小学館の育児メディア「HugKum」が調査!【意外にも必要派が多い?令和のPTAの実態】「ベルマーク集めを廃止」「シルバー人材センターを活用」など、活動を試行錯誤

株式会社小学館

PTAとは、「P=Parents(保護者)、T=Teacher(教師)、A=Association(組織)」を略した言葉であり、親と教師、学校や地域社会等の組織が協力して活動を行う集まりを指します。学校行事の手伝いや防犯パトロールをはじめとした子どもの学校生活をサポートする役割を担いますが、昨今では不要論もささやかれ、実際に廃止となった学校も存在するようです。
実際のところ、みなさんのお子さんが通う学校ではPTAはどのように機能しているのでしょうか。また、その意義についてみなさんはどうお考えなのでしょうか。HugKum読者491人に、アンケートで聞いてみました。

【アンケート調査方法】
対象:小学館HugKumのメールマガジン会員に登録している保護者
調査期間:2024年4月18日~5月6日 
有効回答数:491名

PTA制度の加入は任意? 強制?

まず調査したのは、PTA制度への加入に関してです。そもそもPTA制度があるかどうか、そしてそれは任意加入か、強制加入かをたずねてみました。






その結果、49.5%と過半数近くから「任意加入」、44.6%からは「強制加入」、5.9%からは「PTAの制度がない」との回答が寄せられました。
大抵の場合、学校にはPTAの制度が未だ存在しており、加入に関しては「任意」「強制」どちらも同じ程度の割合であることが見て取れます。少数派ではあるものの、PTAの制度をすでに廃止している学校が、実際に一定数存在することも明らかになりました。


PTAの活動は必要? 「いいえ」が56%、「はい」が44%との結果に。
制度自体を廃止にしている学校も存在するPTA。そもそもその活動の必要性について、読者のみなさんはどのようにお考えなのでしょうか。




アンケートへの回答を集計してみると、「いいえ」が56%、「はい」が44%と、前者が多少上回ったものの、こちらもまた同程度に票が割れる結果に。

「いいえ」派の意見
「いいえ」と回答した理由としては、以下のようなことが多くあげられました。

負担が多すぎる」
「保護者同士の揉め事のタネになる」
「全員加入ではないので不公平に感じる」
「有意義な活動ができておらず、存在意義に疑問を感じる」

「はい」派の意見
「はい」と回答した理由としては、

「親同士の交流が持てる」
「子どもの学校生活をより良くするために、親が関わった方が良いと考える」
「学校に意見をしやすくなる」
「子どもにとって有意義な活動ができており、存在意義を感じる」
といった声が目立ちました。

一人一人への負担度だけでなく、親同士で良い交流ができているかどうか、PTAの活動自体に意義を感じられているかどうかによっても、PTAの活動に対する捉え方にはギャップがあることが感じられます。

PTA制度がない学校の保護者の意見
また、そもそも「PTA制度がない学校の保護者」は現在の状況をどのように考えているのかをたずねてみると、

「負担がなく、楽で良い」
「保護者同士のトラブルの元がなくなって良い」
というポジティブな意見が多く見受けられました。

ただし、学校によってはPTAに代わる集まりが存在し、その集まりに関しては「結局負担」と感じている場合や、「PTAがなくても関わりが保てる」と感じている場合があったりと、捉え方はそれぞれの学校での状況によっても異なることがうかがえます。

保護者のリアルな声】
みなさんから寄せられたコメントを紹介します。

PTAの活動は必要? 「いいえ」と答えた理由

保護者の負担が重すぎます。正社員であっても免れることはできず,くじ引きで委員長を引き当ててしまった方は家事もままならないほどに学校へ活動をしに頻繁に行く必要があるようです。活動を縮小したいですが,本部の役員はふんぞり返っていてそう言った声を全く聞き入れてくれません。切実な悩みです。 [ 女性 ]

保護者の負担が大きく揉め事の元になるから [ 女性 ]

コロナ禍、全く活動がなく、それでも機能できたと思います。 [ 男性 ]

全員加入しないなら不公平感があるので [ 女性 ]

