<開催レポート>デジタルハリウッド大学「CYBER CREATE DAY 2026」を開催

相次ぐサイバー攻撃から、大学で学ぶ「まもる」力|サイバー攻撃から日本を守る先端技術とエンタメをかけあわせた人材育成へ

デジタルハリウッド株式会社

文部科学省認可の株式会社立の大学として、デジタルコンテンツと企画・コミュニケーションを学ぶデジタルコミュニケーション学部(4年制大学)と、理論と実務を架橋し新たなビジネスを生み出すデジタルコンテンツ研究科(専門職大学院)を設置するデジタルハリウッド大学(DHU、所在地:東京・御茶ノ水、学長:藤井直敬)は、2026年9月13日(日)に「CYBER CREATE DAY 2026 ―サイバーセキュリティを、もっと身近に。もっと楽しく。」を開催しました。サイバー攻撃を検証するテストベッドの展示と、デザイン、大学教育、ハッカーをめぐるトークセッションを通じて、日常生活や創作活動との関わりから、サイバーセキュリティについて考える機会を提供しました。

 

【本取り組みの流れと開催レポート】

 

■「ハッカー部」をきっかけに、大学内で攻撃と防御を学ぶ環境づくりへ

イベント開催のきっかけは、藤井学長が、本学「ハッカー部」の顧問を務める田中悠斗教授の活動を知ったことでした。サイバー攻撃を防ぐには、攻撃する側の考え方や、弱点を見つける方法を理解する必要があります。攻撃と防御の両方を学ぶ機会を、大学でどのようにつくるか。今回の取り組みは、その問いから始まりました。検討を進める中で、サイバーセキュリティを専門とする本学の髙橋浩太郎准教授から、韓国のサイバーセキュリティ教育と、攻撃の影響を検証できる「テストベッド」の紹介がありました。これを受け、日本初となるサイバーセキュリティのテストベッドを学内に設置し、実践的に学べる環境づくりを進めました。さらに本学が着目したのは、エンタテインメントと体験の力です。専門技術を学ぶ環境に加え、映画やロボット、身近なスマートフォンを入り口に、サイバーセキュリティを日常や創作活動と結びつけて考える場として、本イベントを開催しました。

■目に見えないサイバー攻撃を、実際に体験して経験する

NSHC代表取締役の崔炳奎(チェ・ビョンギュ)氏と、本学特任准教授の髙橋浩太郎氏によるセッションでは、攻撃者の視点から脆弱性を発見し、その知見を防御や人材育成につなげる取り組みを紹介しました。

会場には、韓国のサイバーセキュリティ企業・NSHCが教育や研究に用いるテストベッドを設置しました。金融、鉄道、原子力発電所、船舶などを想定した実験環境に、現場で使われる制御機器を組み込み、実際に攻撃と防御を学べる仕組みです。ネットワークへの攻撃が設備やシステムに及ぼす影響を検証することで、デジタル空間で起きる問題を、現実社会の仕組みと結びつけて理解できます。

セッションでは、AIやロボットの普及を見据え、開発の初期段階から安全性を考える重要性についても語られました。テストベッドはイベント終了後も本学内に設置されています。

■映画のハッキングから、つくり手の視点へ

本学教授の星野裕之氏と、卒業生でフィクションデザイナーの北方優介氏は、「フィクショナルデザインとサイバーセキュリティ」をテーマに対話しました。

『サマーウォーズ』や『攻殻機動隊』などを取り上げ、フィクションがつくるハッキングのイメージと、現実の技術との関係を考えました。議論は、ロボットの入出力端子をどこに配置するかという設計の問題にも広がりました。

使いやすい場所に端子を置くことと、第三者によるアクセスを防ぐこと。その両方をどう成立させるか。サイバーセキュリティを、つくり手にとって身近なデザインの課題として捉えるセッションとなりました。

■「自分には関係ない」を変える、体験のある教育へ

藤井学長、本学大学院の福岡俊弘特命教授、学部4年生の隂山弘暉さんによるセッションでは、学生がセキュリティを自分ごととして学ぶ方法を議論しました。

AIを使った開発が身近になる一方で、APIキーなどの重要な情報の扱いへの理解も必要になります。学生の視点からは、大学でセキュリティを学ぶ機会を設ける必要性が挙げられました。

