【調査結果】東海三県一市(岐阜県・愛知県・三重県・名古屋市)連携し、ごみ削減へ向けた調査活動を実施

<調査場所:答志島、藤前干潟、長良川>

海と日本プロジェクト in 愛知県は、伊勢湾総合対策協議会・海洋ごみ対策検討会(岐阜県・愛知県・三重県・名古屋市)と連携し、各県で清掃団体によって実施された清掃活動に参加し、ごみの種類や量などを調査しました。この度、調査の概要及び調査結果を公表いたします。今回得られた調査結果は、今後の対策の参考とします。

この活動は、日本財団が推進する海洋ごみ対策プロジェクト「海と日本プロジェクト・CHANGE FOR THE BLUE」の一環で実施するものです。


各県の清掃活動と調査結果について

10月13日(日) 三重県 「鳥羽市答志島 奈佐の浜海岸清掃」

奈佐の浜に集まったのは約230人のボランティア。三重県をはじめ、愛知県や岐阜県、長野県など県外からも参加者が集まり、浜の清掃を行いました。清掃エリアは全長約300メートルの浜周辺で、1時間ほど行われました。ごみ拾い用のトングを使って拾い、トングでは掴めないような大きなごみは仲間に協力を仰ぎながら手で拾いました。

表 調査概要及び調査結果

奈佐の浜海岸清掃の協力団体である「22世紀奈佐の浜プロジェクト委員会有志」の皆様と協力して実施した、調査概要及び調査結果を上記表にまとめています。

特徴的な点として、養殖業を中心に漁業で使用される発泡スチロールフロートのごみが見受けられました。このことから、伊勢湾内で発生したごみが答志島に流れ着いているのではないかということが考えられます。

10月19日(土) 愛知県 「第41回伊勢湾ごみ流出防衛最前線!’24秋の藤前干潟クリーン大作戦!」

藤前干潟クリーン大作戦実行委員会による「藤前干潟クリーン大作戦」では、藤前干潟と庄内川、新川河口域一帯に設けた中堤会場および藤前会場、9学区会場の計11会場で清掃活動が行われ、市民団体や地元自治会、企業、学生、行政など1,987人が参加し、1,028袋(45Lごみ袋)のごみが回収されました。調査は新川と庄内川の下流、工場の向かいにある護岸において、縦30m、横20mの中の1区画で約1時間かけて行われました。

表 調査概要及び調査結果

「藤前干潟クリーン大作戦」の協力団体である「海と日本プロジェクト in 岐阜県」の皆様と協力して実施した調査概要及び調査結果を上記表にまとめています。

特徴としてはごみの回収量が非常に多かった点が挙げられます。この要因としては庄内川の最下流に位置するため、ごみが集まりやすいという点と、調査地点は葦原が拡がる窪地になっており、ごみが滞留しやすくなっているという2つのことが考えられます。

またもう1つの特徴としてボールが多く回収された点が挙げられます。この点については、調査地点より上流の河川沿いにはグラウンドがあり、そこからボールが多く流出しているのではないかと考えられます。

10月27日(日) 岐阜県 「川と海のクリーン大作戦 長良川一斉清掃」

北は関市と隣接する岐関大橋から、南は大垣市と隣接する長良大橋までの約22kmの区間。この間に24カ所のごみ集積所が設けられ、自治会や長良川沿岸に住んでいる近隣住民、水防団を中心に約2,000人のボランティアと協力、約2トンのごみを回収しており、岐阜市も「川と海クリーン大作戦 長良川一斉清掃」の呼びかけ人として協力しています。今回の調査箇所周辺には、普段から長良川で清掃活動をしている団体の方や近隣住民、慈善活動をしている企業の方、行政の職員など110人が集まりました。

表 調査概要及び調査結果

長良川一斉清掃にて参加者の有志の皆様と協力して実施した調査概要及び調査結果を上記表にまとめています。

ごみの量は他の2地点と比較してかなり少ない結果になりました。

要因としては、長良川の中流に位置する場所にあり、散乱ごみが滞留しにくいことが考えられます。また、調査箇所である公園内の滞在人口が余り多くないということも、ごみの量が少なくなる要因だと考えられます。

