入社3ヶ月以降の違和感に注意!新卒の感情推移と離職予兆をデータで読み解く 従業員のコンディション可視化ツール『Geppo』、新卒データを初公開

株式会社リクルート

2025年春、国内企業では初任給引き上げが相次ぎ、若手人材の確保に向けた競争が激化しました。一方で、人手不足が続くなかでの採用難に加え、「せっかく採用した人材が定着せずに早期離職してしまう」という新たな課題も浮上しています。特に新卒入社3ヶ月以降は、配属や業務のリアルと向き合うことで“期待と現実のギャップ”を感じやすく、支援や対話の有無がその後の活躍を大きく左右します。つまり、新卒社員の「今」の状態を早期かつ正確に把握することで、離職リスクを抑える打ち手を検討できるようになります。本リリースでは、従業員のコンディションを可視化するツール『Geppo』を導入する企業の新卒社員のデータを基に、新卒入社後に見られた変化と、企業の対応事例をご紹介します。

新卒社員の状態を分析、中途社員との比較などデータから見えた5つの示唆

①スコア推移の傾向―5月をピークに、じわじわと下降

新卒社員の月次コンディションスコア3年分を分析したところ、変化は入社後半年までが顕著だったため、その期間に絞って分析しました。その結果、5月をピークに、その後は緩やかな下降傾向が見られました。入社当初の5月はモチベーションが高く、全てのスコアが比較的良好でしたが、6月以降は「仕事」「対人関係」領域でのスコアが徐々に低下。入社して職場や新生活に慣れた後の“見えづらい変化”を捉える重要性が浮き彫りになりました。

②天気スコアの落とし穴―“曇り”は軽視できない予兆

『Geppo』では、従業員が自身のコンディションを天気になぞらえて、快晴・晴れ・曇り・雨・大雨の5段階から選択できます。その天気スコアのデータから、新卒社員のスコア低下は、「雨」や「大雨」といった明確なストレス反応よりも、「晴れ→曇り」への微細な変化として現れる傾向があると分かりました。特に元々のスコアが高い新卒社員では、“ややネガティブ”な「曇り」の出現だけでアラート状態に近づくことも多く、実態よりも“元気に見える”落とし穴が存在します。この“曇りの兆候”をどう捉えて早期対応できるかが、見えづらい離職予兆への対策のカギとなります。

③離職リスクとの関係―アラート率は2〜3倍に

離職者と就業継続者を比較したところ、離職者の「アラート発生率」は継続者の2〜3倍に上ることが分かりました。「仕事」「対人」「健康」のスコアを見ると、3ヶ月前を境に、就業中と離職の差が大きくなります。同時に離職の3ヶ月前は、アラート発生率が高くなる傾向もあります。実際に離職した社員の多くが「晴れ→曇り」の段階で兆候を見せていたことから、微細な変化の“先読み”が実効的な対応に直結することが示されています。

④中途社員との比較―新卒スコアは高く入って、大きく揺れる

中途入社1年目と比べて、新卒社員は入社時点でのスコアは高い一方、時間経過に伴って大きく変動する傾向が見られました。中途社員は平均スコアこそ控えめなものの、変動幅は小さく、安定して推移する傾向にあります。これは、新卒社員が「初めての職場」や「人間関係構築」、「入社前期待とのギャップ」といった、新卒特有の適応課題に直面していることを示唆しており、個別性の高い支援が求められます。

⑤企業規模別の傾向―“曇り”の広がり方に違いが

企業規模ごとのスコア推移を分析すると、新卒社員の回答傾向には、大手・中堅・中小企業でばらつきが見られました。新卒人数が多い大手・中堅企業で、退職アラートになりえる「曇り」回答に着目すると、月を追うごとに広がりやすい傾向はあります。これは企業規模による環境の違いによって差が出る可能性を示唆しています。規模に応じたフォロー体制の整備と、「誰かが気づく」を仕組みにする設計が、これからの新卒支援には欠かせません。

Geppo導入企業による新卒社員への対応事例

事例①日東電工株式会社(大阪府/メーカー/離職率半減の成果)

グローバルに事業を展開する高機能材料メーカー、日東電工では、若手の早期離職に課題感を持ち、2019年から『Geppo』を導入。現在は新卒1〜3年目とキャリア採用1〜2年目の約600名弱を対象に運用しています。

キャリア支援・育成グループ約10名による運用体制のもと、毎月の回答データをBIツールで点数化し、アラートやコメントを基に必要な社員には個別対応を実施。特に新卒社員に対しては、「4月入社の新入社員に応援メッセージを」といった『Geppo』の追加質問を活用し、先輩社員とのつながりによるオンボーディング支援を促進しています。こうした継続的な可視化と対話の仕組みにより、『Geppo』導入前と比べて新卒社員の離職率は半分以下に改善。データと現場のフォローを連携させた“攻めの定着支援”によって、エンゲージメントの向上と人材育成の好循環を実現しています。

事例②株式会社アズテックス(東京都/IT /若手支援を全社で推進)

 ITインフラからシステム開発まで手掛けるアズテックスでは、若手社員の離職防止を目的に、入社4年目以内の社員を対象として『Geppo』を導入。特に新入社員に対しては、入社後3〜6ヶ月間の研修期間に加え、現場配属後も継続的な支援体制を整備しています。毎月の『Geppo』回答を基に、スコアやコメントに応じて営業担当・所属部署の上長・総務担当が連携し、迅速にエスカレーションを実施。状況に応じて担当者を変更しながら、個別フォローを行っています。このように、複数部署が連携し社員一人ひとりに寄り添うことで、「人の目が届きにくい不調のサイン」をデータで察知し、迅速に対応できる体制が確立されています。『Geppo』により社員の状態が可視化され、初期対応のスピードが向上した結果、若手社員の離職率は大幅に改善されています。また、回答者一人ひとりに対して担当者が返信を行い、追加の悩みや相談を丁寧に引き出すことで、回答自体に意味を持たせ、コミュニケーションの質の向上にもつなげています。

「部門横断で支える文化」と「データドリブンな人材支援」の両立を実現したアズテックスの取り組みは、中堅企業における先進的な事例と言えるでしょう。

Geppoについて

『Geppo』は人事における「個人の課題」と「組織の課題」を見える化し、働き方改善を個人・組織の両方からささえるHRサーベイで、サイバーエージェントとリクルートの人材事業ノウハウが結集したサービスです。サイバーエージェントで3年間運用され、いくつもの実績を残している組織診断ツールをベースに、リクルートの人材事業ノウハウを結集。低負荷・高頻度なツールで定点モニタリングをすることで、今までの組織サーベイでは実現できなかった人事課題の解決(離職防止・人材定着、オンボーディングなど)、ストレスフリーな働き方改善が可能となりました。

▼リクルートについて

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会社概要

株式会社リクルート

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URL
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業種
サービス業
本社所在地
東京都千代田区丸の内1丁目9番2号
電話番号
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代表者名
牛田 圭一
上場
未上場
資本金
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設立
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