2年連続で本部役員を務めていますが、たいした活動をしておらず、役員の自己満足のためにやっているという印象。皆さんから集めたお金も役員のお弁当や飲み会のお金にあててしまったり。なんのためにあるのかなぁと思ってしまいます。 [ 女性 ]

PTAの活動は必要?「はい」と答えた理由

交流が持てるから [ 女性 ]

子どもが減っている地方のため、見守り隊つきの登校班は継続してくれた方が安心。過度な活動は負担に感じるが、最低限のPTA活動には感謝しており協力したいと感じている。 [ 女性 ]

PTA活動が無ければ教職員に負担がいってしまうので、我が子が快適に楽しい学校生活を送る上で保護者がPTA活動に携わることは当然だと思います。 [ 女性 ]

保護者の意見を学校に反映するため。 [ 男性 ]

PTAがある事によって、色々楽しいイベントが沢山あるから。子供達が喜ぶイベントをする為にはPTAがなくては成り立たないと思うから [ 女性 ]

PTA制度がない学校の保護者の声

相談が難しくも感じますが、変に派閥ができなくて良かったかも [ 男性 ]

近年は共働き夫婦が増え、時間的にPTA活動が難しい家庭もあるので、ない方がよいと思う。 [ 女性 ]

親同士のトラブルのようなものがないのでいいです。親が参加する行事が多いので(自由参加)親と学校との関わりは保たれています。 [ 男性 ]

PTAにかわる「保護者会」というものがあるので、実質負担は同じようなものではないかと思っています。そのため、「ない」とは言い切れず、毎年の役員決めは心理的にとても負担です。 [ 女性 ]

年会費はいくら払っていますか?

学校によっては、PTAに年会費がかかり、保護者の負担の一因となっている場合もあるのではないでしょうか。その具体的な金額についても、公立・私立それぞれ聞いてみました。

公立小学校





「わからない」との回答を除くと、最も多かった回答は、「1,000〜1,999円」。次に多かったのは「会費なし」で、次いで「3,000〜3,999円」、「500円未満」、「2,000〜2,999円」との結果に。会費がない学校もある一方で、多くの学校が「500〜4,000円」の会費をあつめていることがわかりました。

私立小学校




私立に関しては、「わからない」との回答を除くと、全体の30%もの票を集めて「会費なし」が最も多い結果に。別途集金がある場合の会費の金額は、500円の場合もあれば、同程度に5000円以上の場合もあったりと、学校によって大きく異なるようです。

PTA活動、参加するのは誰?

夫婦共働きのご家庭も多い昨今ですが、PTAの活動には父親・母親、どちらが参加する場合が多いのでしょうか。こちらの質問も聞いてみました。





みなさんからの回答を集計してみると、全体の88%もの票を占め、圧倒的に「母親」が多い結果に。父親は7%で、かなり少数派の印象です。



効率化ツールは使っていますか? PTA業務に使えるアプリはやっぱりアレ




参加するのが母親・父親どちらだったとしても、他のご家庭や先生方とのコミュニケーションが欠かせないPTAには、効率化ツールが導入されている場合が多いのではないでしょうか。
ここでは、みなさんから寄せられた「特に使った・使っている作業の効率化ツール」を、「連絡ツール」「ファイル共有ツール」「アンケートツール」「会議ツール」「会計ソフト」に分けてご紹介します。


連絡ツール

PTA内での連絡ツールとして多く寄せられたのは、『LINE・LINE WORKS』でした。もはや「使ってない人はいない」と言っても過言ではなさそうなアプリ『LINE』シリーズ。グループを作って参加すれば、気軽にやりとりができる便利なツールです。日程調整機能やノート機能など、チームワークが必要なシーンでなにかと役立つ機能が満載。
その他にも、無料メーリングリスト『マチコミ』『らくらく連絡網』や、学校に特化したメール連絡網『さくら連絡網』の名前も挙がりました。

ファイル共有ツール

ファイル共有ツールとしても、『LINE・LINE WORKS』を使う学校が多いようでした。PDFファイル等も簡単に送れるのもまた、このアプリの優秀なポイントのひとつではないでしょうか。『マチコミ』や『さくら連絡網』でもファイルを共有することができ、これらを活用している学校も少なくありません。
なかには、ファイル共有に関しては、大きなファイルの共有も気兼ねない『Googleドライブ』を使うという回答も見受けられました。

