【調査結果】伊賀川のごみ流出削減に向けた取り組みと課題 RIAD設置とごみステーション改良による効果と今後の対策
<調査場所:岡崎市伊賀川、名古屋市堀川>
海と日本プロジェクト in 愛知県と八千代エンジニヤリング株式会社は、伊賀川沿いに設置されている“RIAD設置”と“ごみステーション改良”による川へのごみ流出量を評価することを目的に、岡崎市と「伊賀川を美しくする会」協力のもと実施した、伊賀川に流出するごみのモニタリングの調査結果を発表いたします。調査の結果、ごみステーション改良後の方がごみ流出量が“減少した”という結果が得られました。
この活動は、日本財団が推進する海洋ごみ対策プロジェクト「海と日本プロジェクト・CHANGE FOR THE BLUE」の一環で実施するものです。

調査概要
・調査対象:伊賀川へのごみの流出量
・調査方法:RIADによるモニタリング
・調査期間:2024年7月10日〜2025年3月6日
・調査主体:八千代エンジニヤリング株式会社
上流、下流にモニタリング機器を設置し、対策の前後で変化を比較
2024年7月から2025年3月までの期間、上流側の石神橋と下流側の坂谷橋に、ごみ流出量を把握するためのモニタリング機器を設置し、また2024年9月末には石神橋〜坂谷橋間において防護ネットを取り付け、ごみステーションの改良を行いました。ごみステーション改良前後におけるごみ流出量は、川ごみ輸送量計測ソフトウェアである「RIAD」で評価しました。
今回の調査における評価として、ごみステーション改良後の方がごみ流出量が“減少した”という結果が得られた一方で、単年度での実施のため、ごみステーション改良前後で対象としている時期が異なる点や取得データが多くないなどの課題があり、引き続き調査が必要です。
街中のごみステーションの現状
海と日本プロジェクト in 愛知県は、街で発生したごみが川を流れて海へ流出していることに着目し街中のごみの現状を把握の上、データ化しました。その結果、川沿いにごみが散乱していることが判明しました。ごみが散乱する原因は、街中のごみステーションから雨で流されていることが考えられます。街中のごみステーションは防護ネットがないところが多く見受けられました。

今後の課題
①季節による流出量の違いも含めた評価:
梅雨などの雨が多い時期には、雨が頻繁に降ることで1回の降雨におけるごみ流出量が減少する一方、雨が少ない時期には、1回の降雨で多くのごみが流出するという傾向があります。そのため、季節ごとにごみ流出の特徴を踏まえた評価が必要であると考えられます。
②データの取得量の違い:
ごみステーション改良前後におけるデータ量にばらつきがあり、適切な評価に向けてより多くのデータを蓄積していく必要があります。
③ごみステーションへの防護ネット常時装着:
ごみステーションに防護ネット装着後のごみ流出量は減少した為、現在防護ネットを装着していないごみステーションを改良し、常時装着する必要があります。
④ごみステーション以外の発生源の調査:
ごみステーション以外にも、街中に存在する雨水桝や排水溝を経由して流出するごみ、また川沿いに捨てられたごみなどが、ごみ流出の原因の1つとして考えられます。そのため、そのような発生源の特定と対策の検討が必要です。

まとめ
「ごみステーションの改良」によって、川へのごみ流出量が減少したという結果が得られました。しかし、季節による違いや他のごみ発生源の影響もあり、今後さらに詳細な調査と対策案の検討が求められます。特に、降雨時に街中のごみが流出しているため、雨水桝や排水溝からのごみ流出を減らすための施策が重要であり、街中のごみステーションでも防護ネットを付けるなどの対策が必要になります。今後も、海と日本プロジェクトin愛知県は、ごみ問題について取り組んでいきます。また、今回のモニタリング活動や街中のごみの実態把握の結果から、このような取り組みが他の地域にも広がることで、川がきれいになり、海に流れ込むごみの量が減っていくと考えられるため、全国的な環境保護への貢献が期待されます。
<団体概要>
団体名称:一般社団法人海と日本プロジェクトin愛知県
URL:https://tv-aichi.co.jp/aichi_uminohi/
活動内容:愛知県を対象地域とした海と日本プロジェクトを推進する。

CHANGE FOR THE BLUE
国民一人ひとりが海洋ごみの問題を自分ごと化し、”これ以上、海にごみを出さない”という社会全体の意識を向上させていくことを目標に、日本財団「海と日本プロジェクト」の一環として2018年11月から推進しているプロジェクトです。
官学民からなるステークホルダーと連携して海洋ごみの削減モデルを作り、国内外に発信していきます。

日本財団「海と日本プロジェクト」
さまざまなかたちで日本人の暮らしを支え、時に心の安らぎやワクワク、ひらめきを与えてくれる海。そんな海で進行している環境の悪化などの現状を、子どもたちをはじめ全国の人が「自分ごと」としてとらえ、海を未来へ引き継ぐアクションの輪を広げていくため、オールジャパンで推進するプロジェクトです。
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