カリブ海諸国を襲ったハリケーン 70万人以上の子どもが被災 ユニセフ緊急支援活動進行中 【プレスリリース】

【2025年10月30日 パナマシティ発】
ユニセフ(国連児童基金)の推計によると、ハリケーン「メリッサ」による数日間にわたる豪雨、高潮、そして壊滅的な洪水により、カリブ海諸国全域で70万人以上の子どもの生活に被害が及んでいます。
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ジャマイカとキューバを直撃し、カリブ海の島国ハイチとドミニカ共和国にも影響を与えたこの強力な嵐は、多くの子どもや家族を避難させる事態を引き起こしました。インフラは破壊され、農作物は壊滅し、保健や教育といった必要不可欠なサービスも遮断されています。
ユニセフのラテンアメリカ・カリブ海諸国地域事務所代表ロベルト・べネスは次のように述べています。「カリブ地域を襲った容赦ない洪水の影響で、何十万人もの子どもの生活が突然一変しました。子どもたちは今、食料、安全な飲み水と衛生環境、保健・栄養サービスへのアクセス、そして教育の再開を緊急に必要としています」

ユニセフは、子どもたちのために事前に備蓄されていた必需品の配布をすでに始めており、ニーズの把握と対応計画もパートナーと共に進めています。しかし、最も大きな被害を受けたコミュニティの多くで、インフラが損傷し、洪水が続いているため、支援を届けることが極めて困難な状況にあります。人々は、水没し電気も来ない地域で孤立しているか、避難所にとどまっている状態にあり、安全な水や衛生的な環境を確保することが非常に難しくなっています。

メリッサがカテゴリー5のハリケーンとして上陸したジャマイカでは、ユニセフは即時対応に必要な資金としてまず100万米ドルを割り当てました。この資金は、広範囲に及ぶ壊滅的な被害を受けた子どもや家族への緊急支援の提供に充てられます。ユニセフは同国政府を支援し、28万4,000人以上の子どもに対して、栄養、安全な水、衛生関連、メンタルヘルスケアを含む支援を届けることに取り組んでいます。
キューバでは、ユニセフはすべての子どもが必要不可欠なサービスを受けられるよう、安全な水の供給、コミュニティや教育・保健施設における衛生関連の支援、安全な場所での学校の再開を最優先に取り組んでいます。1,300セットの衛生キット、213セットのレクリエーションキット、80セットの学用品キット、209セットの幼児向けキット、1,900枚の屋根用シート、5,000 m²の防水シート、2基の可動式浄水装置などの支援物資を提供し、子どもたちに支援を届けます。
ハイチでは、メリッサにより同国南西部で子ども10人を含む20人の命が奪われました。ユニセフはハイチに2,900セットの衛生キットと緊急保健キットを配備し、2万人のニーズに対応するとともに、急性水様性下痢400症例に対する治療を確保しました。さらに、ハリケーンによる影響を軽減するため、危険にさらされている南部の7,500世帯に現金給付支援を提供しました。南部地域全体で約500人のユー・レポート(若者の社会参画のためのユニセフのツール)参加者が動員され、SMSやWhatsAppを通じて13万7,000件以上の注意喚起メッセージが送信され、暴風雨に先立ち、また暴風雨の最中も、コミュニティの協力体制や防災体制を強化しています。

ドミニカ共和国では、命を危険にさらす洪水や地滑りがメリッサによって発生し、6万人以上が被災しました。ユニセフは750セットの衛生キットを届け、最も大きな被害を受けたコミュニティの子どもたちのために適切な衛生環境を確保しています。また、2万人以上の子どもや女性、養育者に保健・栄養サービスが行き届くよう、政府を支援しています。
ユニセフは、最も緊急なニーズを特定し、迅速に対処するために、被災した国々の当局やパートナーを支援しています。この対応を継続するため、ユニセフは、4,650万米ドルの資金を国際社会に要請しています。資金は、38万人以上の子どもとその家族に命を守る初期支援を提供することに使われます。
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■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念をさまざまな形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています。(https://www.unicef.org )
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する32の国と地域を含みます
■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、32の先進国・地域にあるユニセフ国内委員会の一つで、日本国内において民間で唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、アドボカシーを担っています。(https://www.unicef.or.jp )
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