アンケートツール

多くの場合、PTAの会員内で、それぞれの意見をアンケート集計する機会もあるようです。そんな時にアンケートツールとして多くの学校が使うのは、『Google フォーム』。Googleのアカウントさえ持っていれば、簡単にアンケートを作って配布でき、回答する側も匿名で気軽に意見を寄せられる便利なツールです。
ほか、『LINE・LINE WORKS』に備わっている投票機能を使う場合もあるようでした。

会議ツール

コロナ禍をきっかけに、PTAの会議をオンラインで行うようになった学校もあるのではないでしょうか。
「会議ツールは使わずに実際に集まっている」との回答が全体の70%を超えて多数派でしたが、中には『ZOOM』や『LINE』のビデオ通話、『Google MEET』等を使って会議しているとの回答も散見されました。

会計ソフト

PTAでの役職によっては、なにかしらの会計ソフトを使っている方もいるようです。
そんな場合に特に使われたのが、表計算ソフトである『Excel』。Microsoft Officeの『Excel』は、もともとご自分のPCにインストールされている場合も多く、使いやすいのかもしれません。
ほか、ブラウザ上で複数人で操作することができる『Googleスプレッドシート』を活用しているとの声も見受けられました。

中でも最も業務が楽になったのは・・・
PTAの業務にさまざまなツールが使われていたことがわかりましたが、中でも「便利だった」「業務が楽になった」と好評だったツールは以下のとおりです。


圧倒的に好評だったのは、連絡網やファイル共有ツール、アンケートツールとしても使える『LINE・LINE WORKS』。ほか、アンケートの際に使える『Googleフォーム』や、もともと連絡網として開発されている『らくらく連絡網』や『マチコミ』『さくら連絡網』などを支持する声もありました。
以下では、これらのツールを使って「助かったエピソード」を引用の上、ご紹介します。

LINE・LINE WORKS
役員同士の連絡にはLINEが使われております。月1の集まりはほぼなくなり、ラインで済まされるようになりました。 [ 女性 ]

お迎え当番があるのですが、欠席や仕事などで都合がつかない場合に、グループにまとめて連絡・相談ができて助かります。 [ 女性 ]

Google フォーム

集計が楽で、学校に出向かなくても対応ができるのが良い [ 女性 ]

毎年、4月はじめの保護者会で役員決めを行っていたが、Googleフォームで希望を入力し、決定までなされるため、時間の効率が良くなりました! [ 女性 ]

らくらく連絡網

自分は連絡を受ける側だが便利なシステムだと感じています。 [ 女性 ]

マチコミ

紙だと兄弟でだぶったり、紛失したり、ファイリングが面倒だが、マチコミになってから書類整理の必要がなくてラクになりました。 [ 女性 ]

訂正に気づいたのが前日だったある時の行事時間。マチコミは連絡訂正やし忘れもすぐ流せるので訂正は申し訳なかったけれどマチコミに助けられました。 [ 女性 ]

さくら連絡網

子供経由でお手紙が来ても子供がランドセルから出さなかったりすることが多かったので [ 女性 ]

おしらせの手紙やアンケートの回答が楽になった [ 女性 ]

新しいと感じるPTAの取り組みは? 学校も試行錯誤をしている模様。

多くの学校が最新のアプリやツールを活かしてPTAの作業効率化をはかっていることがわかりましたが、その他にはどのような「新しい取り組み」があるのでしょうか。アンケートに寄せられた回答を見ていきましょう。

Q. お子さんの所属する小学校のPTA活動で「新しい取り組みにチャレンジしている」と感じることがあれば、教えてください。

イベントに関する取り組み

防災訓練を兼ねたお泊まり。ダンボールで寝床を作り、保存食でカレー作りをしたそうです。 [ 女性 ]

水風船大会や、新春祭り、マジックショーや、昔の遊びを楽しもう、夏祭りなど、とにかく週末や楽しいイベントがある。 [ 女性 ]

