タイ・バンコク最大規模の不動産複合開発事業「One Bangkok」への参画について
このたび、2024年4月5日に合弁契約を締結し、2024年5月17日にタイ・バンコクにて調印式を開催いたしましたことをお知らせいたします。
写真左から、Worawat Srisa-an副社長(One Bangkok Company)、Lim Hua Tiong社長(One Bangkok Company)、Panote SirivadhanabhakdiグループCEO(Frasers Property Limited)、取締役 代表執行役社長 CEO 細谷 敏幸(三越伊勢丹HDS)、取締役 執行役常務 CSDO兼CFO 牧野 欣功(三越伊勢丹HDS)、執行役員 経営戦略統括部長 榎本 亮(三越伊勢丹HDS)
三越伊勢丹グループの中長期経営計画における海外事業戦略について
■三越伊勢丹グループの中長期経営計画
三越伊勢丹グループは「お客さまの暮らしを豊かにする、“特別な”百貨店を中核とした小売グループ」を長期目標に掲げ、世界に向けた発信力を持ち、高感度上質消費において最も支持される存在を目指しています。
現3ヶ年計画は、基幹事業である百貨店の再生フェーズと位置づけ、次期中期経営計画を三越伊勢丹グループの数多くのグループリソースを最大限に成長させる展開フェーズ、その後、これまでの結実として、保有不動産において百貨店を核に、ホテル・レジデンス・オフィスなどの複合用途開発による当社独自の価値向上=“まち化”の実現を図っていきます。
“まち化”により、さらに多くの顧客をエリアに呼び込み、百貨店の価値を様々なサービスと掛け合わせることでユニークな顧客体験を提供していきます。
■中長期経営計画における海外事業戦略
この中長期経営計画において、海外事業戦略では「選択」と「転換」を掲げ、既存小売事業の構造改革を進める一方で、国内小売事業で培ったノウハウと暖簾の力で不動産の価値向上と収益拡大を目指す新たな海外事業モデルに着手し、将来の“まち化”の実現に向け、様々な不動産の知見の獲得を目指しています。
この第1弾の案件として、フィリピン・マニラにおいて、三越伊勢丹HDSと国内大手デベロッパーの野村不動産株式会社、フィリピン大手不動産会社であるフェデラルランド社との3社による共同で、4棟の分譲タワー型コンドミニアム「The Seasons Residences」と商業施設「MITSUKOSHI BGC」(2023年7月21日グランドオープン)が一体となった複合開発を行っています。
「One Bangkok」-海外における不動産開発+商業による複合開発モデル第2弾-
■本件の目的と背景
新たな海外事業モデルの第2弾として、タイを中心に多数の不動産事業を手掛けるTCCグループと協業し、タイの首都バンコクにおいて、オフィス事業と小売事業の複合開発を行います。
本件における三越伊勢丹グループの狙いは以下の3点です。
➊単なる小売の出店ではなく、不動産事業との組み合わせによる収益の最大化
➋フィリピン・マニラのレジデンスに次ぎ、オフィスに関する不動産事業の知見を獲得
➌アジアで強い影響力を持つTCC アセッツおよびフレイザーズ プロパティとの将来のASEAN地域での協業を視野に入れた関係性の構築
三越伊勢丹グループの海外戦略において、経済規模の成長性、日本との心理的・地政学的な関係性、さらには、「三越伊勢丹グループが既にシンガポール、マレーシア、フィリピンに出店している」点も踏まえ、東南アジアを重点エリアとしています。
また、タイ・バンコクは日本との親和性が高く、日本で培った三越伊勢丹の百貨店の価値に共感していだけるお客さまが多く、ともにその価値を高めていくことができる都市であると認識しています。なかでも、TCC アセッツとフレイザーズ プロパティが手掛けるバンコク最大規模の不動産複合開発である今回の「One Bangkok」プロジェクトは、デザイン、サステナビリティなどあらゆる点で感度が高く、当社が目指す方向性とも合致する案件だと考えています。
■「One Bangkok」について
「One Bangkok」は、総面積約173,000㎡(東京ドーム約3.7個分)、投資額約1,200億バーツ(約5,000億円)を超えるバンコク中心部最大の複合開発です。バンコク中心部の主要幹線道路に位置し、急成長するバンコクの物流・交通網とも直結している「One Bangkok」は、近未来的なオフィス、回遊性のある商業施設、高級住宅、5つ星のホテル、ワールドクラスのライブ・エンターテイメント・アリーナ、芸術と文化の発信地、さらに、8,000㎡にわたる開放的な広場から構成されています。また、スマートシティであり、持続可能なインフラも完備。タイ初のLEED for Neighborhood Developmentの最高位プラチナ認証と、健康とウェルネスをサポートするWELL Building Standardの認証を目指しています。
