京都のデザイン拠点「Panasonic Design Kyoto」でオープンイノベーションを加速
~京都の伝統工芸とのコラボレーションによる「響筒」を商品化~
パナソニック株式会社は、大阪と滋賀に分散していた家電のデザイン拠点を京都に集結し、2018年4月2日(月)から「Panasonic Design Kyoto」として始動しました。これにより、家電デザイントータルでの連携を強化し、家電単体のデザインから新たな体験価値をデザインする集団へと変革するとともに、伝統産業や海外への発信力など多彩な魅力を持つ京都でのオープンイノベーションを加速していきます。
当社は、すでに2015年11月から、京都の伝統産業とともに、日本の感性とモノづくりの原点を探り、新たな家電デザインを、外部の視点を取り入れて研究する共創プロジェクト「Kyoto KADEN Lab.(京都家電ラボ)」に取り組んできました。
第1弾では「Electronics Meets Crafts:」をコンセプトに「人の記憶や五感に響く未来の家電」10点のプロトタイプを開発し、「ミラノサローネ 2017」で「ベストストーリーテリング賞」を受賞するなど、グローバルに高い評価を得てきました。商品化に対する熱い期待が寄せられたことを受け、その中から京都の手作り茶筒の老舗「開化堂」とのコラボレーションによる「響筒」を、2019年春を目処に商品化することを決定しました。体験価値や経年による価値にフォーカスしたデザイン部門発の家電として、茶筒の優雅な動きとともに掌に伝わる振動で音を感じ、表情を楽しむ体験を「Made in Japan」の匠の技術でお届けします。
このたびの「響筒」においては、デザイン部門の主導により、実際に体験できるプロトタイプを広く世の中に公開し、その体験から得られたデザインの価値、魅力がお客様に響いたことで、商品化に結び付きました。
さらに、「Kyoto KADEN Lab.」では、京都でのデザイン拠点開設に合わせ、第2弾として「Electronics Meets Crafts: Engraving Phenomena」をコンセプトに新たな5点のプロトタイプを開発しました。第1弾では記憶や五感に響く体験に加え、改めてモノの持つ魅力に迫ったのに対し、第2弾では、真っ赤に燃える火の美しさや、吹き抜けるそよ風の心地よさなど、遠い昔から人々が見出してきた、こころに深く刻み込まれた感覚・体験にこそ豊かさに繋がる価値があるととらえ、それらを導く現象をデザインしました。
【「Kyoto KADEN Lab.」第2弾 概要】
●Hi to toki
「うつろいゆく熾火(おきび)に魅入る心地よい時間」
木の爆(は)ぜる音、絶えず揺らめく姿、大きなエネルギーを感じる熱のある明かり ― 人が遠い昔から安らぎや美しさを見出してきた火は、いま、暮らしの中から消えつつあります。それとともに火のもつ独特の美しさや火に魅入る心地よい時間も失われているのではないか。エレクトロニクスによってもう一度暮らしの中に火を取り戻し、人々が忘れかけている感覚を呼び覚ましたい。自然のかたちそのままに浮かび上がる熾火と艶やかに仕上げられた木炭の器による魅力的なリフレクション。枝竹炭(えだたけずみ)と電気制御技術を組み合わせることで、うつろいゆく熾火に魅入る心地よい「ひととき」を演出します。
●Soyo gu
「こころを満たす優しいそよ風」
竹籠の技法による竹のソフトカバーを用いた大型の送風扇。そよ風のような風が吹き抜け、竹で編まれたカバーが優しくそよぐ。そよ風という心地よい体験を『頭の先からつま先まで優しい風を感じること』『静かであること』『風にそよぐ草花の様子』という3つの要素に分解し、テクノロジーと竹工芸のコラボレーションにより再度編み上げました。
●To gaku
「心地よいあかりに包み込まれる場」
日本建築において光と空間の関わり方は海外のそれとは違い、力強い太陽光を空間の要素である建具に反射させたり透過させたりして『淡く、滑らかでやさしいあかり』に変換し、暮らしの中に心地よい場を作り出します。例えば、障子によって濾過され滑らかになり垂直面に拡散されたあかりや襖や屏風の箔(はく)の色を吸い込み淡い艶のある色づいたあかりなど・・・これはそのようなあかりをライトユニットとさまざまなパーツを組み合わせる事で手軽に作り出し楽しむことができる照明です。ライトユニットはバッテリー内蔵のため従来の照明器具のように天井や壁にしばられることがなく、未来の暮らしの変化にも応じて手軽に心地よいあかりを楽しめます。
●Kasa
「反応することで人の振る舞いを引き出す灯り」
刺激を与えると消えてしまう照明です。手荒く近づいたり触れたりすると消えてしまう灯りが、人とモノの新たな関係性を築きます。モノが人の振る舞いを引き出す。壊れないように補強を重ねるのではなく、使う人からモノをそっと置く動作を自然に引き出すことで、結果、そのモノを壊れにくくする。モノづくりの考え方を変えるきっかけになるかもしれない、人とモノの関係性から未来を考える実験的な試みです。
●Oto no kotowari
「音に見惚れる水紋の囁き」
振動、水、光で生じる音の波形を眺めることで、音の変化や余韻をより繊細に感じ取ることができます。現在、インターネットでの音楽配信サービスの普及などによって、人はさまざまな音を聞き流して生活しています。その中で『暮らしの中の音ひとつひとつに意識を向けていくこと』が次の豊かさに繋がると考えました。人の感覚の中で最も多くの情報を感じ取る“視覚”を刺激し、音を記憶に刻み込むような忘れられない体験を提供します。
当社は、「Panasonic Design Kyoto」の京都での環境を生かしながら、オープンイノベーションを積極的に展開し、人々が憧れる豊かな暮らしをデザインしていきます。
■Panasonic Design Kyoto
所在地:京都市中京区新町通錦小路下る小結棚町444番地
京都四条新町ビル(4階~9階)
総面積:約3000平方メートル
■Kyoto KADEN Lab.
https://panasonic.co.jp/design/works/kyoto-kaden-lab/
■GO ON×Panasonic Design
https://panasonic.co.jp/design/goon/
<関連情報>
・世界最大規模のデザインイベント『ミラノサローネ 2017』に出展~"Electronics Meets Crafts:"をテーマに作品を展示(2017年4月3日)
https://news.panasonic.com/jp/topics/153028.html
・ミラノサローネ『Milano Design Award 2017』で、パナソニックが「ベストストーリーテリング賞」を受賞(2017年4月13日)
https://news.panasonic.com/jp/topics/153247.html
・パナソニックが「iFデザインアワード2018」で金賞2件受賞(2018年3月12日)
https://news.panasonic.com/jp/topics/159335.html
・ミラノサローネにてパナソニックの「Air Inventions」が『Milano Design Award 2018 ベストテクノロジー賞』を受賞(2018年4月20日)
https://news.panasonic.com/jp/topics/160095.html
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