売れないかも…。でも革命的に面白い!! 「ギャグ×数学」マンガが新発売!
■中学生向けマンガ参考書COMIC×STUDYシリーズに理系教科が追加!
シリーズ累計200万部超の「まんが攻略BON」シリーズを大きくリニューアルし、昨年発売された「COMIC×STUDY」シリーズ。第一弾として20年6月に刊行した4冊はすべて増刷がされるなど、大人気のシリーズとなっています。
このたび、理系教科の「数学(中1)」と「理科(生物・地学)」がラインナップに加わりました(「理科(物理・化学)」も21年3月下旬に発売予定です)。
■気鋭のギャグマンガ家であるソウが、教育の学研と手を組み数学マンガを刊行。
このシリーズの「中学数学(中1)」を担当したのはソウさん。「マンガで分かる心療内科」シリーズ(少年画報社)では原作のゆうきゆうさんとタッグを組み、20冊以上を上梓している気鋭のマンガ家です。
今回「COMIC×STUDY」シリーズの理系教科発売を記念して、ソウさんへインタビューを敢行しました。SNSのアカウントなどを持たず、こういった取材を受ける機会もあまりないというソウさん、「数学」の編集担当でもあり「COMIC×STUDY」シリーズ全体のプロデュースを手掛けた宮崎純さんと一緒に、ギャグマンガ×参考書の生みの苦しみ、作品にかける思いなどを語ってもらいました。
―今日はよろしくお願いします。聞くところによると製作にとても時間がかかったという話ですが、どれくらいかかったのですか?
(ソウ)依頼をされたのが2017年の10月だったので、発売までに3年半かかってしまいました(苦笑)。僕が遅筆で迷惑をかけてしまいまして…。
(宮崎)他社さんでの連載と並行しての製作だったので仕方ないですよ。でも、しっかり時間をかけていただいたのでクオリティは素晴らしいです。
―そもそもソウさんへオファーをしたのはどういう経緯ですか?
(宮崎)私からのラブコールです。実は15年ほど前に某通信教育系のB社さんでゼミマンガをソウさんが描かれていたんですよ。そのハジケっぷりがすごくて、私はそれを見て「このマンガ家さんといつか一緒に仕事したいな」と思っていました。それで今回「COMIC×STUDY」シリーズを立ち上げるにあたり、真っ先にお声がけしたんです。真っ先にお声がけしたけど、出来上がりはだいぶ後発になってしまいました(笑)。
(ソウ)すみません。お話をいただいたときは「面白そうだな」と思い、二つ返事で引き受けさせていただいたんですが、いやはやこんなに大変だとは…。
―ギャグの密度がすごいですよね。またボケ方も変幻自在で引き出しの多さに驚きながら読ませてもらいました。どうやって考えているんですか?
(ソウ)いやぁ。もう毎回ウンウンうなりながらですよ(笑)。でも、あまりボケが多過ぎて肝心の数学の内容が頭に入らないとよくないよなぁと、少し心配しながら描いていました。
(宮崎)ボケの密度はたしかにすごいです。1ページに2・3個ボケを放り込んできたりしていますから。でも、数学の説明自体もすごくわかりやすいので、笑いながら要点がわかっちゃうマンガになっていると思います。革命的ですよ。
―x軸とy軸が交差するのをラブコメマンガの男女が曲がり角でぶつかるシーンに置き換えたのは、声を出して笑っちゃいました。
(ソウ)そういったマンガをメタ的に扱ったボケも入れましたね。ただ、後で読み返したときに古くならないようなボケにするようには気をつけました。「何年後かに読む中学生にもちゃんとわかるかなぁ」って。
(宮崎)“流行りに乗ったネタ”みたいなのはあまりないので、長く読んでもらえると思います。私自身、毎回ネームが上がるのを一読者として楽しんでいました。こんな楽しい仕事ばかりならいいのに。
■マンガとしてのクオリティを保ちながら学習内容をおさえるのに苦労した。
―苦労した点などを伺ってもいいですか?
(ソウ)マンガとしてちゃんと成り立つようにしながら、数学の勉強内容を教えていくというのを両立させるのが難しかったですね。宮崎さんとも最初の打合せで話したのですが、「ヘンに物わかりのいい主人公にして、話がいいように進んでいくのは不自然だよね」と。不自然さがあると、マンガにのめり込めなくなるので、それは避けたいと思っていました。
(宮崎)学習マンガって「そこでこのキャラはそのセリフ言わないよね」みたいな、不自然さがあるものも多い印象だったんです。教わっている主人公が、いきなり説明に補足をしてしまうような。そういうリアリティに欠けることをしないことがマンガとしてのクオリティを上げます。そこの部分はこの「COMIC×STUDY」シリーズ全体でも気をつけたところですね。
(ソウ)キャラの設定がブレないように、最初の段階でけっこうやり取りしましたよね。でもリアリティを追求するだけではつまらないので、いろいろなファンタジー要素が入れられるように、教えるキャラの「ジョー」を忍者にしました。忍者という設定があるから、いきなり“数字の精”みたいなものをポッと出しても、おかしくないという。
(宮崎)なんでもやれる、ボケやすい世界観を作りつつも、セリフの展開に不自然さはなくて、読者目線でわかりやすくなっていると思います。
―そうした細かいことに気を配りながら、あのギャグマンガができているのですね。ウラ側を知ることができて勉強になります。私は図形の展開図のところが大好きだったのですが、ソウさんのお気に入りのページを上げるとしたらどこですか?
(ソウ)忍者の「ジョー」が、主人公の「はじめ」のお父さんと話しているページですね。このページの展開は個人的に大好きなところです。いい流れでボケを重ねられたなと。
(宮崎)ネームでここを初めて読んだとき「このページの展開最高ですね」と、書いて戻しました(笑)。この会話はぶっ飛んでますよね。大好きです。
―今日はありがとうございました。こんなに面白い本ならヒット間違いなしですよね。
(ソウ)売れるかどうかは…。でも自分が数学が苦手だったので、「苦手な子が楽しく読めて数学がちゃんとわかるように」というのは頑張りました! ぜひ多くの中学生に読んでほしいです。
(宮崎)マンガ×歴史は売れることも多いんですが、マンガ×数学ってあまり売れないんですよね…。だからこの本も売れないかも…。でも、わかりやすさと面白さには絶対的な自信があるので、ぜひ読んでほしいです! 経済的に余裕のある方は8冊ぐらい買って近くにいる中学生たちに配ってほしいです!!
売行きの話になると弱気になってしまったお二人ですが、内容については胸を張ってお薦めできるということでした。
勉強に苦手意識のあるみなさん、『マンガでわかる中学数学(中1)』やCOMIC×STUDYシリーズの他教科の本をぜひ手に取って読んでみてはいかがでしょうか? 勉強が楽しくなること間違いなしですよ。
[商品概要]
『マンガでわかる中学数学(中1)』
著者:ソウ
定価:本体1,000円+税
発売日:2021年2月24日(水)
判型:A5判/184ページ
電子版:同時配信
ISBN:978-4-05-304921-6
発行所:(株)学研プラス
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