■「One Bangkok」における三越伊勢丹グループの事業内容
フィリピン・マニラの「MITSUKOSHI BGC」に次ぐ“まち化”戦略の第2弾として、「One Bangkok」においてはオフィス事業と小売事業の複合開発に参画します。
オフィス事業については、「One Bangkok」に建設されるプレミアムグレードAオフィスタワーのうちの1棟「Tower4」に出資し、オフィス事業に参画。また、小売事業においても、ワン バンコク カンパニーとの合弁で、「One Bangkok」の商業施設のうちの1つ「Parade」の地下1階に、食品・飲食のカテゴリーに特化した「三越」暖簾のストアの出店を計画しています。日本の百貨店として期待される「日本食」や「おもてなし」を軸に、タイ・バンコクのお客さまにも愛されるお店づくりを行っていきます。
■小売事業 合弁会社概要
会社名 :One Bangkok Mitsukoshi Company Limited
所在地 :19th Floor, Park Ventures Ecoplex, 57 Wireless Road Lumphini, Patumwan, Bangkok 10330 Thailand(事務所)
Witthayu Rd, Lumphini, Pathum Wan, Bangkok 10330 Thailand B1(店舗予定地)
設立日 :2024年4月19日(金)
総面積 :約4,600㎡
事業内容 :飲食店、スーパーマーケットを含む食品小売事業運営
開業日 :2024年中(予定)
■オフィス事業 合弁会社概要
会社名 :One Bangkok Tower 4 Company Limited
所在地 :19th Floor, Park Ventures Ecoplex, 57 Wireless Road Lumphini, Patumwan, Bangkok 10330 Thailand(事務所)
Witthayu Rd, Lumphini, Pathum Wan, Bangkok 10330 Thailand Tower4(オフィス建設地)
設立日 :2024年4月19日(金)
事業内容 :オフィス賃貸業
開業日 :2024年3月18日(月)~順次入居
■ご参考
【TCCグループについて】
Thai Charoen Corporation Group (TCC)は、1960年にCharoen Sirivadhanabhakdi氏によって設立されたタイ大手飲料業「タイビバレッジ」を中核にもつ企業グループです。現在は飲料・食品部門、流通・製造部門、不動産開発部門、金融部門、農業部門の5つの事業グループで構成され、世界で11万人の従業員を擁する世界クラスの企業グループにまで成長しました。
【TCC Assets Company Limited(TCC アセッツ)について】
2013年に設立されたTCC アセッツは、TCCグループ傘下の不動産開発企業。TCC アセッツは、商品・サービス開発を通じて資産に付加価値を創出することを得意とし、タイ国内において住宅用不動産プロジェクト、オフィスビル、商業スペースの開発、ホテル事業、IT関連サービスに注力しています。今回の「One Bangkok」プロジェクトは、このTCC アセッツの財務力とタイの不動産事業ノウハウ、フレイザーズ プロパティの国際的な不動産開発の知識を組み合わせた戦略的提携プロジェクトです。
【Frasers Property Limited(フレイザーズ プロパティ)について】
フレイザーズ プロパティは、シンガポール証券取引所に上場する不動産の開発・所有・運営を行う多国籍企業。東南アジア、EU、オーストラリア、中国等において、住宅、小売、オフィス、ホテル、物流などの事業を展開、特に20カ国以上・70以上の都市で物件を所有・運営するホテル事業は高い評価を得ています。フレイザーズ プロパティは、バリューチェーン全体で持続可能性の高いビジネスを構築することを目指し、2050年までにゼロカーボン企業になることを宣言するとともに、従業員、企業、地域社会のために永続的な共有価値を創造することを目指しています。
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