度急性栄養不良(SAM)の子どもを治療しましたが、これは、年内に命を守る治療を必要とする推定12万9,000人の子どものうち、わずか3.6%にすぎません。
* * *
■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念をさまざまな形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています。(https://www.unicef.org )
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する32の国と地域を含みます
■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、32の先進国・地域にあるユニセフ国内委員会の一つで、日本国内において民間で唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。(https://www.unicef.or.jp )
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像