藤井学長からは、フィッシング詐欺を模した訓練など、体験を通じて気づきを得る教育のアイデアが示されました。防災の消火体験や地震体験のように、サイバーセキュリティにも実感を伴う学びをつくれないか。ゲームの要素を取り入れながら、関心を高める方法について意見を交わしました。

また、藤井学長と田中悠斗特任教授によるセッションでは、スマートフォンや通信が使えなくなった場合の備えを取り上げました。トラブルに対応する力とともに、身につけた技術をどのように使うかを判断する倫理についても議論しました。

■イベントでの体験を、継続して学べる環境へ

髙橋浩太郎准教授より、日本の環境に合わせたテストベッドの制作、実践的な専門トレーニング、セキュリティの課題を解く競技「CTF」の開催が発表され、実際に手を動かしながら攻撃と防御を学ぶ環境づくりが、今後の展開として語られました。

サイバー攻撃から社会を守るための技術を深く学ぶこと。身近な体験から、セキュリティへの関心と判断力を育てること。本学では、この二つをつなぐ教育のあり方を探っていきます。

「つくる」を学ぶ学生が、自分の作品やサービスの先にいる人の安心まで考えられるように。

今回のイベントは、デジタルハリウッド大学におけるサイバーセキュリティ教育の可能性を広げる機会となりました。

<開催概要>

イベント名:CYBER CREATE DAY 2026 ―サイバーセキュリティを、もっと身近に。もっと楽しく。

開催日:2026年9月13日(日)

主な内容:サイバー攻撃のテストベッド展示、サイバーセキュリティと大学教育・フィクショナルデザイン・韓国の取り組み・ハッカーに関するトークセッション

 

【登壇者一覧】

■崔炳奎(チェ・ビョンギュ)氏|株式会社NSHC 代表取締役

NSHCは、オフェンシブセキュリティ研究、サイバー人材育成、OT/ICSセキュリティ教育を手掛けるグローバル企業。2004年の設立以来、ハッキング技術、脅威分析、ペネトレーションテストを強みに、政府機関・重要インフラ・金融機関などのセキュリティ強化を支援する。シンガポール政府のDSTAが主催する「BrainHack/Cyber Defenders Discovery Camp(CDDC)」では、CTFを含む教育プログラムの企画・運営を担当。「RAT Studio」では、実機テストベッドを活用し、産業制御システムへの攻撃と防御を実践的に学ぶ教育を提供する。

 

■藤井直敬|デジタルハリウッド大学 学長

東北大学医学部卒業。同大学院博士課程修了、医学博士、眼科医。1998年よりMITのAnn Graybiel研究室で研究員を務める。2004年に帰国し、理化学研究所脳科学総合研究センターの副チームリーダーを経て、2008年より適応知性研究チームのチームリーダーとして社会的脳機能を研究。2014年に株式会社ハコスコを創業。2018年よりデジタルハリウッド大学大学院教授、2022年より同大学学長補佐を務め、2026年4月に第2代学長に就任。専門は「現実科学」。

主な著書に『予想脳』『つながる脳』『ソーシャルブレインズ入門』『現実とは? 脳と意識とテクノロジーの未来』。

https://www.dhw.ac.jp/faculty/teacher/fujii-naotaka/

 

■福岡俊弘|デジタルハリウッド大学大学院 特命教授

編集者、合同会社スノウクラッシュ代表社員、Editors’ Lounge主宰。1957年生まれ。1989年にアスキー入社。パソコン情報誌『EYE・COM』編集長、『週刊アスキー』編集長、株式会社アスキー・メディアワークス第7編集部部長、週刊アスキー総編集長などを歴任。雑誌の創刊や、TBSラジオ『デジ虫』『森本毅郎のスタンバイ』への出演など、幅広いメディアで活動。初音ミクの人気楽曲「千本桜」の10周年イベントでは、プロデューサーを務める。

https://gs.dhw.ac.jp/faculty/visiting/toshihiro-fukuoka

 

