ウクライナ、かつてない厳冬 戦火と極寒の下で暮らす子どもたち ユニセフ代表、居住地域とインフラへの攻撃停止求める 【プレスリリース】

公益財団法人日本ユニセフ協会

厳しい寒さが続くキーウで、暖房付きの移動式テントの中でねんど遊びをする3歳のアリーナちゃん。ユニセフの支援により、各テントには子ども用のおもちゃなども置かれている(ウクライナ、2026年1月11日撮影)© UNICEF/UNI928179/Filippov

【2026年1月16日 ジュネーブ発】

ユニセフ(国連児童基金)ウクライナ事務所代表のムニア・ママサデは、スイス・ジュネーブの国連本部で行われた定例記者会見において以下のように述べ、厳冬下のウクライナの子どもたちの窮状を報告しました。

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私たちが皆、懸念していたウクライナの冬の厳しい状況が、今現実のものとなっています。厳しい氷点下の気温の中、重要なエネルギーや水道の供給システムを破壊する激しい攻撃が続いています。

全土で何百万もの家族が、暖房・電気・水道のない日々を耐え忍んでいます。

子どもたちとその家族は、 “生き延びるための生活”を常に強いられています。気温マイナス18度という寒さの中、暖房のない高層マンションでの生活は、絶え間ない攻撃から身を守り、極寒の気温を凌ぐことにかかっています。

重要なインフラが攻撃を受けたことにより、キーウ市内への電力供給が半減し、氷点下15度に達する厳しい寒さの中で、人々は停電・断水・暖房停止に見舞われている(ウクライナ、2026年1月11日撮影)© UNICEF/UNI928969/Dobronosov

首都キーウのドニプロ川左岸にあるそのような建物の10階で、スヴィトラーナさんは3歳の娘アリーナちゃんを守るため、できる限りのことをしています。彼女によると、暖房も電気も3日以上止まったままだそう——これは停電が始まった最初の週の話です。今も多くの家族は全く電力が無い状態か、不定期な供給しかありません。水も断続的にしか供給されず、冷たいままです。家族たちは窓際にぬいぐるみなどの手近な物を積み上げ、凍えるような寒さを少しでも遮ろうとしています。

 

長期間の停電が続くキーウで、高層アパートの中庭に設置された暖房付きの移動式テント(ウクライナ、2026年1月11日撮影)© UNICEF/UNI928171/Filippov

スヴィトラーナさんはアリーナちゃんをお風呂に入れることも、温かい食事を用意することもできません。そのため、娘を何枚もの衣類で包み、灯りがない暗い階段を10階から1階まで下り、ウクライナ非常事態庁が設置した屋外のテントへ向かいます。そこでは体を温め、温かい食事を取り、電子機器を充電し、心理士に相談することができます。あるいは、ただ暖かさの中で過ごすだけでも構いません。

ユニセフはこれらのテント内に心理社会的支援ができる資材も設置しました。提供した資材には、子どもたちが遊びリラックスできるゲームやおもちゃもあり、子どもと大人の双方が高まる不安に対処できるようにしています。

 

こうした過酷な環境は、子どもたちへ身体的にも精神的にも影響を及ぼします。暗闇と極寒は恐怖やストレスを増幅し、呼吸器疾患をはじめとする健康問題を発症させ、または悪化させる恐れがあります。

 

最も脆弱なのはごく幼い子どもたちです。新生児や乳幼児は体温を急速に失い、低体温症や呼吸器疾患のリスクが高まります。十分な暖かさと医療ケアがなければ、これらの状態は急速に生命を脅かす可能性があります。

 

教育も再び中断されています。厳しい寒さのため、キーウやその他の地域の学校や幼稚園は完全に遠隔学習に切り替えました。しかし、今度は停電がそのオンライン授業を妨げています。

 

極めて困難な状況にもかかわらず、被害が発生するとすぐに、献身的な技術者が現場に駆け付け、電力・暖房・水道インフラの緊急修理を行っています。

こうしたサービスの復旧は時間との戦いであり、ユニセフは大規模な越冬支援を通じてこれをサポートしています。47万人の子どもを含む165万人を支援するため、絶え間ない取り組みを続けています。

暖房付きの移動式テント内の様子。ここでは温かいお茶を飲んだり、電子機器を充電したり、心理的支援を受けることができる(ウクライナ、2026年1月11日撮影)© UNICEF/UNI928245/Filippov

この取り組みは数カ月前から開始されました。これには、現在の混乱の影響緩和に寄与している過去数年間の投資も含まれます。例えば、以下の様なものです。

 

  • ザポリッジャ及びドニプロにおけるエネルギーインフラへの最近の攻撃と全面停電の後も、冬期に先立って設置された発電機と太陽光発電設備のおかげで、病院は機能を維持し、水道供給も継続することができました。

  • キーウでは、地域の集中暖房施設が複数損傷した後、事前に備蓄していた発電機を直ちに設置し、電力を供給することで、生きるために不可欠なサービスの完全停止を回避しました。

  • 全国の水道・暖房事業者へ79台の高出力発電機を供給しています。また各自治体との連携を強化することで、供給障害の軽減と持続可能な暖房供給の実現に取り組んでいます。

  •  最前線地域では、保護者が子どもの喫緊のニーズを優先できるよう、子ども8万6,000人を含む18万3,000人以上に対し冬季現金給付を実施しました。

  • さらに教育システムを通じ、1,500の教育施設に対し冬季助成金を支給し、緊急改修を支援しています。こうした改修により学校の閉鎖を回避することで、約44万5千人の生徒が、より子どもにやさしい環境で学び続けられます。

 

過酷な戦争が始まってからほぼ4年が経過しましたが、子どもたちの生活は今も“子どもらしさ”ではなく、生き延びることができるかどうかの不安に支配されています。

 

この冬の脅威は、子どもたちの被害がすでに拡大している状況に、追い打ちをかけています。2025年に確認された子どもの犠牲者は少なくとも92人で前年比より11%増加し、652人が負傷しました。全面戦争の開始以降、子どもの死傷者は累計で3,200人を超えています。

 

ユニセフは改めて、民間人の居住地域および子どもたちが頼るインフラへの攻撃の停止を求めます。

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■ ユニセフ「ウクライナ緊急募金」ご協力のお願い

(公財)日本ユニセフ協会は、ユニセフ「ウクライナ緊急募金」を受け付けています。最も支援を必要としている子どもたちとその家族に支援を届けるため、ご協力をお願い申し上げます。

https://www.unicef.or.jp/kinkyu/ukraine/ 

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■ ユニセフについて

ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念をさまざまな形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています。(https://www.unicef.org )

※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する32の国と地域を含みます

 

■ 日本ユニセフ協会について

公益財団法人 日本ユニセフ協会は、32の先進国・地域にあるユニセフ国内委員会の一つで、日本国内において民間で唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、アドボカシーを担っています。(https://www.unicef.or.jp )

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会社概要

公益財団法人日本ユニセフ協会

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URL
http://www.unicef.or.jp
業種
官公庁・地方自治体
本社所在地
東京都港区高輪4-6-12 ユニセフハウス
電話番号
03-5789-2016
代表者名
赤松良子
上場
未上場
資本金
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設立
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