子育てに悩む人必読! 「信じて、待つ」――上皇陛下の幼少期に教育係をつとめた倉橋惣三の、親を追い詰めず、子どもの才能を開花させる教育方法とは?


倉橋惣三は、「日本のフレーベル」「近代幼児教育の父」と呼ばれる、大正期から昭和にかけて活躍した教育者です。
昭和3年より、合わせて6年間にわたり、昭和天皇皇后両陛下にご進講を行い、その後、皇太子殿下(現在の上皇陛下)の教育係として2年間出仕しました。

筆まめだった惣三は、膨大な数の日記や書簡を遺しました。
本書は、その貴重な資料をもとに、小説家・倉橋燿子氏と燿子氏の娘である麻生氏が3年をかけて書き下ろした、倉橋惣三の素顔と理念に迫る伝記小説です。

子供は自ら育つ
昭和13(1938)年。惣三は、当時4歳だった皇太子殿下のお相手を始めました。ところが――何をしてもうまくいきません。
虫は苦手で触れず、補助付きの自転車さえうまく乗れず、毬を投げればとんでもない方向に飛んでいく始末です。

こんな不器用な惣三に、なぜ白羽の矢が立ったのでしょうか?

その理由は、「子供は自ら育つ」という惣三の教育理念にありました。
さらに惣三は、皇太子殿下だからと特別扱いはしない、と強く心に決めて、お相手をしたのです。
 

自分を照らしてくれる‟小さな太陽たち”と。写真/お茶の水女子大学所蔵自分を照らしてくれる‟小さな太陽たち”と。写真/お茶の水女子大学所蔵

大切なのは、子供の中に眠る可能性を信じ、寄り添い、待つこと。
惣三はこの教育を実践していました。
逆に、先回りして手を出すこと、大人の理想を押し付けることを、よしとしませんでした。
とりわけ熱心に取り組んだのは幼児教育です。それは、
「幼児教育とは、人間の根っこを育てること。しっかりした根っこが育っていなければ、きれいな花は咲くはずもない」
という信念によるものでした。

母親は、導く前に労るべき人
惣三はまた、子育ての悩みを抱える母親たちにも寄り添いました。
母親たちは、「導く前に労るべき人」であり、教育者が語るよりも、まず、悩みを聞くことが大事だと考えたのです。
惣三は、悩める親たちに、その子の親である喜びと幸せを実感してほしいと願い、請われればどんな僻地にも足を運び、講演会を開きました。

「もっと頑張って教育しなければならない」
「自分がダメだから子供もダメなんだ」……
熱心だからこそ自分を追い詰めがちな親たちにとって、惣三が語る教育論は、目からウロコだったはず。どれだけ救いになったことでしょう。

幼稚園を花壇にたとえるなら、自分は花を育てる園丁だと惣三は言っていました。写真/お茶の水女子大学所蔵幼稚園を花壇にたとえるなら、自分は花を育てる園丁だと惣三は言っていました。写真/お茶の水女子大学所蔵


完璧ではないからこそ
惣三は、運動が苦手で不器用なため、「カメ」「カエル」とからかわれる、引っ込み思案な少年でした。
そんな彼の心の扉を開いてくれたのは、転居先の東京・下町に暮らす、年下の人懐っこい子供たちです。
彼らとの出会いがきっかけとなり、惣三は幼児教育の道へ進むことになりました。

教育者として有名になってからも、順風満帆だったわけではありません。
実生活では、自分に心を開いてくれない長男との関係に悩む、一人の親でした。
その葛藤が、さらに教育や人間観を深める原動力になったのです。

わたしたち大人は、子供のすることを待てているでしょうか?
思い通りに動かそうと手や口を出してしまったり、「早く早く」と大人のペースに合わせることを強要したりしていないでしょうか?
子供がやがて大輪の花を咲かせるために、今、子供とどう向き合えばいいのか、
立ち止まって考えてみてほしいという惣三の声が聞こえるようです。
大人の思うように育てるためのノウハウがあふれる今の時代にこそ、惣三の教育が求められているのです。

子供に向き合うすべての方に読んでいただきたい一冊です。

倉橋惣三(くらはし・そうぞう)
明治15年生まれ。昭和30年没。日本幼児教育の先駆けとなった東京女子高等師範学校附属幼稚園(現・お茶の水女子大学付属幼稚園)で主事を務める。『婦人と子ども』(のちの『幼児と教育』フレーベル館)3代目編集責任者、『コドモノクニ』編集顧問を務め、昭和23年には日本保育学会初代会長となる。


●書誌情報
書名:倉橋惣三物語 上皇さまの教育係
発売日:2021年11月24日
著:倉橋燿子 倉橋麻生
出版社:講談社
ページ数:320ページ
ISBN:978-4-06-525829-3
定価:1980円(税込)

●著者紹介
倉橋燿子(くらはし・ようこ)
広島県生まれ。上智大学文学部卒業。出版社勤務、フリー編集者、コピーライターを経て、作家デビュー。講談社X文庫『風を道しるべに……』等で大人気を博した。その後、児童読みものに重心を移す。主な作品に、『いちご』(全5巻)、『青い天使』(全9巻)、『ドリームファーム物語 ペガサスの翼』(全3巻)、『月が眠る家』(全5巻)、『パセリ伝説』(全12巻)、『パセリ伝説外伝 守り石の予言』、「ラ・メール星物語」シリーズ、「魔女の診療所」シリーズ、「ドジ魔女ヒアリ」シリーズ、「ポレポレ日記」シリーズ、「夜カフェ」シリーズ、『生きているだけでいい!~馬がおしえてくれたこと~』(以上、すべて青い鳥文庫/講談社)、『風の天使』(ポプラ社)などがある。

倉橋麻生(くらはし・まお)
東京都生まれ。慶應義塾大学文学部卒業、上智大学博士前期課程修了。卒業後、宮内庁に勤務。事務官として皇室業務にあたる。現在は企業のESG/SDGs調査の仕事に携わっている。倉橋燿子の長女であり、惣三のひ孫に当たる。

 

 

 

 

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