ユニセフ事務局長、ローマ教皇と会談 対外援助削減や子どもの権利保護の弱体化を受け 国際社会の結束を訴え 【プレスリリース】

教皇レオ14世と会談するユニセフ事務局長キャサリン・ラッセル(バチカン、2025年10月6日撮影)©Vatican Media

【2025年10月6日 ローマ/ニューヨーク発】

ユニセフ(国連児童基金)事務局長のキャサリン・ラッセルは本日、バチカンにて教皇レオ14世と会談し、特に紛争、貧困、そして対外援助や債務をめぐる世界的な資金危機の影響を受ける子どもたちの窮状について、国際社会の関心を喚起すべく言葉を交わしました。

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ラッセル事務局長は次のように述べました。「今日、子どもたちは、紛争やさまざまな危機によってかつてないほどの苦しみを味わっています。さらに、対外援助資金の世界的な削減により、保健、教育、保護に関するサービスを受ける機会が縮小されつつあります。教皇レオは、平和と子どもの保護というメッセージを広める上で、世界に大きな影響力を持つ方です。私たちはそのことに感謝しています。世界は耳を傾け、子どもたちのためにより良い対応をしていかなればなりません」

教皇レオ14世と握手するユニセフ事務局長キャサリン・ラッセル(バチカン、2025年10月6日撮影)©Vatican Media

 

ガザ、コンゴ民主共和国、ハイチ、スーダン、ウクライナ、イエメンなどの紛争地や暴力のまん延する地域で暮らす、あるいはそこから逃れている子どもたちは、何百万人にも上ります。一方で、現在、10億人の子どもが気候変動の深刻な影響を受けるリスクの高い国々で暮らしており、さらに数億人が極度の貧困状態にあります。

 

ラッセル事務局長はまた、すべての子どもが教育を受けられるよう主導的に取り組んでいる教皇の姿勢、そして子どもたちに向けられるべきリソースが他の用途に回される状況を招いている深刻化する債務危機への対応に対して、感謝の意を表しました。現在、多くの国々が、保健、教育、社会的保護への資金投入よりも、借入金の利息の支払いに多くの資金を費やしている状況にあります。

 

ラッセル事務局長はこうも述べました。「子ども時代は本来、学び、安心して過ごし、成長するための幸せな時間であるべきです。しかし、あまりにも多くの子どもが、戦争、貧困、気象災害の中で、日々を生き延びることに精一杯の生活を強いられています」

 

紛争と同様に、気候変動による大規模な災害も頻度と深刻さを増しており、子どもたちはとりわけ脆弱な立場に置かれています。干ばつと洪水の繰り返しが食料や水の供給体制に打撃を与え、学校や保健医療施設を破壊し、人々の避難を引き起こすとともに、限られた資源をめぐる争いを激化させています。

 

「私たちは、子どもたちの命を守り、生活を良くし、気候変動のリスクを軽減する方法を知っています。ユニセフとそのパートナーは毎年、何億人もの子どもに栄養、安全な水、ワクチン、医薬品を届け、そして暴力からの保護を提供しています。しかし今こそ、各国が力を合わせ、世界の子どもたちのことを優先し、すべての子どもの権利が尊重されるようにしなければなりません。それは、すべての人にとっても、より健やかで、安定し、平和な世界につながるのです」(ラッセル事務局長)

教皇レオ14世(右から3人目)、ユニセフのラッセル事務局長(左から3人目)と並ぶ、ユニセフとイタリアユニセフ協会のチーム(バチカン、2025年10月6日撮影)©Vatican Media

 

ラッセル事務局長がバチカンを訪れるのは、今回が2回目です。昨年は当時の教皇フランシスコと面会し、教皇と共に、子どもの権利と尊厳を支援する目的で、教皇庁文化教育省が主催したイベントに参加。ローマのオリンピックスタジアムで、何万人もの子どもと一日を過ごしました。

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■    注記

医学誌『ランセット』の調査によれば、2025年に対外援助が削減された影響で命を落とす5歳未満の子どもが、2030年までに約450万人に上る可能性があると予測されています。

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■ ユニセフについて

ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念をさまざまな形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています。(https://www.unicef.org )

※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する32の国と地域を含みます

 

■ 日本ユニセフ協会について

公益財団法人 日本ユニセフ協会は、32の先進国・地域にあるユニセフ国内委員会の一つで、日本国内において民間で唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、アドボカシーを担っています。(https://www.unicef.or.jp )

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会社概要

公益財団法人日本ユニセフ協会

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URL
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業種
官公庁・地方自治体
本社所在地
東京都港区高輪4-6-12 ユニセフハウス
電話番号
03-5789-2016
代表者名
赤松良子
上場
未上場
資本金
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設立
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