考古学ファン垂涎!池澤夏樹氏、「“キトラ古墳の被葬者は誰か”という謎に行き当たって描いた」最新作『キトラ・ボックス』について語る

自身3年ぶりとなる長編小説の刊行記念トークイベントを開催!

登壇者(左から、菅谷文則氏、吉本 忍氏、池澤夏樹氏)登壇者(左から、菅谷文則氏、吉本 忍氏、池澤夏樹氏)

株式会社KADOKAWAは、2017年4月29日(土・祝)に、池澤夏樹氏の考古学ミステリ『キトラ・ボックス』(3月25日(土)発売)の刊行を記念し、国立民族学博物館(大阪府吹田市)にてトークイベントを開催いたしました。
ステージには、著者の池澤夏樹氏、ゲストに奈良県立橿原(かしはら)考古学研究所所長の菅谷(すがや)文則氏、国立民族学博物館名誉教授の吉本 忍氏という、各分野で数々の功績を築き上げてきた3名が初めて揃い登壇。会場を埋め尽くした約100名の参加者を前に、本作の裏話のほか、テーマとなったキトラ古墳、作中の舞台の1つでもある国立民族学博物館、奈良県立橿原考古学研究所にまつわるエピソード、さらには考古学や民族学について、2時間をかけて縦横に語り合いました。
 

池澤夏樹氏池澤夏樹氏

池澤氏は、3年ぶりとなる長編小説のテーマを決めたきっかけを「ちょうど『池澤夏樹=個人編集 日本文学全集』(全30巻)に取り組んで頭が古代に向いており、“キトラ古墳の被葬者は誰か”という謎に行き当たった。『竹取物語』で、かぐや姫が求婚者の阿倍御主人(あべのみうし)に所望した火鼠の皮衣(ひねずみのかわごろも)は、中国の西域の産物であるアスベストだと言われている。阿倍御主人が中国と太いパイプを持っていたことから、何か物語が作れそうだと思った」と語りました。




 

吉本 忍氏吉本 忍氏


吉本氏が「虚実が混ざり合った絶妙な仕掛け。小説家の人は凄い」と発言すると、池澤氏は「僕は専門家ではないが、(旅など)動くことが好き。小説でも主人公たちをあちこちと動かし、ウイグルまで飛ばせた。歴史と歴史の間を想像力でつなぐことで本当にのびのびと書けて、そこが一番楽しかった」とコメントしました。




 

 

菅谷文則氏菅谷文則氏


また、池澤氏がトークイベントの前日に奈良県立橿原考古学研究所の展示を観に行ったことに言及すると、所長の菅谷氏が「自分らが普段頭の中で考えていることが文字で目に入ってくるというのは凄い。我々の資料をうまくつまみ食いして(笑)さも一本の糸でつながっているかのように見せているのには驚いた」と話しました。


​終盤には参加者からいくつも登壇者への質問が飛び出すなど、興味津々の様子でした。


 

展示観覧の様子展示観覧の様子

加えて、この日の参加者は、吉本氏の解説付きで、作中に登場するウイグル絣(かすり)織物と同等の展示品も観覧。吉本氏の私物の織物も回覧するなど、参加者は貴重な体験に集中して聴き入っていました。







■登壇者プロフィール
小説家 池澤夏樹(いけざわ・なつき)
1945年北海道生まれ。埼玉大学理工学部物理学科中退。『スティル・ライフ』で中央公論新人賞、第98回芥川賞を受賞。『南の島のティオ』で小学館文学賞。『母なる自然のおっぱい』で読売文学賞。『マシアス・ギリの失脚』で谷崎潤一郎賞。『楽しい終末』で伊藤整文学賞。『ハワイイ紀行』でJTB出版文化賞。『花を運ぶ妹』で毎日出版文化賞。『すばらしい新世界』で芸術選奨。『言葉の流星群』で宮沢賢治賞。『イラクの小さな橋を渡って』『憲法なんて知らないよ』『静かな大地』などの著作活動全般について、司馬遼太郎賞受賞。2010年、『池澤夏樹=個人編集 世界文学全集』の編纂で、毎日出版文化賞。

ゲスト:菅谷文則(すがや・ふみのり)
1942年奈良県生まれ。奈良県立橿原考古学研究所を経て北京大学留学(1979~1981)。帰国後、シルクロード学研究センター研究主幹、95年に滋賀県立大学教授。2008年退任後、09年から橿原考古学研究所所長。日本と中国において発掘調査を実施し成果を上げている。

ゲスト:吉本 忍(よしもと・しのぶ)
1948年広島生まれ。1973年京都市立芸術大学美術専攻科修了。1978年から2014年まで国立民族学博物館に勤務、現在同館名誉教授、および総合研究大学院大学名誉教授。専門は民族技術、民族美術・工芸。1970年以来、世界各地で染織技術や染織品、および織機の調査研究をつづけている。おもな著書は『世界の織機と織物』(国立民族学博物館)、『インドネシア染織大系(上下巻)』(紫紅社)、『ジャワ更紗』(平凡社)、『インドネシアの金更紗』(講談社)など。

 

池澤夏樹著『キトラ・ボックス』カバーデザイン池澤夏樹著『キトラ・ボックス』カバーデザイン

■『キトラ・ボックス』について
奈良天川村-トルファン-瀬戸内海大三島(おおみしま)。それぞれの土地で見つかった禽獣葡萄鏡(きんじゅうぶどうきょう)が同じ鋳型で造られたと推理した考古学者の藤波三次郎は、国立民族学博物館研究員の可敦(カトゥン)の協力を求める。新疆ウイグル自治区から赴任した彼女は、天川村の神社の銅剣に象嵌(ぞうがん)された北斗が、キトラ古墳天文図と同じであると見抜いた。なぜウイグルと西日本に同じ鏡があるのか。剣はキトラ古墳からなんらかの形で持ち出されたものなのか。謎を追って、大三島の大山祇(おおやまづみ)神社を訪れた二人は、何者かの襲撃を受ける。窮地を救った三次郎だったが、可敦は警察に電話をしないでくれと懇願する。悪漢は、新疆ウイグル自治区分離独立運動に関わる兄を巡り、北京が送り込んだ刺客ではないか。三次郎は昔の恋人である美汐(みしお)を通じ、元公安警部補・行田に協力を求め、可敦に遺跡発掘現場へ身を隠すよう提案するが――。

 
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