「“住み続けられる地球”のためにはさらに前進を」 COP30閉幕 ユニセフから日本の皆さまへの感謝と期待 【プレスリリース】

【2025年11月25日 ニューヨーク/ベレン(ブラジル)発】
ブラジル・ベレンで開催されていた国連気候変動枠組条約第30回締約国会議(COP30)が、11月22日に閉幕しました。今を生きる子どもたちや将来の世代のために“住み続けられる地球”を確保するには、さまざまな気候変動対策の着実な「実施」と、そのための「投資」の面で、さらに大きな前進が必要だということが明らかになり、ユニセフ(国連児童基金)は緊急の行動が必要だと警鐘を鳴らしています。
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ユニセフは、COP30が、2015年の「パリ協定」で示された産業革命以前と比較して世界の平均気温の上昇を1.5℃に抑えるという国際的な気候変動対策目標(1.5℃目標)の達成の可能性を残すために必要な行動をもたらさなかったことを懸念しています。すべての締約国に、化石燃料からの脱却をはじめとする緊急の措置を講じて世界の24億人の子どもを守るよう強く要請します。

「子どもたちは気候変動の影響を特に強く受けています」とユニセフ事務局長のキャサリン・ラッセルは訴えます。「子どもたちの生活、学び、成長を支えるのは、持続可能な形の保健、教育および水と衛生に関する社会インフラです。子どもたちにふさわしい世界をつくるため、子どもたちを今日守ることはもちろん、彼らの未来を支える社会サービスを維持し続けなければならないのです」
ユニセフは、COP30で、2035年までに気候変動に対する取り組みを支援する「適応」資金を3倍に増やすとする新たな目標が合意されたことを歓迎します。これは、すでに世界中で多くの子どもの生活を混乱させている気候変動の不均衡な影響から彼らを守るために極めて重要な一歩です。他方、「損失と損害」への対応資金に関し、ユニセフは、すべての締約国と関係するすべてのステークホルダーに対し、子どもが気候変動の影響を受ける人口グループの中で特に脆弱な立場にあり特別の対応を必要としていることを認識し、またCOP30で決定された内容を迅速に実施することを求めています。
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「気候変動は子どもの権利の危機」と訴えるユニセフが展開するグローバルキャンペーンの一環として、日本ユニセフ協会は子どもや若者が気候変動を学び、考え、声を上げるためのプロジェクト「ユニセフ気候変動アクション2025」を今夏実施しました。特設サイトや公式SNS、書面を通じて、子ども・若者を中心に全国から寄せられた意見は、合計311件に上ります。これらは、有志の学生によって提言書「桜宣言~私たちの気候変動アクション」としてまとめられ、環境省および経団連の代表者に手交されました。

COP30へ派遣されたユニセフの代表団へもこの「桜宣言」は共有されており、ユニセフの国連内外の働きかけ・発信に活用されました。多くの“声”を寄せてくださった日本の皆さまに、代表団を率いたユニセフ事務局次長のキティ・ファン・デル・ハイデンから、感謝のメッセージが届きました。
「子どもたちにとって世界をより良い場所にするために、たくさんの声とアイディアを送ってくれた日本の子どもと若者の皆さん、本当にありがとうございました」
「ユニセフは、皆さんの声を、しっかり受け止めました。アマゾンの“玄関口”、ベレンで開催されたCOP30の194カ国との交渉の場で、そして私が参加したすべての会議で、皆さんの声をしっかり届けました。皆さんが、本当に大切な声、そしてアイディアを届けてくれたからです」
「“これで終わり”ではありませんよ。これは、ユニセフと皆さん、日本の子どもたちと若者との新しい共同作業の“はじまり”にすぎません。世界中の子どもたちと若者たちが、安全で、幸せに、健康に生活できるよう、一緒にがんばりましょう!」
ファン・デル・ハイデン事務局次長のメッセージ動画はこちらでご覧いただけます。
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■ 「ユニセフ気候変動アクション2025」について
提言書「桜宣言~私たちの気候変動アクション」全文は、こちらをご覧ください。
https://www.unicef.or.jp/kodoken/climate/sakuradeclaration/
成文化作業の様子や、提言書のもととなった311件の意見などの詳細は、こちらをご覧ください。
https://www.unicef.or.jp/event/report/20250828/
「ユニセフ気候変動アクション2025」特設サイトは、こちらをご覧ください。
https://www.unicef.or.jp/kodoken/climate/
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■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念をさまざまな形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています。(https://www.unicef.org )
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する32の国と地域を含みます
■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、32の先進国・地域にあるユニセフ国内委員会の一つで、日本国内において民間で唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、アドボカシーを担っています。(https://www.unicef.or.jp )
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