ついに本日開幕！「ＰＬＡＹ」アレクサンダー・エクマン／パリ・オペラ座6万球の緑の雨が降るパリ・オペラ座の話題作「PLAY」ゲネプロレポート到着！

株式会社キョードーメディアス

2025年7月25日 13時59分

2024年パリ・パラリンピック開会式の演出・振付監督で世界中の注目を集めたスウェーデン出身の振付家・Alexander Ekman（アレクサンダー・エクマン）が、パリ・オペラ座バレエ団のために創作した「PLAY」。2017年の初演以来、その驚きの連続の舞台でオーディエンスを興奮の嵐に巻き込み、賞賛され続ける話題作「PLAY」が、ついに日本上陸。開幕に先駆けて行われたゲネプロのレポートが届きました。

６万個の緑のボールが降るパリ・オペラ座公演『PLAY』開幕！

2024年パリ・パラリンピック開会式の演出・振付監督を務めたスウェーデン出身のアレクサンダー・エクマン。彼が振付・演出・衣装を手がけたパリ・オペラ座バレエ団『PLAY』来日公演が７月25日、東京・新国立劇場オペラパレスで初日を迎える。2017年にパリ・オペラ座ガルニエ宮で初演され、昨年12月から今年１月にかけて再演されたこの作品が海外で上演されるのは今回が初めて。初日前夜のGPを観た。

子供時代を思わせる“遊び”と、大人になっての“遊び”との距離感の対比が二幕構成で描かれるこの作品。白いパンツにグリーンのトップスをまとった男性ダンサーが現れ、一人踊り始めるところから舞台はスタートする。幕が開くと、白の舞台装置の中、白を基調とした衣装のダンサーたちが現れ、男性ダンサーの踊りをみんなで真似ていく。手にしたマイクを叩くなどして音を出す彼と、その音に呼応して踊る女性ダンサーと。宇宙飛行士に輪っかドレス等、いつかどこかの夢で見たような装いの人々も登場。

角をつけた女性ダンサーたち（“フナーフ”という、エクマンが想像した動物とか）がトゥで踊り、舞台を横切る跳躍を見せるシーンはしなやかな美しさが感じられる。そして、舞台上空から降り注ぐ６万個もの緑のプラスチック・ボール！　突然の大雨のようにも感じられたりするその緑のボールはやがて舞台を埋め尽くし、その中でダンサーたちが戯れる。

　第二幕の衣裳は打って変わってダークなものとなり、規範に縛られた現代社会を描き出すかのよう。ときに、未来に見た過去の悪夢のように美しいディストピア的場面が現出する。そして、舞台上と客席とが一体となって遊ぶフィナーレ――。

エクマンと同じスウェーデン出身で彼とのコラボレーションも多いミカエル・カールソンが手がけた音楽がスタイリッシュでかっこいい。そして、アメリカ出身のシンガー、カリスタ・“キャリー”・デイの歌声の力強いこと。総勢約50人ものパリ・オペラ座のダンサー、歌手、そして舞台上で演奏するミュージシャンたちが繰り広げる世界が、“遊ぶ＝PLAY”ことの楽しさについて、客席に問いかけてくる。

取材・文＝藤本真由（舞台評論家）

当日券の販売は各開演時間の60分前より、会場の当日券売り場にて販売。

Photo by Fukuko Iiyama