一方で、人目につかないことが粗大ごみ等の不法投棄等の大型のごみが捨てられている要因にも繋がるのかもしれません。

まとめ

今回の調査では、岐阜の河川の中流域、愛知の河川の最下流域、三重の伊勢湾の離島の3か所で調査することで、各地点でのごみの種類や量について把握するとともに、各地点における特徴や考えられる流出の要因を検討することで、理解を深めることができました。

ごみ削減に向けた取り組みとしては、清掃活動を継続するとともに、そもそものごみを発生させないための対策が非常に重要であると考えられます。引き続き、清掃活動に取り組むとともに、今回の調査で判明した各地点における特徴等を基にした発生抑制対策を進めることで、ごみ削減に取り組んでいきたいと思います。

清掃活動の軌跡で描くGPSアート

清掃活動を取材した愛知県、岐阜県、三重県では、清掃した場所の軌跡を記録し、愛知県、岐阜県、三重県の連携を強調する文字を描くという取り組みも行われました。

スマートフォンのアプリで清掃活動中のGPSログを記録。愛知県は「ん」と「な」と「わ」の3文字、岐阜県は「み」と「ん」の2文字、三重県では「の」と「い」と「せ」の3文字が描かれました。

合わせて読むと「みんなのいせわん」。軌跡を描いたように、3県が手を取り合えば、少しずつ海洋ごみの削減に前進するのではないでしょうか。

清掃活動にはそれぞれ想いが込められており、地域ごとに拾われるごみや対策に特色が見られました。ごみを単純に拾い上げるためには、予算をかけて重機を使用することも可能ですが、「ごみを減らす、ごみが出たら適正に捨てる」という意識が希薄になっていく恐れがあります。清掃活動は単なるごみの除去ではなく、私たちが当たり前にすべき行動を再認識する重要な役割を果たしているのかもしれません。



伊勢湾総合対策協議会・海洋ごみ対策検討会

東海三県一市(岐阜県・愛知県・三重県・名古屋市)で構成し、伊勢湾及びその流域圏における総合的な海洋ごみに関する課題について連携して取り組み、伊勢湾全体の景観や海洋環境の保全を図り、美しく健全で活力ある伊勢湾の再生に資する活動を進めています。

伊勢湾流域圏海洋ごみ対策推進広域計画

東海三県一市(岐阜県・愛知県・三重県・名古屋市)は、伊勢湾流域圏の複数自治体による広域計画の策定に向けた検討を重ね、令和6年3月、岐阜県、愛知県、三重県の三県が共同して伊勢湾流域圏の海洋ごみの現状や取組の方向性を取りまとめた「伊勢湾流域圏海洋ごみ対策推進広域計画」を策定しました。本計画に基づき、伊勢湾流域圏での広域的な海洋ごみの発生抑制対策を推進しています。

https://www.pref.mie.lg.jp/common/content/001126954.pdf

伊勢湾流域圏の一斉清掃

令和6年度は「伊勢湾流域圏の一斉清掃」の期間を設け、三県一市で連携して、自主的な清掃活動の実施・参加を呼びかけています。身近な場所でのごみ拾いや清掃イベントへの参加にご協力をお願いします。

https://www.pref.mie.lg.jp/common/content/001157802.pdf

<団体概要>

団体名称:一般社団法人海と日本プロジェクトin愛知県

URL:https://tv-aichi.co.jp/aichi_uminohi/

活動内容:愛知県を対象地域とした海と日本プロジェクトを推進する。

CHANGE FOR THE BLUE

国民一人ひとりが海洋ごみの問題を自分ごと化し、”これ以上、海にごみを出さない”という社会全体の意識を向上させていくことを目標に、日本財団「海と日本プロジェクト」の一環として2018年11月から推進しているプロジェクトです。

官学民からなるステークホルダーと連携して海洋ごみの削減モデルを作り、国内外に発信していきます。

https://uminohi.jp/umigomi/

日本財団「海と日本プロジェクト」

さまざまなかたちで日本人の暮らしを支え、時に心の安らぎやワクワク、ひらめきを与えてくれる海。そんな海で進行している環境の悪化などの現状を、子どもたちをはじめ全国の人が「自分ごと」としてとらえ、海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げていくため、オールジャパンで推進するプロジェクトです。

https://uminohi.jp/

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会社概要

URL
https://uminohi.jp/
業種
財団法人・社団法人・宗教法人
本社所在地
東京都港区赤坂2-14-4  森崎ビル3階
電話番号
03-6441-2561
代表者名
渡邉友弘
上場
未上場
資本金
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設立
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