■星野裕之|デジタルハリウッド大学 教授

ロボットデザイナー、フィクショナルデザイナー、フューチャリスト。オチュア株式会社(otuA Inc.)代表。ロボットや医療・福祉機器のデザイン、プロトタイピングに取り組む。近年は、人とロボットの共生を目指す「HuRoC(Human-Robot Commons)」を立ち上げ、産学官地域の連携を通じて、ヒューマノイドやフィジカルAIの開発・実証・社会実装を推進。フィクションから未来の暮らしを構想し、実際のものづくりへつなぐ教育・研究を行うとともに、ロボットの使いやすさや社会受容を含むデザインのあり方を探究している。

https://otua.co.jp/

 

■田中悠斗|デジタルハリウッド大学 特任教授

株式会社フォアー代表取締役、株式会社フォアーゼット代表取締役、ベトナムズイタン大学名誉学部長。防衛大学校卒業後、陸上自衛隊に入隊し、幹部自衛官として勤務。情報戦略とサイバーセキュリティを専門とし、10年以上にわたりレッドチームオペレーションやインシデント対応に従事。政府機関や民間企業に各種セキュリティソリューションを提供する。

https://www.fore-co.ltd/

 

■髙橋浩太郎|デジタルハリウッド大学 特任准教授

株式会社BRIDGED代表取締役。2017年に同社を設立。金融、通信、電力、暗号資産交換業など、高い信頼性が求められる企業・組織を中心に、サイバーセキュリティ戦略の策定、リスク評価、脆弱性診断、SOC構築・運用、インシデント対応を支援する。近年は、攻撃者視点の検証と防御側の監視・対応をAIで連携させる「BRIDGED AI SOC」の開発・提供や、OSINT・ダークウェブ情報を活用した脅威分析に取り組む。技術と経営の両面からサイバーリスクを捉える実践的な教育を目指す。

https://bridged.jp/company.html

 

■北方優介氏|フィクションデザイナー

デジタルハリウッド大学卒業生。

X:@Yukke_Ultra

 

■陰山弘暉氏|デジタルハリウッド大学 学部4年生

防災me代表、Yappe株式会社代表取締役。

https://bousai.me/

https://yappe-inc.jp/

 

【デジタルハリウッド大学[DHU]】

https://www.dhw.ac.jp

 

2005年4月、文部科学省認可の株式会社立の大学として東京・秋葉原に開学(現在の所在地は東京・御茶ノ水)。デジタルコミュニケーション学部(4年制大学)とデジタルコンテンツ研究科(専門職大学院)を設置している。

2026年4月、二代目学長に藤井直敬が就任。初代学長・杉山知之が示した「すべてをエンタテインメントにせよ」を拡張し、新たな教学ヴィジョンとして「世界を満たせ」を掲げる。

デジタルコミュニケーション学部では、不確実で予測不能な未来を自分らしく生き抜く力を身につける。 デジタルコンテンツ(3DCG/VFX、VR/AR、ゲーム、映像、グラフィック、Webデザイン、メディアアート、プログラミング等)と企画・コミュニケーション(ビジネスプラン、マーケティング、広報PR等)を産業界の第一線で活躍する教員から幅広く学べる一学部一学科制を採用。さらにグローバル人材を育成するために外国語の重点的な学習プログラムを備え、留学を推進している。世界49か国・地域出身の学生が在籍し、御茶ノ水駅前で多様性に富むキャンパスを運営している。

デジタルコンテンツ研究科では、超高度情報化社会においてデジタルコミュニケーションを駆使し、社会に変革を起こすリーダーを輩出すべく、創発的学究領域 [SEAD(Science/Engineering/Art/Design)]の4要素をバランス良く身につけ融合し、理論と実務を架橋する人材育成を行う。新規事業プランニングとプロトタイピングなど、院生のアイデアの実装およびスタートアップ支援により「令和7年度大学発ベンチャー調査」(経済産業省)では全国大学中17位、私立大学7位となっており、多数の起業家を輩出している。

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会社概要

デジタルハリウッド株式会社

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URL
https://www.dhw.co.jp/
業種
サービス業
本社所在地
東京都千代田区神田駿河台4-6 御茶ノ水ソラシティ アカデミア3F/4F
電話番号
03-5289-9241
代表者名
藤井 雅徳
上場
未上場
資本金
-
設立
1994年10月