【岡山大学】世界的に新しい評価方法を用いた臨床試験により、糖尿病性腎症から腎不全への進行阻止につながる重要な知見を報告

国立大学法人岡山大学

2024(令和6)年 11月 15日
国立大学法人岡山大学

https://www.okayama-u.ac.jp/




<発表のポイント>

  • 早期の糖尿病性腎症に対して、SGLT2阻害薬が腎機能の維持に有効であることを、世界的に新しい評価方法を用いた臨床試験で明らかにしました。

  • 早期の糖尿病性腎症で、SGLT2阻害薬を内服したグループでは、内服しなかったグループと比較して、アルブミン尿が減少し、腎機能が低下せずに維持されました。



◆概 要
 国立大学法人岡山大学(本部:岡山市北区、学長:那須保友)の岡山大学病院新医療研究開発センターの宮本聡助教、同大の四方賢一名誉教授らの研究グループは、オランダのフローニンゲン大学医療センターのHiddo J. L. Heerspink教授らと共に考案した世界初の研究デザインを用いた臨床試験により、SGLT2阻害薬であるカナグリフロジンが早期の糖尿病性腎症の進行を抑えることを明らかにしました。


 本研究の成果は2024年8月29日、科学雑誌『Kidney International』の電子版に掲載されました。


 糖尿病性腎症は、透析療法が必要となる最大の原因疾患となっており、病気の進行とともに腎機能が急速に低下するため、早期から治療を行うことが重要と考えられています。しかし、早期の糖尿病性腎症に有効な治療法を明らかにするためには、大規模な臨床試験を長期間行う必要がありました。本研究では、研究に参加される方の負担を軽減しながら、有効な治療法を速やかに明らかにするために、新しい研究デザインを考案して臨床試験CANPIONE studyを実施しました。


 今回の臨床試験は小規模かつ短い研究期間で行いましたが、SGLT2阻害薬を内服したグループでは、将来的な腎機能低下の指標となるアルブミン尿が減少するとともに、腎機能が維持されることが明らかになりました。


 本研究成果は、臨床試験に参加される方の負担を軽減する新しい方法を世界に提唱すると共に、早期の糖尿病性腎症に有効な治療法を明らかにした重要な知見であると考えられます。


 本情報は、2024年11月11日に岡山大学から公開されました。





◆宮本聡助教と四方賢一名誉教授からのひとこと

 CANPIONE研究の成果により、糖尿病性腎症による腎不全や透析で苦労される方が減ることを切に願っています。


宮本聡助教と四方賢一名誉教授(右)宮本聡助教と四方賢一名誉教授(右)



◆論文情報
 論 文 名:A randomized, open-label, clinical trial examined the effects of canagliflozin on albuminuria and eGFR decline using an individual pre-intervention eGFR slope
     「アルブミン尿と介入前の個々のeGFR の傾きを用いたeGFRの低下に対するカナグリフロジンの効果を評価した無作為化オープンラベル試験」
 掲 載 紙:Kidney International
 著  者:Miyamoto S, Heerspink HJL, de Zeeuw D, Sakamoto K, Yoshida M, Toyoda M, Suzuki D, Hatanaka T, Nakamura T, Kamei S, Murao S, Hida K, Ando S, Akai H, Takahashi Y, Kitada M, Sugano H, Nunoue T, Nakamura A, Sasaki M, Nakatou T, Fujimoto K, Kawanami D, Wada T, Miyatake N, Kuramoto H, Shikata K
 D O I:10.1016/j.kint.2024.08.019
 U R L:https://www.kidney-international.org/article/S0085-2538(24)00625-2/fulltext



◆研究資金
 本研究は、田辺三菱製薬株式会社から研究資金の提供を受けて実施しました。
 本研究は、特定臨床研究として実施しました。



◆詳しい研究内容について
 世界的に新しい評価方法を用いた臨床試験により、糖尿病性腎症から腎不全への進行阻止につながる重要な知見を報告

 https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r6/press20241111-1.pdf



◆参 考

・岡山大学病院
 https://www.okayama-u.ac.jp/user/hospital/

・岡山大学病院新医療研究開発センター

 https://shin-iryo.hospital.okayama-u.ac.jp/



岡山大学病院(岡山市北区)岡山大学病院(岡山市北区)



◆本件お問い合わせ先

 岡山大学病院新医療研究開発センター 助教 宮本 聡
 〒700-8558 岡山県岡山市北区鹿田町2-5-1 岡山大学鹿田キャンパス

 TEL:086-235-6504
 FAX:086-235-6505

 https://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id1298.html


<岡山大学病院との連携等に関する件(製薬・医療機器企業関係者の方)>
 岡山大学病院 新医療研究開発センター
 〒700-8558 岡山県岡山市北区鹿田町2-5-1
 下記URLより該当する案件についてお問い合わせください
 http://shin-iryo.hospital.okayama-u.ac.jp/ph_company/

<岡山大学病院との連携等に関する件(医療関係者・研究者の方)>
 岡山大学病院 研究推進課 産学官連携推進担当
 〒700-8558 岡山県岡山市北区鹿田町2-5-1
 TEL:086-235-7983
 E-mail:ouh-csnw◎adm.okayama-u.ac.jp
     ※ ◎を@に置き換えて下さい
 http://shin-iryo.hospital.okayama-u.ac.jp/medical/

<岡山大学の産学官連携などに関するお問い合わせ先>
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 〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
 TEL:086-251-8463
 E-mail:sangaku◎okayama-u.ac.jp
     ※ ◎を@に置き換えて下さい
 https://www.orsd.okayama-u.ac.jp/


<岡山大学の研究機器共用(コアファシリティ)などに関するお問い合わせ先>

 岡山大学研究・イノベーション共創機構 機器共用推進本部

 〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階

 TEL:086-251-8745、086-251-8746
 FAX:086-251-8748

 E-mail:cfp◎okayama-u.ac.jp

     ※ ◎を@に置き換えて下さい

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<岡山大学のスタートアップ・ベンチャーなどに関するお問い合わせ先>

 岡山大学研究・イノベーション共創機構 スタートアップ・ベンチャー創出本部

 〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
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     ※ ◎を@に置き換えて下さい

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 岡山大学統合報告書2023:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001926.000072793.html

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 岡山大学Image Movie (YouTube):https://youtu.be/pKMHm4XJLtw

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会社概要

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業種
教育・学習支援業
本社所在地
岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟
電話番号
086-252-1111
代表者名
那須保友
上場
未上場
資本金
-
設立
1949年05月