学校の体育館で宿泊しておこなう防災キャンプ。地域の本屋さんから体育館へ本を並べて、子供たちが読みたいと思った本を投票してPTAで購入する本の森展示会。歓送迎会をホテルで実施せず、体育館でお弁当を提供しておこなう。 [ 女性 ]

効率化や活動の負担軽減に関する取り組み

総務部の方々が活動の縮小と効率化そして負担減を目指し、色々な案を出していると思う。 [ 女性 ]

ベルマーク集めを廃止。広報誌をデジタル配信。 [ 女性 ]

年に2回あった校庭の草取りがなくなりました。コロナ禍を経てシルバー人材センターに依頼するようになったそうです。 [ 女性 ]

地域との連携に関する取り組み

PTAだけでなく地域のおじいちゃん&おばあちゃんにも学校に関わって貰ってみんなで育てる小学校になっている。母親代表等の表記を変更したりして、男女の別を無くしている。 [ 女性 ]

「新しいと感じるPTAの取り組み」では、以上のように、主に「イベントに関する取り組み」「効率化や活動の負担軽減に関する取り組み」「地域との連携に関する取り組み」が多く見受けられました。
先の「PTAは必要かどうか?」という質問では、「いいえ」と答えた方の理由として、「PTAによるイベントに意義が感じられないこと」や「負担になりすぎること」が挙げられましたが、多くの学校がそのような課題点の改善に向けて取り組んでいることがわかりましたね。なかには、PTA役員制度の廃止に向けての取り組みがあるとの声も散見されました。

これから“やった方がいい”と思うこと。依然として残る改善点とは。

このような改善に向けての新しい取り組を行う学校がある一方で、「まだまだ」と感じている保護者も大多数。みなさんから寄せられた、「これからやった方がいい」という改善点のアイディアをご紹介します。

Q. PTAの活動として、これからやったほうがよいと思うこと(取り組みのアイディア)を教えてください。

負担の軽減化に関する改善点

なるべく簡素に、無駄や負担だと感じる活動はどんどん省いてほしい。 [ 女性 ]

本当に現場が困っていることをサポートするだけで良いと思う。 [ 女性 ]

みんながあつまってできないことは外部委託先も検討する [ 女性 ]

加入者が学校の何割に満たないとこの行事ができない、などはっきりとお知らせした方がいいと思う。加入するしないの自由はあって良いと思うけど、加入者がいて成り立っている行事があることを知って欲しいから。 [ 女性 ]

業務のやり方の見直しに関する改善点

自分勝手なルールで物事を考える方が年々増えていると思うので、マニュアルのようなものを改めて考えみんなで共通理解が出来るようになるといいなと思います。 [ 女性 ]

仕事内容の見える化と、地域の仕事との切り離し。ボランティアではなく、謝礼も加え明記すること。(部長をやった年は図書カードがもらえました)LINEすら使い慣れていない人が多いので、親のスキルアップが必要です。 [ 女性 ]

地域との連携に関する改善点

1番は子どものためにの活動でなければならないので、子どもたちが楽しく安全に学校生活をおくるために沢山の地域の人を巻き込んだ活動に出来たらいいと思う。 [ 女性 ]

以上のように、大きく分けて「負担の軽減化」や「業務のやり方の見直し」「地域との連携」等に関する改善点が多数寄せられました。なかでも目立ったのが、「やりたい人だけが参加できる『任意』での参加にしてほしい」というもの。強制加入でPTA会員を担っている方々の多くが、PTAへの参加を負担に感じていることが見て取れました。

PTAを有意義かつ気持ちの良い集まりにするためには

アンケートに寄せられた、学校のPTAに対する考えや、業務に関するご意見等をお伝えしてきました。多くの方がPTAでの業務を負担に感じている一方で、「PTAがあって良かった」というポジティブな声も少なくはありませんでした。
昨今では、PTAそのものを廃止する学校があるのと同様に、PTA業務を外部に委託している学校もあるようです。オンラインツールも、使い方によっては大幅に作業を削減できます。どのようにすればPTAを有意義かつ気持ちの良い集まりにできるのかを考えながら、今後も日々アップデートしていく必要があるように思います。

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電話番号
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代表者名
相賀信宏
上場
未上場
資本金
1億4700万円
設立
1922年08月